阪神JF
2023/12/10 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

2歳女王決定戦。過去10年で1番人気は[5−1−0−4]で6連対。8枠は[0−0−0−3]で不振。15年以降、単勝2倍台は[4−0−0−1]で堅実。2番人気は[1−4−0−5]で5連対、3番人気は[1−1−3−5]で2連対。連対馬16頭が5番人気以内、残る4頭は6、8、10、12番人気。過去4年のうち3年で人気薄が連対し、馬連は100倍、6倍、124倍、75倍で荒れている。

連対馬16頭が前走メンバー3位以内の上がりで連対していた。前走速い上がりで勝った馬が活躍。前走上がり6位以下は[1−0−1−37]、3番人気以内なら[1−0−1−0]。前走の上がりが遅い馬は人気馬のみ。6番人気以下で連対した4頭は関東馬。2頭は前2走以内に重賞3着以内があり、残る2頭は前走芝1600mで勝っていた。穴で重賞3着以内がフロック視された馬と前走芝1600mを勝った関東馬に注意。

過去10年のノーザンF生産馬は[6−5−2−27]で1、1、1、2、4、5番人気が勝ち、1、2、2、2、3番人気が2着、4、10番人気が3着。アスコリピチェーノ、クイックバイオ、サフィラ、ステレンボッシュ、テリオスルル、プシプシーナ、ルシフェルが該当する。社台F生産馬は[2−1−0−16]で1、5番人気が勝ち、8番人気が2着。シカゴスティングが該当する。

社台馬主の馬はアスコリピチェーノ(サンデーR)、ルシフェル(キャロットF)、サフィラ(シルクHC)、、ステレンボッシュ(吉田勝己氏)、プシプシーナ(吉田和美氏)。過去10年でサンデーRは[3−2−1−11]、2番人気以内なら[3−1−0−2]。キャロットFは[1−2−0−4]、4番人気以内なら[1−2−0−2]。ボンドガールは右前肢の打撲で回避した。

コラソンビートは[3−0−1−0]で未勝利、ダリア賞、京王杯2歳Sを3連勝。前走京王杯2歳Sは6番手からメンバー2位の33.2秒で差し切って1分20秒6のレコードで優勝。メンバー唯一の牝馬。馬体が8キロ増えて少しパワーアップしていた。ラフィアンで1100万円で募集された新種牡馬スワーヴリチャード産駒。442キロの小柄な牝馬だが勝負根性がある。横山武騎手は今年関西圏の重賞では[0−0−3−8]。

アスコリピチェーノは東京芝1400mの新馬戦を11番手からから最速の33.3秒で差し切って1分22秒8で2馬身半差で圧勝。逆手前のまま強烈な末脚で差し切った。前走新潟2歳Sは大外枠から5番手につけ、3位の33.3秒で差し切って1分33秒8で優勝。サンデーRで2400万円で募集されたダイワメジャー産駒でアスコルターレの半妹。北村宏騎手は15年菊花賞キタサンブラック以来となるG1制覇なるか。

アルテミスS2着馬サフィラ、ファンタジーSS勝ち馬カルチャーデイ、同2着馬ドナベティ、赤松賞勝ち馬ステレンボッシュ、アスター賞勝ち馬キャットファイト、萩S勝ち馬ルシフェル、もみじS勝ち馬ナナオなど。サフィラは前走アルテミスSで6番手から2位の33.4秒で上がって0.3秒差の2着。シルクHCで7000万円で募集されたハーツクライ産駒でサリオスの全妹。半姉サラキア(エ女王杯&有馬2着)を管理した池添学厩舎の管理馬。G1で頭角を現すか。

ステレンボッシュは前走赤松賞を4番手から最速タイの33.6秒で抜け出して1分33秒8で優勝。国枝厩舎のエピファネイア産駒。過去10年で前走赤松賞勝ち馬は[0−0−1−4]。鞍上はルメール騎手。キャットファイトはアスター賞を3番手から最速の33.7秒で抜け出して1分33秒1のレコードで5馬身差で圧勝。ゴドルフィンは2週連続G1制覇なるか。ルシフィルは前走萩Sを5番手から最速タイの34.0秒で差し切って1分47秒9で優勝。キャロットFで5000万円で募集されたハーツクライ産駒。今週もムルザバエフ騎手が技を見せるか。


レース回顧

2023年12月10日(日) 5回阪神4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第75回阪神ジュベナイルフィリーズ
2歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  7  アスコリピチェーノ 牝 2 北村宏司  55  1.32.6 33.7  3 468 (美)黒岩陽一
2 3  6  ステレンボッシュ   牝 2 ルメール  55  1.32.6 33.5  5 466 (美)国枝栄
3 5 10  コラソンビート     牝 2 横山武史  55  1.32.8 34.1  2 438 (美)加藤士津
4 7 14  サフィラ           牝 2 松山弘平  55  1.33.3 34.2  1 442 (栗)池添学
5 6 12  シカゴスティング   牝 2 鮫島克駿  55  1.33.4 35.2 12 428 (栗)庄野靖志
6 8 16  ルシフェル         牝 2 ムルザバ  55  1.33.4 34.1  6 484 (栗)斉藤崇史
7 6 11  スウィープフィート 牝 2 永島まな  55  1.33.5 34.2  9 466 (栗)庄野靖志
8 8 18  ドナベティ         牝 2 坂井瑠星  55  1.33.5 34.0 13 416 (栗)矢作芳人
9 1  1  コスモディナー     牝 2 松岡正海  55  1.33.6 34.3 14 446 (美)伊藤伸一
10 2  3  キャットファイト   牝 2 大野拓弥  55  1.33.7 34.6  4 442 (美)上原博之
11 5  9  テリオスルル       牝 2 古川吉洋  55  1.33.7 35.2 17 458 (美)田島俊明
12 7 15  ナナオ             牝 2 西村淳也  55  1.33.7 35.4  8 422 (栗)小栗実
13 1  2  クイックバイオ     牝 2 モリス    55  1.33.7 34.9 10 480 (栗)須貝尚介
14 3  5  スプリングノヴァ   牝 2 和田竜二  55  1.34.0 34.3 11 398 (栗)鮫島一歩
15 4  8  プシプシーナ       牝 2 浜中俊    55  1.34.0 35.1 15 410 (栗)小栗実
16 7 13  カルチャーデイ     牝 2 酒井学    55  1.34.0 35.4  7 416 (栗)四位洋文
17 2  4  ニュージェネラル   牝 2 田口貫太  55  1.35.2 35.6 16 452 (栗)武英智
18 8 17  ミライテーラー     牝 2 中井裕二  55  1.36.4 37.9 18 468 (栗)飯田雄三
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LAP :12.4-10.7-11.3-12.0-11.8-11.3-11.4-11.7
通過:34.4-46.4-58.2-69.5  上り:69.5-58.2-46.2-34.4  平均:1F:11.57 / 3F:34.72
単勝   7 \590 
複勝   7 \210 / 6 \270 / 10 \180 
枠連   3-4 \1880 (10) 
馬連   06-07 \2330 (10) 
ワイド 06-07 \890 (10)/ 07-10 \620 (5)/ 06-10 \770 (9) 
馬単   07-06 \4350 (20) 
3連複 06-07-10 \3680 (8/816) 
3連単 07-06-10 \21530 (57/4896) 

アスコリピチェーノは馬込みの8番手を進み、メンバー2位の33.7秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイム1分32秒6は19年にレシステンシアがレコードで圧勝した1分32秒7より0.1秒速い。シカゴスティングが逃げて前半5F58.2秒、上がりは34.4秒、ラップは11.3−11.4−11.7秒。アスコリピチェーノは勝負どころで北村宏騎手の手が動いたが、そこから切れる脚を使って抜け出してきた。デビューから3連勝でG1を制し、来年のクラシックに名乗りを上げた。決め手と地力を兼ね備えたダイワメジャー産駒。北村宏騎手はが15年菊花賞のキタサンブラック以来のG1制覇。エリザベス女王杯で2着に入ったルージュエヴァイユを管理する黒岩厩舎はG1初制覇となった。半姉アスコルターレが3歳2月のマーガレットSを勝った後、急に走らなくなったのは気になるが、無事に進めて行けば桜花賞を狙えそうだ。サンデーRは昨年の秋華賞から牝馬限定G1で9連勝となった。

ステレンボッシュは馬込みの11番手を進み、メンバー最速の33.5秒で追い込んでクビ差の2着。ルメール騎手がアルコリピチェーノの直後を進んで抜け出してきたが、直線で外に出せず、内に切り替えるロスがあった。そこがスムーズなら際どいレースになっていた。これで国枝厩舎は阪神JFで5番人気以内なら[2−3−0−0]で連対率100%。今回はルメール騎手が騎乗するのにも関わらず5番人気だった。相馬眼的に距離が延びて良さそうなタイプ。引退が近い国枝調教師はダービーを勝っていないため、サトノレイナスのようにダービーに使ってくるか。ただし社台の牡馬が弱いという条件がつく。馬主は吉田勝己氏。ダービーに出てもサトノレイナスのような持ち味を殺すようなレースをすることはない。

コラソンビートは6番手の外につけ、メンバー4位タイの34.1秒で上がって0.2秒差の3着。横山武騎手が外々を回って勝ちに行ったが、道中馬込みで進めてきた2頭に切れ負けした。それでも外を回って4着サフィラに3馬身差をつけている。438キロの小柄な牝馬でも最後まで諦めない勝負根性がある。こういうタイプは簡単には崩れないが、馬が楽を覚えると急に走らなくなることもある。

サフィラは11番手の外からメンバー6位タイの34.2秒で上がって0.9秒差の4着。ガツンと切れるタイプではないだけに外枠で位置取りが悪くなったことが堪えた。442キロの小柄な馬だけに余計に堪えたのだろう。ハーツクライ産駒のサロミナ一族で半姉にサラキア、全兄にサリオスがいる。池添学厩舎はサラキア(エリザベス女王杯2着、有馬記念2着)を大事に使って5歳になって本格化させている。

ルシフェルは16番枠スタートから後方を進み、メンバー4位タイの34.1秒で上がって0.8秒差の6着。ムルザバエフ騎手が直前で馬群に突っ込んで何度も切り替えて捌きながら伸びてきた。初のマイル戦でこれまでとは全く違う流れで位置取りが悪くなったことも堪えた。成長力あるハーツクライ産駒で胴長の馬体の造りからもっと長い距離が合っている。

スウィープフィートは出遅れて最後方から大外を回って少し押し上げ、メンバー7位の34.2秒で上がって0.9秒差の7着。1分32秒台の決着で最後方から大外ブン回しでは物理的に厳しかった。抽選に通って中1週でG1初騎乗の永島まなみ騎手。祖母にスイープトウショウ。末脚の持続力が優れており、大化けする可能性を持った馬。永島まなみ騎手とともに成長を期待したい。



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