カペラS
2023/12/10 中山競馬場 ダ1200m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−2−1−6]で3連対。5歳馬は[0−0−1−1]、6歳馬は[0−0−0−2]、牝馬は[0−0−1−3]で連対なく不振。2番人気は[2−2−4−2]、3番人気は[3−1−0−6]で各4連対。6〜9番人気は4連対、10番人気以下は2連対。過去4年は4番人気以内で決着し、馬連は9倍、10倍、12倍、10倍。近年はダート短距離重賞実績がある人気馬で堅く収まっている。

過去10年のうち5年が1分8〜9秒台の高速決着。ダート短距離で実績のある馬が揃い、ハイペースで高速決着になりやすい。ダ1200mで1分10秒前後の速い持ちタイムがある馬、特に関西牡馬に注意したい。連対馬の脚質は、逃げ3先行5、差し5追込7で差し追い込み馬が活躍している。先行争いが激化してハイペースになると直線一気が決まりやすい。末脚に威力がある直線一気タイプの追い込み馬に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[1−0−0−13]で6番人気が優勝。オールアットワンス、デュアリストが該当する。社台F生産馬は[1−2−2−10]だが、今年は出走がない。社台馬主の馬はデュアリスト(サンデーR)、オールアットワンス(吉田勝己氏)の2頭のみ。G1と関係性の薄いダート短距離G3で社台系生産馬、社台馬主の馬は活躍していない。騎手は社台への忖度がなく、混戦レースになりやすい。

リュウノユキナは国内ダ1200m重賞[3−8−3−0]。20年秋以降の中山ダ1200mは[1−3−0−0]。カペラSは21年がダンシングプリンスの半馬身差の2着、昨年がリメイクに4馬身差の2着。2年とも1枠1番だった。今年はサウジで6着に終わったが、その後は東京スプリント1着、クラスターC3着、東京盃2着、JBCスプリント3着。近走負けたリメイク、ドンフランキーはいない。鞍上は最年長の柴田善騎手。

タガノクリステルは初のダ1200mとなったながつきSを5番手から最速の35.1秒で抜け出して1分8秒9(重)の好タイムで3馬身差で圧勝。8枠11番スタートから道中内に入れてロスなく回り、直線で内から捌いてきた。前走藤森Sは1枠1番から内ラチ沿いの6番手につけたが、直線で全く伸びずに0.9秒差の7着。これまで稍重以上では[4−2−1−1]だが、良馬場では[1−0−4−5]。週末は雨は降らない予報。

京葉Sを逃げて1分10秒0で圧勝したテイエムトッキュウ、2連勝でOP入りしたメタマックス、中山ダ1200mを4連勝で千葉Sを制したスズカコテキタイ、安達太良S勝ち馬チェイスザドリーム、エニフS勝ち馬ベルダーイメル、ポラリスS勝ち馬オメガレインボー、松風月S勝ち馬オーロラテソーロ、安達太良S&室町S3着のデュアリストなど伏兵は多士済々。過去5年は10番手以下から追い込んだ馬が3着以内に入っている。

テイエムトッキュウは中山ダ1200m[2−1−0−0]で初風S1着は前半3F33.2秒、千葉S2着は33.1秒(重)、京葉Sは33.7秒で逃げている。チェイスザドリームとの兼ね合いがカギになるが、思い切って飛ばす手もある。オーロラテソーロはダ1200m[5−2−2−5]で重賞ではクラスターC1着、東京盃3着、東京スプリント3着、クラスターC4着。テン乗りの佐々木大騎手が良馬場でガツンと追って持ってくるか。


レース回顧

2023年12月10日(日) 5回中山4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第16回カペラS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1200m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  3  テイエムトッキュウ 牡 5 津村明秀  57  1.09.3 35.8  2 500 (栗)木原一良
2 7 13  チェイスザドリーム 牝 4 藤岡佑介  55  1.09.8 36.1 10 472 (栗)矢作芳人
3 1  2 $メタマックス       牡 3 菅原明良  56  1.10.1 35.6  6 528 (栗)森秀行
4 8 16  リュウノユキナ     牡 8 柴田善臣  58  1.10.1 36.2  1 510 (美)岩戸孝樹
5 5 10  タガノクリステル   牝 4 戸崎圭太  55  1.10.2 35.5  4 498 (栗)長谷川浩
6 6 12  ベルダーイメル     牡 6 吉田豊    57  1.10.3 35.2  3 458 (栗)本田優
7 3  5  ラプタス           セ 7 幸英明    58  1.10.5 36.5 13 476 (栗)松永昌博
8 2  4  デュアリスト       牡 5 三浦皇成  57  1.10.5 36.6  5 502 (栗)安田隆行
9 7 14  オメガレインボー   牡 7 横山和生  57  1.10.5 35.5  7 466 (栗)安田翔伍
10 6 11  アティード         牡 5 田辺裕信  57  1.10.6 35.3 12 520 (美)加藤士津
11 3  6  アイスリアン       牝 5 亀田温心  55  1.10.6 35.7 11 448 (栗)高柳大輔
12 8 15  カイザーメランジェ 牡 8 江田照男  57  1.11.0 35.9 16 480 (美)中野栄治
13 4  7  スズカコテキタイ   牡 4 岩田康誠  57  1.11.1 35.8  8 498 (美)奥村武
14 4  8 $オーロラテソーロ   牡 6 佐々木大  57  1.11.3 37.1  9 504 (美)畠山吉宏
15 1  1 $ピンシャン         牡 6 石橋脩    57  1.11.8 37.6 15 482 (栗)森秀行
16 5  9  オールアットワンス 牝 5 石川裕紀  56  1.12.0 37.1 14 474 (美)中舘英二
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LAP :11.8-10.5-11.2-11.3-11.8-12.7
通過:33.5-44.8-56.6-69.3  上り:69.3-57.5-47.0-35.8  平均:1F:11.55 / 3F:34.65
単勝   3 \480 
複勝   3 \220 / 13 \780 / 2 \370 
枠連   2-7 \1650 (6) 
馬連   03-13 \12250 (45) 
ワイド 03-13 \4100 (48)/ 02-03 \1220 (14)/ 02-13 \4950 (57) 
馬単   03-13 \18370 (74) 
3連複 02-03-13 \36830 (127/560) 
3連単 03-13-02 \187120 (667/3360) 

テイエムトッキュウは2枠3番からスタートを決めて前半3F33.5秒で逃げ、メンバー7位タイの35.8秒で後続を引き離し3馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分9秒3。過去2年は前半3F32.8秒、32.2秒のハイペースだったが、今年は33.5秒でも誰もプレッシャーをかける馬がいない楽逃げだった。勝負どころで後続が追いかけず、隊列が縦長になったことも有利に働いている。これで中山ダ1200mでは全て逃げで[3−1−0−0]。5歳になってダートを使って5戦目で重賞初制覇を飾った。父ロードカナロア、母の父サクラバクシンオー。賞金を加算できたため、今後は地方交流の短距離重賞が視野に入る。

チェイスザドリームは7枠13番から2番手につけ、メンバー10位の36.1秒で上がって0.5秒差の2着。前2走ダ1200mのOP特別で4、8着に終わった馬が10番人気で激走した。中山ダ1200mは昨年暮れにフェアウェルSを2番手から抜け出して1分10秒2(稍重)で勝っている。外枠から外を走って砂を被らずにスムーズなレースができたことが良かったのだろう。ただし、この上がりで差されなかったのは、差し追い込み馬が控え過ぎた感もある。矢作厩舎の管理馬は前走惨敗していても巻き返す。特に前走惨敗して人気を落としたときは注意したい。

メタマックスは1枠2番から中団を進み、メンバー5位の35.6秒で上がって0.8秒差の3着。直線で外に出して伸びてきたが、4着リュウノユキナを捕まえるのが精一杯。これでダ1400m以下は[3−0−3−0]で3着以内を確保。森厩舎のイントゥミスチーフ産駒。3歳馬で活気があり、レースを使いながらパフォーマンスを引き上げている。

リュウノユキナは大外16番枠からスタートを決めて3番手につけ、メンバー11位の36.2秒で上がって0.7秒差の4着。逃げたテイエムトッキュウを射程圏に入れて進めたが、直線で伸び切れなかった。過去2年のカペラS2着は1枠1番で57、56キロだったが、今年は大外8枠16番で58キロ。8歳馬でもズブくなってきたこともあるのだろう。

タガノクリステルは9番手からメンバー3位タイの35.5秒で上がって0.9秒差の5着。良馬場でも速い上がりを繰り出したが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。これまで稍重以上では[4−2−1−1]だが、良馬場では[1−0−4−6]。2走前のながつきSは重馬場で1分8秒9で圧勝している。慣れてくれば良馬場でも走れそうだが、道悪で注意したい。

ベルダーイメルは少し躓いて後方を進み、メンバー最速の35.2秒で上がって1.0秒差の5着。初のダ1200mで位置取りが悪くなり、直線で外に出せず内に切れ込んで捌きながら伸びてきた。最速の35.2秒で上がっており、例年なら連対してもおかしくないが、流れが緩んで隊列が縦長になったことが堪えた。6歳馬でも今が充実期。少し嵌まれば激走がある。



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