ユニコーンS
2022/6/19 東京競馬場 ダ1600m

レース展望

過去10年の1番人気は[3−2−0−5]で5連対。前走ダートで勝った馬は[2−2−0−0]で堅実。2番人気は[3−2−0−5]、3番人気は[3−2−4−1]で各5連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は7、9、14番人気。過去5年の馬連は28倍、7倍、12倍、6倍、506倍。昨年はスマッシャー(7人気)、サヴァ(14人気)、ケイアイロベージ(3人気)で3連単79万馬券が飛び出した。

連対馬20頭のうち18頭が前走4着以内。前走ダートのOP特別で連対した馬が活躍している。前走ダートで5着以下に負けた馬は[0−1−1−30]で1連対のみ。前走芝に出走した馬は[1−0−0−14]で3番人気の1連対。前走1勝クラスを勝った馬は[1−0−5−49]で連対した馬は前走3馬身差で圧勝し、ユニコーンSで1番人気に支持されていた。2番人気以下は[0−0−5−49]で3着止まり。

過去10年でノーザンF生産馬は[2−0−1−13]で2、3番に気が勝ち、3番人気が3着。インダストリア、ティーガーデンが該当する。社台F生産馬は[2−1−1−0]、社台白老F生産馬は[1−0−1−5]だが、今年は出走馬がいない。社台馬主の馬は出走が少なく、1、2番人気の2連対のみ。今年はサンデーRのインダストリア(レーン騎手)、ティーガーデン(ルメール騎手)が出走する。2頭とも初ダート。

ジュタロウは阪神ダ1800mの新馬戦を早め先頭から2着に2.4秒の大差をつけて1分53秒6(稍重)圧勝。その後は2、9着に終わったが、前走東京ダ1600mの1勝クラスを2番手から2位タイの36.6秒で抜け出して1分34秒8(重)で4馬身差で圧勝した。直線で抜け出してから流す余裕があった。BCクラシック、ドバイWCなどG1を4連勝したアロゲート産駒。砂を被らないように進めて心肺機能の高さを見せつけるか。重賞で武豊騎手&河内厩舎は[1−3−1−11]、13年以降は[0−0−1−6]。

リメイクはダ1400m[4−0−1−1]で1勝クラス、昇竜S、端午Sを3連勝。昇竜Sは3番手から2位の36.7秒で抜け出して1分23秒5で2馬身半差で圧勝。前走端午Sは5番手から最速の35.3秒で抜け出して1分23秒2(重)で2馬身差で圧勝。2着ジレトールは次走古馬を相手に2勝Cを断然人気で快勝、6着バトルクライは次走青竜Sで0.2秒差の3着に入った。過去10年で福永騎手は[2−0−0−3]、3番人気以内なら[2−0−0−0]。今年のG2、G3では[0−2−0−14]で未勝利。

青竜S勝ち馬ハセドン、同3着馬バトルクライ、同4着馬ヴァルツァーシャル、同5着馬ペイシャエス、ヒヤシンスS勝ち馬コンバスチョン、サウジダービー2着馬セキフウ、前走1勝クラスを勝ったイグザルトなど。芝からはインダストリア、タイセイディバイン、ティーガーデンが出走する。ハセドンはダートを使って未勝利、1勝クラス、青竜Sを最速上がりで3連勝。前走青竜Sは最後方から最速の34.3秒で差し切って1分35秒5(稍重)で優勝。先週のジャスティンカフェと同じ横山典騎手&安田翔厩舎&三木氏。また後方ポツンか。


レース回顧

2022年 6月19日(日) 3回東京6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第27回ユニコーンS
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1600m   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  ペイシャエス       牡 3 菅原明良  56  1.35.2 36.4  7 482 (美)小西一男
2 2  2  セキフウ           牡 3 M.デム  56  1.35.2 35.5  9 470 (栗)武幸四郎
3 7 12  バトルクライ       牡 3 戸崎圭太  56  1.35.3 35.8  8 482 (美)高木登
4 6 11  ヴァルツァーシャル 牡 3 三浦皇成  56  1.35.3 35.4  6 476 (美)高木登
5 8 15  タイセイディバイン 牡 3 松若風馬  56  1.35.4 36.8 11 514 (栗)高野友和
6 4  7  リメイク           牡 3 福永祐一  56  1.35.4 36.4  1 472 (栗)新谷功一
7 8 14 *ビヨンドザファザー 牡 3 内田博幸  56  1.35.4 35.8 13 502 (栗)藤岡健一
8 1  1  ハセドン           牡 3 横山典弘  56  1.35.6 35.5  2 476 (栗)安田翔伍
9 2  3  コンバスチョン     牡 3 田辺裕信  56  1.35.7 36.7  4 494 (美)伊藤圭三
10 4  6 $ジュタロウ         牡 3 武豊      56  1.35.7 37.0  3 474 (栗)河内洋
11 5  8 *ロードジャスティス 牡 3 石川裕紀  56  1.36.5 38.2 12 474 (栗)安田隆行
12 7 13  ティーガーデン     牡 3 ルメール  56  1.36.6 37.3 10 506 (美)萩原清
13 6 10  インダストリア     牡 3 レーン    56  1.37.1 37.3  5 490 (美)宮田敬介
14 5  9  スマートラプター   牡 3 石橋脩    56  1.37.8 39.3 15 510 (栗)西園正都
15 3  4  テーオーステルス   牡 3 団野大成  56  1.38.2 39.4 14 520 (栗)奥村豊
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LAP :12.3-10.8-11.2-11.9-12.1-12.1-12.2-12.6
通過:34.3-46.2-58.3-70.4  上り:72.1-60.9-49.0-36.9  平均:1F:11.90 / 3F:35.70
単勝   5 \2010 
複勝   5 \570 / 2 \610 / 12 \540 
枠連   2-3 \3740 (14) 
馬連   02-05 \23180 (56) 
ワイド 02-05 \6780 (65)/ 05-12 \2570 (32)/ 02-12 \5860 (60) 
馬単   05-02 \46910 (108) 
3連複 02-05-12 \95540 (214/455) 
3連単 05-02-12 \624210 (1189/2730) 

ペイシャエスはスタートを決めて5番手につけ、メンバー6位タイの36.4秒で馬群を割って抜け出しレースを制した。勝ちタイムは1分35秒2。ロードジャスティスが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。今開催の東京ダートは時計が出やすい馬場で数字よりも流れは速くない。ペイシャエスは前走青竜Sを2番手から伸び切れず0.4秒差の5着に終わったが、今回は好位の馬込みでタメて直線で抜け出した。最終レースで内を通ったコングールテソーロが圧勝したようにこの日の東京は内を通った馬が有利な馬場だった。内めをロスなく回って流れに乗り、直線で自分のスペースを確保したことが大きかった。4走前の伏竜Sで単勝242倍の最低人気だった馬が7番人気で重賞初制覇を飾った。中山ダ1800mの1勝クラスを2番手から最速上がりで抜け出して5馬身差で圧勝したように持久力がある。エスポワールシチー産駒はJRA重賞初制覇となった。かなり使い込んでいるが、次走は7月13日のジャパンダートダービーに向かう予定。

セキフウは出遅れて後方を進み、直線で内を突いてメンバー2位タイの35.5秒で追い込んでクビ差の2着。直線で前に馬がいてスペースがなかったが、Mデムーロ騎手が最内に突っ込んで目一杯に追って持ってきた。サウジダービー(ダ1600m)で大外から強烈な末脚で0.1秒差の2着に入ったことがダテではないことを示した。ただしこの日の東京は内を通った馬が有利な馬場だったことを付け加えておく。東京ダート走るヘニーヒューズ産駒で高松宮記念を制したビッグアーサーの半弟。ダ1400mは3戦3勝で兵庫ジュニアGPを勝っている。距離は1600mまではこなせるが、今後は短距離戦も視野に入ってきそうだ。

バトルクライは中団の後ろを進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー4位タイの35.8秒で上がってクビ+クビ差の3着。直線で前が壁になり、最後まで鞭を入れられず、完全に脚を余した。勝ったペイシャエスは鞭8発、2着セキフウは鞭24発入れている。もう少しスムーズなら勝っていたのではないか。前走青竜Sで2着ホウオウルーレットの上がりを0.1秒上回って3着に入ったことはやはりダテではない。17年以降のダート重賞で高木厩舎は1〜4番人気[0−0−0−6]、5〜9番人気[1−5−2−5]、10番人気以下[0−0−2−11]。バトルクライは9番人気で3着、ヴァルツァーシャルは4番人気で4着だった。高木厩舎で鍛えられ末脚の威力と体力を兼ね備えた馬。相馬眼的にこれからダート重賞で活躍できそうだ。

ヴァルツァーシャルは出遅れて後方2番手を進み、メンバー最速のの35.4秒で大外から追い込んで0.1秒差の4着。出遅れた後に内に入れて道中ロスなく進み、4コーナーから直線で外に出して追ったが、位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。内を通った馬が有利な馬場だったこともマイナスに働いている。スタートを決めてもう少し前で進めていれば馬券圏内があったかもしれない。三浦騎手は出遅れたり、スムーズさを欠いたり、何か少し足りずに3〜5着に負けることが多い。前走青竜Sと同様に最後に脚色が鈍ったのは距離か。高木厩舎のマクフィ産駒。次走はダ1400mを使ってきそうだ。

タイセイディバインは大外15番枠から3番手につけ、直線で馬なりのまま先頭に立ったが、ラスト1Fから伸び切れず0.2秒差の5着。上がりはメンバー9位の36.8秒。大外から速い流れで先行して伸び切れなかったが、初ダートで適性を示した。これからダートを使ってきそうだ。ただし今回が11戦目でかなり使い込んでいる。タフな馬だが、今後はそのあたりがどう出るか。

リメイクは道中8番手を進み、直線で外からメンバー6位タイの36.4秒で上がって0.2秒差の6着。ラスト1Fでは差し切りそうだったが、そこから脚が鈍った。内を回ったペイシャエスと同じ上がりを繰り出したが、最後の止まり方を見るとやはり距離なのだろう。それでも今後の成長、脚抜きのいい馬場、流れ次第でこなしてもおかしくない。レースセンスが良く、堅実に走るタイプ。ラニ産駒がどんな成長を見せるのか楽しみだ。

ハセドンは出遅れて最後方を進み、メンバー2位の35.5秒で追い込んで0.4秒差の8着。前走青竜Sではメンバー最速の34.3秒で大外一気を決めたが、良馬場で前走ほど切れる脚は使えなかった。パドックでは前走より少し腹目が巻き上がり、脚捌きが硬くなっていた。前走青竜Sで走り過ぎた影響があったのではないか。ダ1800mを捲って勝ったように単なる直線一気タイプでない。レース慣れすれば走ってくる。



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