中山金杯
2024/1/6 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−1−3−2]で5連対。前走G1、G2は[1−1−0−0]だが、前走G3は[0−0−3−2]で3着止まり。2番人気は[1−1−1−7]、3番人気は[2−0−0−8]で各2連対。連対馬14頭が5番人気以内、残る6頭は6、6、7、7、7、8番人気。過去5年の馬連は45倍、25倍、19倍、126倍、36倍で荒れている。人気馬に7番人気前後を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

関東馬は[5−7−4−75]、関西馬は[5−3−6−55]で関東馬が優勢。2番人気以内の関東馬は[4−2−1−4]で6連対だが、関西馬は[1−0−3−5]で1連対のみ。人気の関西馬は前走重賞で連対した馬でも過信禁物。6番人気以下で連対した6頭のうち5頭は前走OP以上で2〜5着に負けていた。前走OP以上で善戦した馬が6〜8番人気で激走している。前走チャレンジC、ディセンバーSで善戦した馬に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[3−2−4−32]で1、1、4番人気が勝ち、5、8番人気が2着、1、2、5、10番人気が3着。エピファニー、カテドラル、ククナ、ホウオウアマゾンが該当する。社台F生産馬は[2−2−1−16]で4、5番人気が勝ち、1、7番人気が2着、1番人気が3着。アラタ、ボーンディスウェイが該当する。社台白老F生産馬は[1−0−0−6]で1番人気が1着。クロミナンスが該当する。

社台馬主の馬はサンデーRがクロミナンス(キングスコート騎手)、キャロットFがカテドラル(荻野極騎手)、ククナ(戸崎騎手)、シルクHCがエピファニー(ピーチュレク騎手)。過去10年でサンデーRは[0−0−1−8]、キャロットFは[0−1−1−6]、シルクHCは[1−0−0−6]。勝ったのは18年のセダブリランテスのみ。G1に繋がりにくいハンデG3で社台の馬はそれほど活躍していない。

エピファニーはOP入りして不振が続いたが、2走前のケフェウスSを中団から最速タイの35.0秒で差し切って1分57秒2で優勝。前走チャレンジCは後方から外を回って押し上げ、2位タイの34.7秒で上がって0.2秒差の4着。ルメール騎手が外から早めに動いたが伸び切れなかった。芝1800mがベストだが、芝2000mも守備範囲。6番枠より内に入ったときは[4−1−1−0]。ピーチュレク騎手が騎乗する。

マテンロウレオは芝2000m重賞[1−1−0−7]できさらぎ賞1着、中日新聞杯2着がある。昨年の芝2000mでは中山金杯(57.5キロ)が0.1秒差の5着、大阪杯が0.4秒差の4着、前走チャンレンジCが0.3秒差の5着で善戦止まりが続いている。ハンデは昨年より1キロ重い58.5キロ。横山和騎手はアラタ、横山武騎手はサンストックトン(除外対象)。中山は[0−0−0−5]だが、寒い時期に走るタイプ。

アンドロメダS2着馬マイネルクリソーラ、七夕賞2着馬ククナ、フローラS勝ち馬ゴールデンハインド、ディセンバーS2着馬コスタボニータ、前走常総Sを勝ったボーンディスウェイなど。マイネルクリソーラは前走アンドロメダSで5番手から4位の34.8秒で上がって0.3秒差の2着。引退が近い中野栄厩舎の管理馬。Mデムーロ騎手では[1−3−1−1]。ククナは芝2000m[1−1−1−1]で3走前の七夕賞で3番手から3位タイの34.9秒で上がって0.2秒差の2着。引退が近い社台の6歳牝馬。戸崎騎手が騎乗する。


レース回顧

2024年 1月 6日(土) 1回中山1日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第73回日刊スポーツ賞中山金杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   17頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  3  リカンカブール     牡 5 津村明秀  56  1.58.9 34.5  5 494 (栗)田中克典
2 4  7  ククナ             牝 6 戸崎圭太  54  1.59.0 34.1  8 468 (美)栗田徹
3 8 15  マイネルクリソーラ 牡 5 M.デム  55  1.59.1 34.6  6 458 (美)中野栄治
4 4  8  ボーンディスウェイ 牡 5 木幡巧也  55  1.59.2 34.9  2 490 (美)牧光二
5 6 12  ホウオウアマゾン   牡 6 横山武史  58  1.59.3 35.1 14 512 (栗)矢作芳人
6 3  6  クリノプレミアム   牝 7 松岡正海 55.5 1.59.3 34.7 10 488 (美)伊藤伸一
7 5 10  マテンロウレオ     牡 5 横山典弘 58.5 1.59.3 34.0  3 482 (栗)昆貢
8 7 13  カテドラル         牡 8 荻野極   58.5 1.59.4 33.8 17 488 (栗)池添学
9 6 11  ゴールデンハインド 牝 4 菅原明良  54  1.59.5 35.4  4 498 (美)武市康男
10 3  5  マイネルファンロン 牡 9 丸山元気  56  1.59.5 34.8 15 490 (美)手塚貴久
11 2  4  エピファニー       牡 5 ピーヒュ  57  1.59.5 35.1  1 506 (美)宮田敬介
12 5  9  サクラトゥジュール 牡 7 キング    57  1.59.6 34.3  9 526 (美)堀宣行
13 1  2  アラタ             牡 7 横山和生  58  1.59.6 33.9  7 480 (美)和田勇介
14 1  1  キタウイング       牝 4 杉原誠人  53  1.59.7 34.6 12 434 (美)小島茂之
15 7 14  カレンシュトラウス 牡 7 藤懸貴志  56  1.59.8 33.6 16 520 (栗)平田修
16 8 16  サトノエルドール   牡 8 三浦皇成  56  1.59.9 35.2 13 482 (美)国枝栄
17 8 17  エミュー           牝 4 佐々木大  54  2.02.7 37.6 11 422 (美)和田正一
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LAP :12.3-11.0-12.8-12.0-12.4-11.8-11.8-11.7-11.4-11.7
通過:36.1-48.1-60.5-72.3  上り:70.8-58.4-46.6-34.8  平均:1F:11.89 / 3F:35.67
単勝   3 \780 
複勝   3 \270 / 7 \400 / 15 \340 
枠連   2-4 \570 (1) 
馬連   03-07 \4820 (24) 
ワイド 03-07 \1450 (22)/ 03-15 \1310 (18)/ 07-15 \1870 (27) 
馬単   03-07 \8030 (38) 
3連複 03-07-15 \12230 (52/680) 
3連単 03-07-15 \65470 (252/4080) 

リカンカブールは2枠3番からスタートを決めて内ラチ沿いの4番手につけ、4コーナーから直線で外に持ち出すとメンバー7位の34.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分58秒9。ゴールデンハインドが逃げて前半5F60.5秒の緩い流れ。後半5F58.4秒、ラップは全て11秒台。流れが緩んである程度前につけた馬の末脚の持続力勝負になった。リカンカブールは前2走出遅れて追い込むレースになったが、テン乗りの津村騎手が内ラチ沿いの絶好位につけ、勝負どころでスムーズに外に出して持ってきた。

前走12キロ増えた馬体が12キロ減って絞れていた。これで芝2000mは[5−1−0−1]。ハンデ戦ということもあるが、2走前に3勝Cを勝った馬が重賞初制覇を飾った。京都金杯では前走3勝Cを勝ったコレペティトールが優勝。古馬が弱いのか、近走条件戦を勝った馬が活躍する傾向が出てきている点に注意したい。5年目の田中克典厩舎は重賞初制覇となった。津村騎手は昨年中山で27勝を挙げ、連対率30.5%。中山で乗れているので注意したい。リカンカブールは金鯱賞あたりを使って大阪杯を目指すことになりそうだ。

ククナは道中馬込みの9番手を進み、直線で外からメンバー5位の34.1秒で上がって半馬身差の2着。道中4番手以内につけた馬が1、3、4、5着に入る中、外から切れる脚を使って伸びてきた。前2走小倉記念6着、エリザベス女王杯10着に終わって8番人気だったが、七夕賞で2着に入った馬が小回りの芝2000mで穴をあけた。これで芝2000mは[1−2−1−1]で堅実に走っている。馬主は社台のキャロットF。七夕賞と同じ54キロの軽ハンデも良かったのだろう。

マイネルクリソーラは8枠15番からMデムーロ騎手が押して4番手につけ、メンバー8位タイの34.6秒で上がって0.2秒差の3着。終始外を回るロスがあったが、最後までしぶとく伸びて6番人気で激走した。夏のWASJ(3勝C)で大外から捲って勝ったのはダテではないことを示した。スクリーンヒーロー産駒で末脚の持続力が優れている。Mデムーロ騎手では[1−3−2−1]で好相性。

ボーンディスウェイは3番手からメンバー12位の34.9秒で上がって0.3秒差の4着。外を回って先行したが、流れが緩んで最後の直線で切れ負けした。木幡巧騎手がコメントしたようにジリ脚のため、もっと早めに動いても良かったかもしれない。弥生賞で2着ドウデュースに半馬身差の3着に入った馬。レースを使いながら少しずつ地力が強化されている。

エピファニーは道中4番手を進み、メンバー13位タイの35.1秒で上がって0.6秒差の11着。1コーナーで頭を上げて折り合いを欠き、道中力んで走っていた。2走前に勝ったケフェウスSは前半5F57.1秒。緩い流れで折り合いを欠いたが、テン乗りのピーヒュレク騎手の影響もあるのだろう。短期免許で来日した外国人騎手たちは現時点では信頼度が低い。

アラタは1枠2番から内ラチ沿いの好位につけたが、1コーナーで寄られて狭くなり、ラチに接触して後方に下がる大きな不利があり、後方のまま見せ場なく0.7秒差の13着に終わった。1コーナーで2番手につけたホウオウアマゾン(横山武騎手)が内を締めたことが影響している。アラタは馬体が10キロ増えていたが、調教の動きが良かったように仕上がりは悪くなかった。



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