マーメイドS
2022/6/19 阪神競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−1−6]で3連対。過去6年3着以内がない。前走条件戦は[2−1−0−3]だが、前走重賞は[0−0−1−3]で連対なく不振。2番人気は[0−2−1−7]で2連対、3番人気は[1−0−1−8]で1連対。6〜9番人気が8連対、10番人気以下が5連対。過去5年の馬連は12倍、108倍、193倍、80倍、119倍。ハンデ戦で人気薄軽量馬の激走が多く、かなり波乱傾向が強い。

前走勝って連対した6頭は前走条件戦だった。前走2勝クラスでも通用する。前走OP以上で連対した馬は[0−0−0−7]、4着以内は[0−1−0−14]で不振。前走6着以下が5連対。惨敗馬も巻き返している。連対馬14頭が前走条件戦に出走していた。12、14、15、16、19、21年は条件戦組がワンツーを決めている。牝馬限定ハンデG3にクラスの壁はない。前走2勝クラスは1着、3勝クラスは4着以内が目安。

ソフトフルートは重賞[0−0−1−5]で秋華賞でデアリングタクトに0.3秒差の3着、エリザベス女王杯でアカイイトに0.4秒差の4着がある。前走都大路Sは3番手から3位タイの34.5秒で上がって0.2秒差の4着。直線でごちゃつく不利があったが、しぶとく伸びてきた。6着ガロアクリークはエプソムCで2着に入った。芝2000mは[3−0−2−7]、阪神芝2000mは[0−0−1−2]で昨年のマーメイドSは先行して伸び切れず0.8秒差の8着に終わった。この馬で2戦2勝の川田騎手で一変に注意。

クラヴェルは重賞[0−1−3−1]でマーメイドS2着、中京記念3着、新潟記念3着、エリザベス女王杯3着。前走日経新春杯は後方から3位タイの34.9秒で追い込んで1.1秒差の8着。鼻出血が影響したのか。昨年のマーメイドSは大外から最速の34.6秒で追い込んでクビ差の2着。昨年は格上挑戦で51キロだったが、今年は4キロ増の55キロを背負う。10戦連続で騎乗した横山典騎手からテン乗りの北村友騎手に乗り替わる。先週復帰した北村友騎手は[0−1−0−10]、3番人気以内では[0−1−0−5]だった。

愛知杯勝ち馬ルビーカサブランカ、同2着馬マリアエレーナ、昨年の紫苑S2着馬スルーセブンシーズ、20年のローズS勝ち馬リアアメリア、前走シドニーT4着のヴェルトハイム、同5着のステイブルアスクなど。ルビーカサブランカは愛知杯を1枠1番からロスなく回り、直線で内から抜け出して2分1秒0で優勝。中山牝馬S、福島牝馬Sは最後方から追い込んで0.2秒差の6、5着。芝2000mは[3−3−3−2]。ハンデは愛知杯より3キロ増の55キロ。テン乗りの岩田望騎手が騎乗する。JRAは内枠と外枠どちらに入れてくるか。


レース回顧

2022年 6月19日(日) 3回阪神2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第27回マーメイドS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指)  芝 2000m・内   16頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 4  7  ウインマイティー   牝 5 和田竜二  54  1.58.3 34.9 10 484 (栗)五十嵐忠
2 6 12  マリアエレーナ     牝 4 坂井瑠星  55  1.58.6 35.0  4 426 (栗)吉田直弘
3 2  3  ソフトフルート     牝 5 川田将雅  54  1.58.6 34.7  1 484 (栗)斉藤崇史
4 8 16  リアアメリア       牝 5 幸英明   55.5 1.58.7 35.5 13 498 (栗)中内田充
5 2  4  ステイブルアスク   牝 4 藤岡康太  51  1.58.7 34.6  3 430 (栗)矢作芳人
6 1  2  ゴルトベルク       牝 5 荻野極    53  1.59.3 35.6 15 440 (美)手塚貴久
7 5  9  ルビーカサブランカ 牝 5 岩田望来  55  1.59.4 35.4  5 476 (栗)須貝尚介
8 7 13  ハギノリュクス     牝 5 藤懸貴志  52  1.59.5 36.3 14 474 (栗)高野友和
9 3  6  ヴェルトハイム     牝 4 西村淳也  51  1.59.6 35.4  6 470 (栗)友道康夫
10 1  1  スルーセブンシーズ 牝 4 秋山真一  52  1.59.6 35.3  2 446 (美)尾関知人
11 5 10  アイコンテーラー   牝 4 亀田温心  53  1.59.7 35.9  9 470 (栗)河内洋
12 6 11  クラヴェル         牝 5 北村友一  55  1.59.8 35.8  8 450 (栗)安田翔伍
13 7 14  ラヴユーライヴ     牝 5 川須栄彦  53  2.00.0 36.6 12 442 (栗)矢作芳人
14 4  8  キムケンドリーム   牝 5 小沢大仁  52  2.00.0 36.1 16 460 (栗)西村真幸
15 3  5  トウシンモンブラン 牝 4 高倉稜    51  2.00.0 36.1  7 480 (栗)杉山晴紀
16 8 15  ホウオウエミーズ   牝 5 松山弘平  53  2.00.0 36.3 11 452 (美)池上昌和
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.3-10.9-12.5-12.0-11.7-12.0-11.8-11.6-11.7-11.8
通過:35.7-47.7-59.4-71.4  上り:70.6-58.9-46.9-35.1  平均:1F:11.83 / 3F:35.49
単勝   7 \1460 
複勝   7 \400 / 12 \280 / 3 \220 
枠連   4-6 \4000 (19) 
馬連   07-12 \5760 (31) 
ワイド 07-12 \1650 (26)/ 03-07 \1910 (33)/ 03-12 \1070 (2) 
馬単   07-12 \12770 (68) 
3連複 03-07-12 \17190 (80/560) 
3連単 07-12-03 \116680 (512/3360) 

ウインマイティーはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手を進み、メンバー3位の34.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分58秒3。ハギノリュクスが逃げて前半5F59.4秒、後半5F58.9秒、上がりは35.1秒、ラップは11.6−11.7−11.8秒。開幕週で内を通って前に行った馬に有利な馬場。外を回って差した馬は7着ルビーカサブランカが最先着。ウインマイティーは内の絶好位を手応え良く進み、直線で外に持ち出すと一気に抜け出して後続を完封した。20年の忘れな草賞勝ち馬が同じ阪神芝2000mで重賞初制覇を飾った。

オークスでデアリングタクトの3着に入った馬。出走馬にG1連対馬はおらず、G1で3着がある馬はウインマイティー(54キロ)、ソフトフルート(54キロ)、クラヴェル(55キロ)。54キロの2頭が1、3着に入った。近年は格上挑戦の軽量馬の激走が続いていたが、今年は珍しく重賞実績馬で決着した。格上挑戦で来た馬のレベルが低かったのではないか。ウインマイティーはパドックで馬体の張り、気合乗りが良くなり、前走と気配が一変していた。速い持ちタイムがない馬が1分58秒3で走ってパフォーマンスを引き上げた。秋はエリザベス女王杯を狙うことになりそうだ。

マリアエレーナは12番枠スタートから5番手につけ、直線で外からメンバー4位の35.0秒で上がって0.3秒差の2着。内から伸びてきたソフトフルートとの叩き合いをクビ差で制した。これで芝2000mは[2−2−1−0]、良馬場では[2−2−0−0]で連対を確保。愛知杯2着は53キロだったが、今回は2キロ増の55キロを背負って外を回って連対したように地力が強化されている。重賞未勝利馬が55キロというのは1キロ見込まれたのではないか。小柄な牝馬でも相手なりに堅実に走るタイプ。展開、位置取り、コース取りが噛み合えば、どこかで重賞制覇がありそうだ。

ソフトフルートは後方3番手を進み、勝負どころで内から上がって直線で外に持ち出すとメンバー2位の34.7秒で上がって0.3秒差の3着。川田騎手が内をロスなく回り、4コーナーでショートカット気味に上がって上手く乗ったが、それでもウインマイティーには0.3秒差をつけられた。いつものように外を回していたら掲示板もなかったのではないか。これで川田騎手では[2−0−1−0]で3着以内を確保。前に行くと詰めが甘くなるため、現状はこういうレースが合っている。

ステイブルアスクは後方2番手からメンバー最速の34.6秒で追い込んで0.4秒差の5着。前走3勝クラスで5着に負け、格上挑戦できた馬が51キロの軽量を味方に突っ込んできたが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。例年は人気薄軽量馬が激走するが、今年は51キロの3頭が直前まで3、4、5番人気になっていた。人気がなければ騎手は気楽に乗れ、他馬にもマークされない。ただし今年は軽量馬のレベル、騎乗した騎手のレベルもあるのだろう。

ルビーカサブランカは11番手からメンバー6位タイの35.4秒で上がって1.1秒差の7着。内を通った馬が有利な馬場で外を回って差すレースでは厳しかった。20年12月から13戦連続で上がりは3位以内だったが、今回は速い上がりを繰り出せなかった。得意の芝2000m、阪神でこの上がりというのは、見た目以上に内が有利なことを示しているのではないか。

スルーセブンシーズは後方から大外をブン回してメンバー5位の35.3秒で上がって1、3秒差の10着。紫苑Sで1枠1番から内を回って内から捌いてきたように飛びが大きくても内を突けるタイプ。1枠1番だったが、内を通った馬が有利な馬場で大外をブン回していた。秋山騎手はアクションが大きいため、外を選択したようだ。[2−1−2−0]の中山で見直したい。



[Home]