フェアリーS
2021/1/11 中山競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−0−7]で3連対。最近6年は[0−1−0−5]で1連対のみ。2番人気は[1−0−2−7]で1連対、3番人気は[4−0−1−5]で4連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が6連対。10番人気以下の激走が多く、かなり波乱傾向が強い。過去5年の馬連は56倍、59倍、32倍、28倍、45倍で全て中穴決着。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

前走勝ち馬が9連対。新馬&未勝利戦勝ち馬でも通用している。前走新馬戦を勝った関西馬は[0−0−0−4]で不振。1番人気の2頭が4、5着に終わっている。前走新馬戦を勝った関東馬は[2−1−3−13]、5番人気以内は[1−1−2−3]。関東馬[10−8−8−109]、関西馬[0−2−2−21]。5番人気以内の関西馬は[0−0−2−9]で不振。10番人気以下で連対した6頭は関東馬だった。

テンハッピーローズはサフラン賞で後方から2位の34.5秒伸びて0.2秒差の2着。勝ったサトノレイナスは阪神JFで2着に入った。前走アルテミスSは中団の外から4位タイの33.9秒で伸びて0.4秒差の3着。勝ったソダシは阪神JFを制した。初年度からデアリングタクトを出したエピファネイア産駒。芝2勝馬はおらず、重賞で連対した馬もいない。高柳厩舎は勝てば重賞初制覇となる。福永騎手に乗り替わる。

ファインルージュは新馬戦は好位から伸びてクビ差の2着。直線で一杯になりかけたが、ラスト1Fから鋭く伸びてクビ差まで迫った。前走東京芝1400mは好位から2位タイの34.4秒で抜け出して1分23秒3で2馬身差で圧勝。直線でスペースがなく最内を突いたが、スパッと抜け出して最後は流す余裕があった。セレクトセールで3564万円で取り引きされた木村厩舎のキズナ産駒。ルメール騎手が2戦連続で騎乗する。

アルテミスS5着馬クールキャット、新馬戦を勝ったベッラノーヴァ、タイニーロマンス、未勝利戦を圧勝したカラパタールなど。クールキャットは前走アルテミスSで中団から伸び切れず0.6秒差の5着。半兄にトリオンフがいる。奥村厩舎は17年にライジングリーズンで制している。ベッラノーヴァは東京芝1400mの新馬戦を7番手から最速の34.0秒で差し切り1分23秒6(重)で優勝。396キロの小柄なエピファネイア産駒。過去10年で丸山騎手は[1−0−0−2]で19年にフィリアプーラで制している。


レース回顧

2021年 1月11日(祝) 1回中山4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第37回フェアリーS
3歳・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指)  芝 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  9  ファインルージュ   牝 3 ルメール  54  1.34.4 35.0  3 492 (美)木村哲也
2 8 15  ホウオウイクセル   牝 3 丸田恭介  54  1.34.8 35.2  8 420 (美)高柳瑞樹
3 1  1  ベッラノーヴァ     牝 3 丸山元気  54  1.34.9 34.9  6 402 (美)金成貴史
4 4  8  テンハッピーローズ 牝 3 福永祐一  54  1.35.1 36.1  1 440 (栗)高柳大輔
5 3  6  ネクストストーリー 牝 3 杉原誠人  54  1.35.3 36.1 11 498 (美)中川公成
6 4  7  タイニーロマンス   牝 3 内田博幸  54  1.35.4 36.5  5 524 (美)金成貴史
7 2  4  ニシノエルサ       牝 3 勝浦正樹  54  1.35.5 35.8 15 448 (美)中野栄治
8 2  3  アトミックフレア   牝 3 酒井学    54  1.35.5 35.7  9 434 (栗)渡辺薫彦
9 5 10  シャドウファックス 牝 3 大野拓弥  54  1.35.5 36.7  4 446 (美)宮田敬介
10 3  5  クールキャット     牝 3 津村明秀  54  1.35.5 36.8  2 516 (美)奥村武
11 6 12  ラストリージョ     牝 3 柴田大知  54  1.35.7 36.6 12 454 (美)蛯名利弘
12 6 11  オプティミスモ     牝 3 藤井勘一  54  1.36.0 36.9  7 416 (栗)石坂公一
13 1  2  プリティインピンク 牝 3 山田敬士  54  1.36.0 36.7 13 412 (美)小手川準
14 8 16  グロリユーノワール 牝 3 野中悠太  54  1.36.1 36.1 14 436 (美)清水英克
15 7 13  カラパタール       牝 3 横山武史  54  1.36.3 37.5 10 446 (美)池上昌和
16 7 14  ビップエレナ       牝 3 菊沢一樹  54  1.39.0 39.5 16 468 (美)田島俊明
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LAP :12.4-11.6-11.8-11.0-11.9-12.0-11.9-11.8
通過:35.8-46.8-58.7-70.7  上り:70.4-58.6-47.6-35.7  平均:1F:11.80 / 3F:35.40
単勝   9 \550 
複勝   9 \240 / 15 \480 / 1 \400 
枠連   5-8 \3460 (15) 
馬連   09-15 \6970 (24) 
ワイド 09-15 \2110 (25)/ 01-09 \1520 (18)/ 01-15 \3310 (39) 
馬単   09-15 \9640 (35) 
3連複 01-09-15 \24370 (86/560) 
3連単 09-15-01 \120220 (404/3360) 

ファインルージュは中団の外からメンバー2位の35.0秒で差し切って2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分34秒4。セレクトセールでファインルージュは3564万円、ホウオウイクセルは1728万円で取り引きされた馬。今回のメンバーでセレクトセール1、2位の馬で決着した。タイニーロマンスが逃げて前半3F35.8秒、5F58.7秒。途中からクールキャットが強引に捲ったことで前に行った馬が厳しくなり、差し馬が上位を独占した。ファインルージュは新馬戦と同様にバテない強みを発揮。レースのラスト3Fは12.0−11.9−11.8秒で尻上がりだった。欲を言えばもう少し切れ味が欲しいが、こういうバテな馬はタフなレースになるG1で激走することが多い。今後は一度使って桜花賞を目指すことになりそうだ。

ホウオウイクセルは中団の外からメンバー3位の35.2秒で伸びて0.4秒差の2着。8番人気で激走した。不利な8枠15番から外を回ったが、差しが決まる展開と外が伸びる馬場で相殺できた。フェアリーSでは芝1800m経験のある馬が激走する傾向があるが、今年は芝1800m経験のある馬がホウオウイクセルしかいなかった。小柄な牝馬でもタフな馬場をこなすタイプ。フラワーCあたりでまた激走がありそうだ。

ベッラノーヴァは1枠1番スタートから徐々に位置取りが悪くなって最後方を進み、大外からメンバー最速の34.9秒で追い込んで0.5秒差の3着。勝負どころで絶望的な位置にいたが、強烈な末脚で3着まで追い上げた。402キロの小柄な牝馬だが、最速上がりを繰り出して能力を示した。祖母ベッラレイアはオークス2着馬で末脚がしっかりした馬だった。賞金を加算できなかったが、オークスに向けて少し期待してみたい。

テンハッピーローズは中団から早めに上がってメンバー6位タイの36.1秒で上がって0.7秒差の4着。早めに動いて勝ちに行ったぶん直線で伸び切れなかった。前2走よりも速い流れになり地力負けか。芝1200mの新馬戦を勝った馬。距離を短くしてきたら注意したい。

タイニーロマンスはハナを切った後に外からクールキャットに捲られて先頭を奪われ、メンバー9位の36.5秒で上がって0.8秒差の6着。外から捲られてリズムがおかしくなり惨敗してもおかしくなかったが、最後までしぶとく伸びていた。末脚の持続力が優れた馬。次走スムーズなら一変がありそうだ。



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