日経賞
2025/3/29 中山競馬場 芝2500m

レース展望

天皇賞(春)のステップレース。過去10年で1番人気は1番人気は[2−3−0−5]で5連対。単勝1倍台は[1−0−0−1]、2倍台は[0−3−0−2]、3倍以上は[1−0−0−2]。2番人気は[2−2−2−4]で4連対、3番人気は[2−0−1−7]で2連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る2頭は7、7番人気。過去5年の馬連は12倍、10倍、8倍、21倍、14倍で20倍台までに収まっている。

4歳[5−4−0−13]、5歳[4−2−3−24]、6歳[1−1−3−32]、7歳以上[0−3−4−31]で4歳馬が9連対。6、7歳で3着以内に入った10頭のうち5頭が6番人気以下の人気薄。穴で前走負けて人気がない高齢馬に注意。関東馬[6−3−4−54]で9連対、関西馬[4−7−6−45]で11連対。2番人気以内の関東馬は[4−2−0−3]だが、関西馬は[0−3−2−6]で2、3着が多い。

アーバンシックは京成杯でダノンデザイルに0.1秒差の2着。皐月賞は4着、ダービーは11着に終わったが、秋はセントライト記念、菊花賞を連勝した。セントライト記念は9番手の内から押し上げ、最速の34.0秒で差し切り2分11秒6で優勝。菊花賞は8番手の外から勝負どころで3番手に押し上げ、3位の35.6秒で差し切って3分4秒1で2馬身半差で圧勝。前走有馬記念は内ラチ沿いの7番手から4位タイの35.1秒で上がって0.5秒差の6着。有馬記念と同じコースで2キロ増の58キロ。今後を占う重要なレースになる。

シュヴァリエローズは目黒記念を3番手から7位の33.6秒で上がってクビ差の2着。京都大賞典は6番手から3位の34.2秒で差し切り2分22秒9で優勝。前走ステイヤーズSは4番手から勝負どころで2番手に押し上げ、4位の35.1秒で上がって優勝。初めて58キロを背負い、芝3000m以上で勝ったことで春は天皇賞(春)が目標になる。清水厩舎のディープインパクト産駒の7歳馬。過去10年で7歳馬は[0−3−2−16]、5番人気以内[0−3−0−1]。過去10年でディープインパクト産駒は[0−1−3−12]。

AJCC2着馬マテンロウレオ、京都記念2着馬リビアングラス、日経新春杯3着馬マイネルエンペラー、昨年のAJCC勝ち馬チャックネイト、昨年のAR共和国杯勝ち馬ハヤヤッコ、昨年の日経賞3着馬マイネルウィルトス、ダイヤモンドS3着馬ヴェルミセルなど。マテンロウレオは中日新聞杯で0.4秒差の3着。2着ロードデルレイは日経新春杯を圧勝した。前走AJCCは3番手から5位タイの36.3秒で上がって0.1秒差の2着。昨年の日経賞は逃げて0.2秒差の4着。昆厩舎のハーツクライ産駒。横山典騎手がどう乗るか。

リビアングラスは八坂Sを勝って不振から脱し、前走京都記念を内ラチ沿いの3番手から3位の34.4秒で上がって0.1秒差の2着。京都新聞杯3着、菊花賞4着がある馬が復調してきた。先週のフラワーCでワンツースリーを決めたキズナ産駒。2戦連続で松山騎手が騎乗する。ハヤヤッコはAR共和国杯で最後方から最速の34.6秒で差し切って2分29秒0で優勝。日経賞5着、金鯱賞4、4着などG2で善戦がある馬が10番人気で激走した。今年9歳になったが、10歳のトウカイトリックはステイヤーズSを制している。


調教診断

★アーバンシック
南Wで3頭併せで軽く仕掛けて先着。ストライドが大きい推進力のある走りでラスト11.4秒。馬体を大きく見せ、風格が備わってきた。久々も上々の仕上がり。

★シュヴァリエローズ
栗坂で馬なり調教。活気があり、しっかりとした脚捌きで最後まで余力十分。1週前に栗CWで2頭併せで強めに追ってラスト11.2秒で先着。久々もデキ安定。

★マイネルエンペラー
栗CWで2頭併せで馬なりのまま併入。派手さはないが、ラスト11.3秒で動いている。1週前は栗CWでシュヴァリエローズに遅れたがラストは11.2秒。順調。

★マテンロウレオ
栗CWで馬なり調教。全体時計は遅いが、気合乗りが良く、回転の速いフットワークでラスト11.3秒。1週前に栗CWで一杯に追っている。変わりなく順調。

★リビアングラス
栗坂で馬なり調教。大きなストライドで余力十分。1週前に栗CWで2頭併せで一杯に追って相手を突き放した。前走中1週で激走したが、前走のデキをキープ。

ヴェルミセル、ブレイヴロッカーは調教VTRなし。


レース回顧

2025年 3月29日(土) 3回中山1日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第73回日経賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2500m   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  8  マイネルエンペラー 牡 5 丹内祐次  57  2.36.1 37.0  2 488 (栗)清水久詞
2 4  6  チャックネイト     セ 7 モレイラ  57  2.36.1 36.5  5 494 (美)堀宣行
3 4  7  アーバンシック     牡 4 ルメール  58  2.36.2 36.6  1 514 (美)武井亮
4 8 15  リビアングラス     牡 5 松山弘平  57  2.36.2 37.2  6 494 (栗)矢作芳人
5 6 11  マイネルクリソーラ 牡 6 菅原明良  57  2.36.2 36.4 13 464 (美)手塚貴久
6 3  5  ヴェルミセル       牝 5 津村明秀  55  2.36.3 36.5  8 458 (栗)吉村圭司
7 2  3  マイネルウィルトス 牡 9 横山武史  57  2.36.4 37.1 10 484 (栗)宮徹
8 2  2  マテンロウレオ     牡 6 横山典弘  57  2.36.5 37.4  3 478 (栗)昆貢
9 1  1  アラタ             牡 8 大野拓弥  57  2.36.5 37.1 12 482 (美)和田勇介
10 5  9  ハヤヤッコ         牡 9 吉田豊    58  2.36.5 36.6  7 482 (美)国枝栄
11 8 14  バビット           牡 8 戸崎圭太  57  2.36.5 37.6  9 472 (栗)浜田多実
12 7 13  シュヴァリエローズ 牡 7 北村友一  58  2.36.6 36.5  4 466 (栗)清水久詞
13 7 12  ホウオウノーサイド 牡 6 杉原誠人  57  2.36.8 36.5 15 486 (美)奥村武
14 6 10  ブレイヴロッカー   牡 5 石橋脩    57  2.36.8 37.5 14 462 (栗)本田優
15 3  4  マキシ             牡 5 三浦皇成  57  2.36.8 37.1 11 500 (栗)辻野泰之
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LAP : 6.8-11.9-12.4-12.4-12.7-13.3-12.9-12.4-12.1-12.0-12.3-12.2-12.7
通過:31.1-43.5-56.2-69.5  上り:73.7-61.3-49.2-37.2  平均:1F:12.49 / 3F:37.46
単勝   8 \740 
複勝   8 \180 / 6 \250 / 7 \120 
枠連   4-5 \510 (1) 
馬連   06-08 \3350 (10) 
ワイド 06-08 \830 (8)/ 07-08 \290 (1)/ 06-07 \400 (4) 
馬単   08-06 \7490 (25) 
3連複 06-07-08 \1620 (2/455) 
3連単 08-06-07 \20860 (53/2730) 

マイネルエンペラーは3番手から4コーナーで2番手に押し上げ、メンバー8位の37.0秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分36秒1(稍重)。バビットが逃げて前半5F62.8秒。後半5F61.3秒、上がり37.2秒、ラップ12.3−12.2−12.7秒。午前中に雨が上がる予報だったが、ずっと降り続いて馬場が悪化し、時計、上がりが掛かるレースになった。マイネルエンペラーは勝負どころで丹内騎手の手が激しく動いたが、直線で激しい叩き合いを制して2番人気で重賞初制覇を飾った。テン乗りの丹内騎手が強気な騎乗で馬の持ち味を上手く引き出している。レベルが高かった日経新春杯3着がダテではないことを示した。丹内騎手は今年25勝でリーディング6位。重賞は[3−2−0−7]で連対率41.7%、単勝回収率173%、複勝回収率132%。マイネルエンペラーは次走天皇賞(春)でG1獲りを目指す。

チャックネイトは中団の馬込みを進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー2位タイの36.5秒で上がってクビ差の2着。モレイラ騎手が外にいたアーバンシックを内に入れないようにして進め、3、4コーナーでロスなく進めて直線でひと脚使って2着に持ってきた。昨年のAJCCを勝った後、14、6、8、13着で不振が続いていたが、モレイラ騎手が騎乗して走りが一変した。これで道悪では[2−1−1−0]。雨で馬場が渋って時計、上がりが掛かる状態になったことがプラスに働いている。外国人騎手が騎乗したときは[2−1−1−1]。堀調教師が外国人騎手を乗せてきたときは要注意。

アーバンシックは道中9番手の外を進み、直線で外からメンバー6位タイの36.6秒で上がって0.1秒差の3着。中盤にラップが落ち、ラスト5Fから12秒台前半のラップが続いたことで大外を回って押し上げるのに脚を使ったことが堪えた。雨が降り続いて馬場が悪化したこともマイナスに働いた。次走に向けてルメール騎手が無理しなかったこともあるのだろう。過去10年の天皇賞(春)で日経賞組は[2−1−2−37]。3着以内は[2−1−2−16]、4着以下は[0−0−0−21]。3着に入ったことで天皇賞(春)の望みを繋いだ。ルメール騎手は重賞で位置取りが悪くなりがちだが、徐々に復調してきている。

リビアングラスは2番手からメンバー12位の37.2秒で上がって0.1秒差の2着。3着アーバンシックとはクビ差。直線で一杯になりながらしぶとく粘っている。前走京都記念で2着に入ったのはダテではなく、23年の菊花賞4着馬が地力強化されている。良馬場では[1−0−1−9]、道悪では[3−1−0−1]。馬場が渋ったときに特に注意したい。

マテンロウレオは内ラチ沿いの3番手につけ、4コーナーから直線で外に出しメンバー13位の37.4秒で上がって0.4秒差の8着。3、4コーナーで横山典騎手は絶好の手応えだったが、外に持ち出してから伸び切れなかった。馬場が悪くなり過ぎたことが堪えた印象。今回は3番人気だったが、人気になると走らない傾向がある点に注意したい。

シュヴァリエローズは後方2番手からメンバー2位タイの36.5秒で上がって0.5秒差の12着。これで道悪では[0−0−0−5]。軽い走りをするディープインパクト産駒。午前中に雨が上がる予報だったが、ずっと降り続いて馬場が悪化したことが堪えた。清水厩舎はマイネルエンペラーと2頭出し。天皇賞(春)に向けて悪い馬場で無理しなかったのだろう。



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