目黒記念
2025/5/26 東京競馬場 芝2500m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−2−3−3]で4連対。関東馬は[1−1−1−3]だが、関西馬は[1−1−2−0]で3着以内を確保。2番人気は[1−1−1−7]、3番人気は[2−0−0−8]で各2連対。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が3連対。過去5年の馬連は46倍、29倍、27倍、38倍、69倍で中穴決着が続いている。近年の傾向から人気馬に6〜8番人気を絡めて中穴を狙うのが妙味。

トップハンデは[3−0−2−11]で2、4、8番人気が優勝。5番人気以内は[2−0−0−3]だが、6番人気以下は[1−0−2−8]で1連対のみ。22年は2番人気、23年は4番人気が勝ったが、人気がない馬の出番は少ない。6番人気以下で連対した9頭のうち8頭が前走OP以上で負けていた。そのうち4頭が前走と同斤だった。ハンデキャッパーに評価され、穴で前走6着以下に負けても斤量が減らなかった馬に注意。

アドマイヤテラは[4−1−1−2]で4着以内を確保。菊花賞は出遅れて最後方から押し上げ、4コーナーで先頭に立つと6位の36.3秒で上がって0.4秒差の3着。2着ヘデントールはダイヤモンドS、天皇賞(春)を連勝した。前走大阪−ハンブルクCは3番手から2位タイの34.9秒で抜け出して2分39秒8(稍重)で優勝。休み明けで馬体が12キロ増えていた。友道厩舎のレイデオロ産駒で母はオークス3着馬アドマイヤミヤビ。ハンデは57.5キロ。鞍上は武豊騎手。出遅れて折り合いを欠き、大外ブン回しは禁止です(笑)

スティンガーグラスは[4−1−0−2]で2、3勝Cを2連勝。グッドラックHは8番手から押し上げ、2位の35.7秒で差し切って2分32秒2で優勝。2着サンライズソレイユに0.3秒差をつけた。前走湾岸Sは中団から最速の37.0秒で差し切って2分33秒5(稍重)で2馬身半差で圧勝。セレクトセール1億2650万円の木村厩舎のキズナ産駒でダノンファンタジーの半弟、エムズの半兄。重賞ではスプリングSが0.8秒差の6着、セントライト記念が1.1秒差の5着。過去10年でルメール騎手は[1−0−2−6]。

2連勝中のサンライズソレイユ、AJCC2着馬マテンロウレオ、メトロポリタンS勝ち馬マイネルクリソーラ、同2着馬マイネルカンパーナ、大阪−ハンブルクC2着馬ニシノレヴナント、中山牝馬S2着馬ホーエリート、22年の目黒記念2着馬マイネルウィルトスなど伏兵は数多い。サンライズソレイユは前5走芝2400m以上を使って[2−1−2−0]で3着以内を確保。前走烏丸Sは8番手から3位の34.6秒で差し切って2分24秒3で優勝。ハンデは前走より1キロ減の56キロ。過去10年で矢作厩舎は[0−0−1−8]。

マイネルクリソーラは前走メトロポリタンSを後方から最速の34.5秒で差し切って2分24秒0で優勝。ラスト7Fから6F11秒台のラップが続く持続力が問われるレースだった。東京では[2−2−3−2]。重賞は[0−0−1−5]で中山金杯3着、中山記念&日経賞5着がある。横山武騎手が2戦連続で騎乗する。マイネルカンパーナは早春Sを4番手から2位の34.6秒で抜け出して2分25秒1で優勝。前走メトロポリタンSは中団から2位タイの34.6秒で上がってクビ差の2着。直線で前が壁になって外に切り替えるロスがあった。マイネルクリソーラとは同斤から1キロ差になる。小柄な馬だが、丹内騎手が内から上手く捌ければ。


調教診断

★ニシノレヴナント
南Wで3頭併せで馬なりのまま併入。軽快な走りで余力十分にラスト11.4秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのままラスト11.4秒で併入。叩いてデキは上向き。

★マイネルクリソーラ
南Wで3頭併せで強めに追って併入。前向きさがあり重心の低いフットワークでラスト11.5秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。前走勝ったデキをキープ。

★サンライズソレイユ
栗CWで2頭併せで馬なりのまま先着。前向きさがあり重心の低いフットワークでラスト11.3秒。かなり使い込んでいるが、矢作厩舎の管理馬でタフな馬。デキはある。

★スティンガーグラス
南Wで3頭併せで馬なりのまま併入。前向きさがあり、軽快なフットワークでラスト11.5秒。1週前に南Wで2頭併せで併入。スムーズな走りで連勝のデキをキープ。

★アドマイヤテラ
栗坂で軽く仕掛けられた。1週前に栗CWで3頭併せで一杯に追って遅れたが、ラスト11.0秒で動いている。調子の波が少ないタイプ。前走勝ったデキをキープ。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆ホーエリート
☆ダンディズム

レース回顧

2025年 6月 1日(日) 2回東京12日  天候: 曇   馬場状態: 良 
12R  第139回目黒記念
4歳以上・オープン・G2(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2500m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5 10  アドマイヤテラ     牡 4 武豊     57.5 2.32.9 34.5  1 494 (栗)友道康夫
2 5  9  ホーエリート       牝 4 戸崎圭太  55  2.32.9 34.8  6 480 (美)田島俊明
3 2  4  マイネルクリソーラ 牡 6 横山武史  57  2.33.4 34.8  9 468 (美)手塚貴久
4 6 11  ディープモンスター 牡 7 松山弘平  58  2.33.4 34.3 13 468 (栗)池江泰寿
5 7 14  シルブロン         牡 7 レーン    57  2.33.4 35.3  8 496 (美)稲垣幸雄
6 2  3  ヴェルミセル       牝 5 津村明秀  54  2.33.5 34.5 11 462 (栗)吉村圭司
7 1  2  マテンロウレオ     牡 6 横山典弘 58.5 2.33.6 34.7  4 488 (栗)昆貢
8 4  7  マイネルカンパーナ 牡 5 丹内祐次  56  2.33.6 35.3  5 418 (美)青木孝文
9 1  1  サンライズソレイユ 牡 4 坂井瑠星  56  2.33.8 34.9  3 524 (栗)矢作芳人
10 3  5  アスターブジエ     牡 5 北村宏司  53  2.33.8 34.7 16 466 (栗)中竹和也
11 4  8  スティンガーグラス 牡 4 ルメール 56.5 2.33.9 35.2  2 482 (美)木村哲也
12 6 12  ダンディズム       セ 9 佐々木大  56  2.34.0 35.3 12 468 (栗)野中賢二
13 7 15  マイネルウィルトス 牡 9 シュタル 57.5 2.34.4 36.0 14 480 (栗)宮徹
14 3  6  ミクソロジー       牡 6 菅原明良  57  2.34.6 35.5 17 444 (栗)辻野泰之
15 8 18  ニシノレヴナント   セ 5 池添謙一  55  2.34.7 36.5 10 488 (美)上原博之
16 7 13  マキシ             牡 5 岩田望来  56  2.34.7 36.2 15 506 (栗)辻野泰之
17 8 17  メイショウブレゲ   牡 6 石橋脩    56  2.34.7 36.4 18 470 (栗)本田優
止 8 16  ハヤヤッコ         牡 9 ディー    59  ------ ----  7 486 (美)国枝栄
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LAP : 7.5-11.8-12.1-13.0-13.3-12.5-12.2-12.2-11.9-11.6-11.4-11.5-11.9
通過:31.4-44.4-57.7-70.2  上り:70.5-58.3-46.4-34.8  平均:1F:12.23 / 3F:36.70
単勝   10 \330 
複勝   10 \160 / 9 \380 / 4 \500 
枠連   5-5 \4060 (16) 
馬連   09-10 \3560 (11) 
ワイド 09-10 \1010 (7)/ 04-10 \1270 (10)/ 04-09 \3620 (40) 
馬単   10-09 \6160 (18) 
3連複 04-09-10 \18500 (60/816) 
3連単 10-09-04 \79580 (224/4896) 

アドマイヤテラはスタートを決めて内から2頭目の好位につけ、メンバー2位タイの34.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分32秒9。マイネルカンパーナが逃げて前半5F63.9秒のスローペース。後半5F58.3秒、上がりは34.8秒。流れが緩んで後半5Fのラップが全て11秒台の持続力勝負になり、内をロスなく回ってある程度前につけた馬が有利になった。アドマイヤテラは好位から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇を飾った。菊花賞で2着ヘデントールにハナ差の3着に入った馬が大阪−ハンブルクC、目黒記念を2連勝。レイデオロ産駒で母はオークス3着馬アドマイヤミヤビ。良血馬がキャリアを積んで本格化してきた。ガツンと切れる脚はないがスタミナがあり、いい脚を長く使えバテないタイプ。今後も長距離重賞戦線で活躍できそうだ。武豊騎手は今年の重賞初勝利。デビューした年から39年連続で重賞勝利となった。今後も出遅れて折り合いを欠き、大外ブン回しは禁止でお願いします(笑)

ホーエリートはスタートを決めて2番手につけ、メンバー6位タイの34.8秒で上がってクビ差の2着。ラスト100mでアドマイヤテラに交わされてからもしぶとく伸びて食い下がっていた。前走福島牝馬Sは好位から全く伸びずに1.1秒差の12着に終わったが、3走前の迎春S(中山芝2200m)でいい脚を長く使って牡馬に勝ち、2走前の中山牝馬Sでシランケドに食い下がって2着に入った馬。広い東京芝2500mに替わって走りが一変した。オークスで大外から捲って見せ場を作った馬が距離を延ばしてパフォーマンスを引き上げた。父ルーラーシップ、母の父ステイゴールドは天皇賞(春)を制したヘデントールと同じ。今後は長距離重賞を使って行くことになりそうだ。

マイネルクリソーラは道中内ラチ沿いの3番手につけたが、向こう正面で外から来られて9番手に下がり、メンバー6位タイの34.8秒で上がって0.5秒差の3着。スローペースで外から来られて位置取りが悪くなる厳しいレースになったが、持ち味の末脚の持続力で最後までしぶとく伸びてきた。日経賞で0.1秒差の5着、メトロポリタンSを勝ち、今回3着。長い距離でジリジリとパフォーマンスを引き上げている。今年6歳になったが、調教診断で2位に評価したように今調子がいいのだろう。

マイネルカンパーナはハナを切った後に向こう正面で外から来られて4番手に控え、メンバー10位タイの35.3秒で上がって0.7秒差の8着。直線で途中から逃げたシルブロンに前に入られて少し外に切り替えるロスがあった。418キロの小柄な馬だが、ここにきて少しずつパフォーマンスを引き上げている。ゴールドシップ産駒で持久力があるため、もっとタフなレースになった方が力を出せる。

サンライズソレイユは出遅れて15番手を進み、メンバー8位の34.9秒で上がって0.9秒差の9着。1枠1番からこの流れなら好位につけられそうだが、坂井騎手が出遅れて位置取りが悪くなり、外から追い込むレースになったことが堪えた。カレンブーケドールの半弟。2連勝して力をつけているが、出遅れて超スローペースになり、全く力を出せれなかった。

スティンガーグラスは中団からメンバー9位の35.2秒で上がって1.0秒差の11着。ルメール騎手が中団の馬込みで折り合って進めたが、直線で追っても伸び切れなかった。中山芝2500mの上がりの掛かるレースで2連勝してきたが、ラスト5F11秒台のラップが合わなかったか。上がりの掛かる中山で見直したいが、秋の中山は全面野芝で時計、上がりが速い点がどう出るか。

ニシノレヴナントは大外18番枠から3番手につけたが、直線で全く伸びず1.8秒差の15着。前半5F63.9秒のスローペースで前残りのレースになったが、道中外からメイショウブレゲに来られ、向こう正面でシルブロンが捲ってきたことでずっと折り合いを欠いていた。直線で池添騎手は鞭を入れず諦めていた。流れと位置取りはマッチしていたが、折り合いを欠いては厳しかった。



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