CBC賞
2022/7/3 小倉競馬場 芝1200m

レース展望

荒れるハンデG3。2年連続小倉で行われる。過去10年で1番人気は[2−1−1−6]で3連対。過去6年は9、10、11、1、12、5着で1連対のみ。2番人気は[3−2−2−3]で5連対、3番人気は[1−1−3−5]で2連対。6〜9番人気は5連対、10番人気以下は3連対。過去5年の馬連は183倍、79倍、18倍、1386倍、41倍でかなり荒れている。20年は13−11番人気で大波乱になった。

56キロは[3−1−3−20]で4連対だが、57キロは[0−0−2−6]で3着止まり。トップハンデは[1−0−3−6]、14年以降は[0−0−2−6]で連対がなく不振が続いている。52キロ以下は[2−2−0−32]で7、8、9、13番人気が連対。20年は51キロのラブカンプー(13人気)、昨年は52キロのファストフォース(8人気)が優勝。穴で前走惨敗した短距離実績がある軽ハンデ馬に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[3−2−2−11]で1、2、2番人気が勝ち、2、3番人気が2着、3、6番人気が3着。アンコールプリュ、カリボール、スティクス、タイセイビジョン、モントライゼが該当する。社台F生産馬は[1−0−0−10]で3番人気が1着。レインボーフラッグが該当する。ノーザンF生産馬と社台F生産馬は3番人気以内しか連対がない。人気になるタイセイビジョンはトップハンデ57キロ。

アネゴハダは前走由比ヶ浜特別(2勝C)を5番手から最速の33.4秒で抜け出して1分20秒1で3馬身差で圧勝。初めて33秒台の上がりを繰り出した。重賞では[0−0−2−3]で小倉2歳Sとフィリーズレビューで3着がある。小倉2歳Sは0.6秒差の3着に負けたが、勝ったナムラクレアは函館スプリントSを50キロで圧勝した。アネゴハダは格上挑戦で49キロで出走できる。テン乗りの藤懸騎手に乗り替わる。

タイセイビジョンは芝1200m[0−3−0−3]で函館2歳Sと京阪杯で2着がある。前走春雷Sはトップハンデ57キロを背負い、後方から2位の32.8秒で追い込んで0.5秒差の2着。昨年のCBC賞はトップハンデ57キロを背負い、2位タイの33.3秒で上がって0.3秒差の4着。1分6秒0のレコードで勝ったファストフォースとは斤量5キロ差があった。今年もトップハンデ57キロで川田騎手が騎乗する。

昨年のCBC賞勝ち馬ファストフォース、前走皆生特別(2勝C)を圧勝したテイエムスパーダ、20年の小倉2歳S2着馬モントライゼ、昨年開幕日の小倉芝1200mを1分6秒9で勝ったスティクス、前走安土城S5着のスマートリアン、前走芦屋川S(3勝C)を勝ったカリボール、前走韋駄天S2着のロードベイリーフなど伏兵は多士済々。昨年はレコードが出る超高速馬場だった。今年も超高速馬場なら前残りに注意。

ファストフォースは小倉芝1200m[2−1−0−0]で昨年のCBC賞を逃げて1分6秒0は日本レコードで優勝。この週の小倉芝1200mは6Rのうち3Rが1分6秒台の決着で勝った3頭は前半3F32.3〜32.4秒で逃げた馬だった。昨年より4キロ重い56キロがどう出るか。テイエムスパーダは前走皆生特別を2馬身半差で圧勝。小倉芝1200mは[2−1−0−0]。新人の今村聖奈騎手が48キロで騎乗する。


レース回顧

2022年 7月 3日(日) 3回小倉2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第58回CBC賞
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1200m   17頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 3  5  テイエムスパーダ   牝 3 今村聖奈  48  1.05.8 34.0  2 486 (栗)五十嵐忠
2 4  8  タイセイビジョン   牡 5 川田将雅  57  1.06.4 33.5  3 478 (栗)西村真幸
3 1  2  アネゴハダ         牝 3 藤懸貴志  49  1.06.5 34.4  1 436 (栗)佐々木晶
4 6 12  スマートリアン     牝 5 秋山真一  53  1.06.7 33.7  5 476 (栗)石橋守
5 5 10  メイショウチタン   牡 5 荻野極    54  1.06.8 34.4 13 470 (栗)本田優
6 5  9  ロードベイリーフ   牡 5 和田竜二  54  1.06.9 34.2  8 478 (栗)森田直行
7 8 15  スティクス         牝 4 幸英明    52  1.06.9 35.0  6 496 (栗)武幸四郎
8 7 14  タマモティータイム 牝 5 国分恭介  50  1.06.9 34.5 11 474 (栗)南井克巳
9 6 11  カリボール         牡 6 西村淳也  54  1.07.0 34.3  7 496 (栗)須貝尚介
10 8 16  アンコールプリュ   牝 7 藤岡康太  53  1.07.1 34.4 12 446 (栗)友道康夫
11 3  6  メイショウケイメイ 牝 6 小沢大仁  51  1.07.2 34.0 15 438 (栗)南井克巳
12 8 17  ファストフォース   牡 6 松山弘平  56  1.07.4 35.3  4 508 (栗)西村真幸
13 1  1  レインボーフラッグ 牡 9 国分優作  53  1.07.5 35.2 16 456 (栗)小崎憲
14 2  4  シホノレジーナ     牝 5 角田大河  49  1.07.8 35.3 14 498 (栗)寺島良
15 4  7  スナークスター     セ 6 富田暁    52  1.07.9 34.5 17 460 (栗)川村禎彦
16 2  3  レジェーロ         牝 5 団野大成  54  1.08.4 36.1  9 422 (栗)西村真幸
17 7 13  モントライゼ       牡 4 北村友一  55  1.09.1 36.8 10 506 (栗)松永幹夫
------------------------------------------------------------------------------
LAP :11.4-10.0-10.4-10.9-11.1-12.0
通過:31.8-42.7-53.8-65.8  上り:65.8-54.4-44.4-34.0  平均:1F:10.97 / 3F:32.90
単勝   5 \500 
複勝   5 \190 / 8 \170 / 2 \160 
枠連   3-4 \1750 (10) 
馬連   05-08 \1770 (6) 
ワイド 05-08 \680 (8)/ 02-05 \480 (1)/ 02-08 \550 (2) 
馬単   05-08 \3170 (9) 
3連複 02-05-08 \2320 (1/680) 
3連単 05-08-02 \12160 (11/4080) 

テイエムスパーダは前半3F31.8秒のハイペースで逃げ、メンバー3位タイの34.0秒で上がって3馬身半差でレースを制した。勝ちタイム1分5秒8はレコード。2着タイセイビジョンとは斤量9キロ差。最軽量馬とトップハンデ馬の決着になった。スタートして外に寄れてメイショウケイメイ、タイセイビジョンの進路塞ぎ、その後は内に切れ込んでアネゴハダ、レインボーフラッグが手綱を引いている。外から押してきたスティクスはテイエムスパーダに競りかけず。女性新人騎手が飛ばしたため、事故がないように他の騎手が遠慮したようなレースだった。今村聖奈騎手はJRA重賞初騎乗初制覇となった。

1986年以降の重賞で48キロを背負った馬は[3−0−0−114]、3歳馬は[1−0−0−34]で初めて3歳馬が制した。昨夏のスプリント重賞はアイビスSD・オールアットワンス(51キロ)、北九州記念・ヨカヨカ(51キロ)、キーンランドC・レイハリア(51キロ)が勝ち、3歳牝馬が3連勝した。今年の函館スプリントSはナムラクレア(50キロ)が2馬身差で圧勝、CBC賞はテイエムスパーダ(48キロ)が3馬身半差で圧勝。夏のスプリント重賞は斤量の軽い3歳牝馬を買えがもはや格言になっている。テイエムスパーダは次走北九州記念でサマースプリントシリーズの優勝を目指すことになりそうだ。

タイセイビジョンはスタートで寄られて位置取りが悪くなり、道中14番手からメンバー最速の33.5秒で内から追い込んで0.6秒差の2着。川田騎手がロスなく回って内から捌いてアネゴハダを交わしたが、テイエムスパーダには3馬身半差をつけられた。これで右回りの芝1200mG3では[0−4−0−1]で直線で前が詰まったCBC賞4着を除き2着に入っている。近親にダートG1を4勝したユートピア。5歳馬だが、前半の位置取りが取れるようになると覚醒するかもしれない。

アネゴハダは3番手からメンバー7位タイの34.4秒で上がって0.7秒差の3着。1枠2番からスタートを決めて先行したが、前半にテイエムスパーダに前に入られて少し減速したことが堪えた。タイムトライアルになっただけに余計に堪えている。昨年の小倉2歳Sで穴馬で狙った8番人気で3着に入った馬が古馬相手のG3で1番人気に支持されるとは何とも感慨深い。新潟ダ1200mの新馬戦で心肺機能の高さを示したのはやはりダテではなかった。

スマートリアンは出遅れて後方を進み、大外からメンバー2位の33.7秒で追い込んで0.9秒差の4着。逃げ馬が圧勝するレースで後方から大外ブン回しでは厳しかった。いつものように中団より前につけていれば、あっさり連対できたのではないか。馬場の内側が荒れて外差しが決まる北九州記念に出走したら注意したいが、今回大外から切れる脚を使ったことで人気になりそうだ。勝負根性があり混戦に強いロードベイリーフの方が面白いかもしれない。



[Home]