ラジオNIKKEI賞
2022/7/3 福島競馬場 芝1800m

レース展望

3歳限定の中距離ハンデ重賞。過去10年で1番人気は[2−3−0−5]で5連対。過去4年は6、2、9、4、6着で1連対のみ。2番人気は[3−0−0−7]で3連対、3番人気は[1−0−0−9]で1連対。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が2連対。過去5年の馬連は45倍、8倍、62倍、112倍、115倍で荒れている。過去5年の3連単は15万、2万、14万、17万、31万。10万馬券が狙える。

連対馬12頭が前走3着以内。前走1勝クラスを勝った馬が3勝している。前走4着以下から連対した8頭のうち6頭が前走G1、G2に出走していた。前走G2以上なら着順不問。惨敗馬も巻き返している。前走G1出走馬は[0−4−2−19]で3着以内に入った馬は8、9、11、11、12、16着に負け、9、14、7、9、11、5番人気だった。前走G1で惨敗した馬は人気になりにくい。近年の傾向から先行タイプに注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[2−1−1−29]で1、4番人気が勝ち、1番人気が2着、5番人気が3着。グランディア、ソネットフレーズ、フェーングロッテンが該当する。社台F生産馬は[1−1−2−12]で2番人気が勝ち、9番人気が2着、5、6番人気が3着。サトノヘリオス、ボーンディスウェイが該当する。追分F生産馬は[0−0−0−3]。ミッキーブンブンが該当する。

サトノヘリオスは芝2000mの未勝利、エリカ賞を最速上がりで差し切ってレコードで優勝。スプリングSは内枠スタートから中団の内につけ、最速タイの34.8秒で上がって0.2秒差の3着。G1のホープフルSは13着、皐月賞は17着に終わったが、G1以外では堅実に走っている。半兄エアアンセムは函館記念1着、福島記念3着がある。ハンデは55キロ。スリムな馬だけに輸送をこなして調子をキープできるかがカギ。

ソネットフレーズは新潟芝1600mの新馬戦を2番手から最速タイの34.5秒で抜け出して3馬身半差で圧勝。デイリー杯2歳Sは4番手から2位タイの33.5秒で上がってセリフォスにクビ差の2着。前走NHKマイルCは中団から全く伸びずに2.3秒差の17着。乗り込んでいたが、中身が伴っていなかったか。スプリングS3着馬ボーデンの半妹。ハンデは54キロ。距離1F延長とテン乗りの津村騎手がカギになる。

弥生賞3着馬ボーンディスウェイ、毎日杯2着馬ベジャール、白百合S勝ち馬フェーングロッテン、アネモネS勝ち馬クロスマジェスティ、プリンシパルS5着馬グランディア、前走1勝クラスを圧勝したゴーゴーユタカなど。ボーンディスウェイは芝2000m[2−0−1−2]で未勝利、葉牡丹賞を勝ち、ホープフルS5着、弥生賞3着。福島芝1800mは[0−1−1−0]。ハンデは55キロ。先行してしぶとさを発揮するか。

ベジャールは前走毎日杯で2番手から少し控え、2位の35.4秒で上がって0.1秒差の2着。560キロを超える大型馬。雨で渋ったタフな馬場が味方したか。トップハンデ56キロを背負う。田中博康厩舎は重賞初制覇なるか。フェーングロッテンは白百合Sを前半5F60.6秒で逃げて1分59秒8で優勝。2着は京都新聞杯2着馬ヴェローナシチー。ピクシーナイトの半弟。ハンデは55キロ。松若騎手が積極策で持ってくるか。


レース回顧

2022年 7月 3日(日) 2回福島2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第71回ラジオNIKKEI賞
3歳・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1800m   13頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  3  フェーングロッテン 牡 3 松若風馬  55  1.46.7 35.4  3 466 (栗)宮本博
2 5  7  ショウナンマグマ   牡 3 菅原明良  53  1.46.9 36.1  8 506 (美)尾関知人
3 1  1  サトノヘリオス     牡 3 岩田望来  55  1.46.9 35.3  2 460 (栗)友道康夫
4 7 11  ソネットフレーズ   牝 3 津村明秀  54  1.47.2 36.1  5 474 (美)手塚貴久
5 8 13  ゴーゴーユタカ     牡 3 田辺裕信  54  1.47.3 35.5  7 484 (美)武井亮
6 5  6  ボーンディスウェイ 牡 3 石橋脩    55  1.47.3 36.0  1 488 (美)牧光二
7 2  2  ホウオウノーサイド 牡 3 永野猛蔵  53  1.47.3 35.2 11 466 (美)斎藤誠
8 8 12  グランディア       牡 3 坂井瑠星  54  1.47.5 35.3  6 478 (栗)中内田充
9 7 10  ミッキーブンブン   牡 3 菊沢一樹  52  1.47.6 35.8 12 496 (美)菊沢隆徳
10 4  4  オウケンボルト     牡 3 M.デム  52  1.47.6 36.4  9 454 (美)土田稔
11 6  8  タガノフィナーレ   牝 3 吉田豊    51  1.47.7 36.2 13 478 (栗)中村直也
12 6  9  ベジャール         牡 3 戸崎圭太  56  1.48.0 36.7  4 564 (美)田中博康
13 4  5  クロスマジェスティ 牝 3 内田博幸  53  1.49.3 37.8 10 466 (美)水野貴広
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LAP :12.3-11.0-11.6-11.9-12.0-12.0-12.0-11.7-12.2
通過:34.9-46.8-58.8-70.8  上り:71.8-59.9-47.9-35.9  平均:1F:11.86 / 3F:35.57
単勝   3 \720 
複勝   3 \260 / 7 \350 / 1 \250 
枠連   3-5 \1330 (4) 
馬連   03-07 \4130 (21) 
ワイド 03-07 \1340 (20)/ 01-03 \1030 (9)/ 01-07 \1270 (17) 
馬単   03-07 \7730 (38) 
3連複 01-03-07 \9340 (33/286) 
3連単 03-07-01 \59280 (220/1716) 

フェーングロッテンは内ラチ沿いの6番手から徐々に押し上げ、メンバー4位の35.4秒で最内から抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分47秒3。ショウナンマグマが逃げて前半5F58.8秒。上がりは35.9秒。後半5Fのラップは12.0−12.0−12.0−11.7−12.2秒。道中内ラチ沿いをロスなく回ってきた3頭で決着。これだけ上がりが掛かっても後方から差してくる馬がいなかった。フェーングロッテンは前走白百合Sで逃げて京都新聞杯2着馬ヴェローナシチーを完封したことがダテではないことを示した。これまで白百合S勝ち馬は56キロ以上を背負っていたが、JRAが社台に忖度して55キロ、しかも内枠に入れていた。これが日本の公正競馬。直線で最内はほとんどスペースがなかったが、松若騎手が強引に入っている。事故が起きてもおかしくない危険な騎乗だった。フェーングロッテンはピクシーナイトの半弟で体力があり、タフなレースに強いタイプ。軽い芝で切れ負けして通用しなくなったらダートを使うことになりそうだ。

ショウナンマグマはハナを切って前半5F58.8秒で飛ばし、メンバー8位タイの36.1秒で上がって0.2秒差の2着。この上がりでは差されてもおかしくないが、スローに慣れている馬が多く、速い流れで脚を使わされて34秒台で上がった馬がいなかった。2走前に中山芝1800mの1勝クラスを逃げて1分48秒4で8馬身差で圧勝した馬。乗り難しい馬で成績にムラがあるが、菅原騎手が逃げてスムーズなレースをして力を出し切った。芝1800mで2戦2勝でも前走プリンシパルSで惨敗してハンデ53キロだった。賞金を加算してOP入りしたため、今後は厳しいレースが続きそうだ。

サトノヘリオスは1枠1番から内ラチ沿いの8番手を進み、内から押し上げて勝負どころで外に持ち出すとメンバー2位タイの35.3秒で上がって0.2秒差の3着。スプリングS3着のときと同様に内をロスなく回って捌いてきたが、最後に伸び切れなかった。福島への長距離輸送が影響したのか、馬体が12キロ減って過去最低体重だった。間隔を詰めて関東に輸送したときは13、17着。今回は休み明けでフレッシュなぶん馬体が減っても走れたのだろう。関西圏のレースでは2戦2勝でレコード勝ち。賞金を加算できなかったため、次走は自己条件に使うことになりそうだ。人気になるようなら割り引きたい。

ソネットフレーズは外枠スタートから2番手につけ、メンバー8位タイの36.1秒で上がって0.5秒差の4着。手応え良く追走して直線で追ったが伸び切れなかった。津村騎手は最後の止まり方を見ると距離が1F長いとコメント。速い流れで2番手につけたことも影響している。社台のソネットフレーズが2番手につけたことで騎手たちは前にプレッシャーをかけることができず、それによって逃げたショウナンマグマが粘り込んでいる。半兄ボーデンは2戦目から9戦連続1番人気に支持され、1勝クラスは4、2、1、2勝クラスは2、2、1着。他の馬の単勝、馬単に妙味がある。ソネットフレーズは今後はマイル路線を使うことになりそうだ。

ボーンディスウェイは6番手からメンバー7位の36.0秒で上がって0.6秒差の6着。1番人気に支持されたが、外を回って伸び切れなかった。これまで前半5F60秒台以下のレースを経験したことがなかった馬が、弥生賞(前半5F61.1秒)でドウデュースの3着が評価されて過剰人気だった。

グランディアは出遅れて最後方を進み、大外からメンバー2位の35.3秒で追い込んで0.8秒の8着。内ラチ沿いを通った馬が1〜3着に入るレースで最後方から大外ブン回しでは厳しかった。前に行くことが多い坂井騎手らしからぬ騎乗。心は欧州遠征か。ディアデラノビアの子供は古馬になってから覚醒する馬が多い。



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