マイルCS
2020/11/16 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

今年は阪神芝外1600mで行われる。過去10年で1番人気は[0−3−2−5]で3連対のみ。勝った馬はいない。G1馬は[0−2−1−4]で4歳馬は[0−2−1−1]だが、4歳馬以外は[0−0−0−3]で不振。2番人気は[1−3−0−6]で4連対、3番人気は[2−3−0−5]で5連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は8、11、13番人気。過去5年の馬連は17倍、15倍、24倍、32倍、8倍。荒れても中穴までに収まっている。

連対馬14頭が前走3着以内。近年は前走好走馬が活躍。前走6〜9着は[3−1−0−34]で4、8、11、13番人気が連対。穴で前走重賞で6〜9着に負けた馬に注意。前走10着以下は[0−0−0−38]で不振。年齢別では3歳[2−0−2−32]、4歳[4−6−3−23]、5歳[3−3−4−50]、6歳[1−1−1−26]、7歳以上[0−0−0−17]で4、5歳馬が活躍。3歳馬は4、5番人気が優勝。3番人気以内は[0−0−0−5]で不振。

グランアレグリアは安田記念を中団からメンバー最速の33.7秒で抜け出して1分31秒6(稍重)で2馬身半差で圧勝。アーモンドアイを相手にしなかった。前走スプリンターズSは後方2番手からメンバー最速の33.6秒で大外から差し切り1分8秒3で2馬身差で圧勝。芝1600mは[4−0−1−1]。阪神芝1600mでは朝日杯FS3着、桜花賞1着。昨年暮れの阪神カップでは中団から抜け出して1分19秒4の好タイムで5馬身差で圧勝している。今年のG1でルメール騎手は1番人気なら[6−2−0−1]で連対率88.9%。

サリオスは[4−2−0−0]で無敗の4冠馬コントレイルにしか負けていない。前走毎日王冠は4番手からメンバー最速の34.1秒で抜け出して1分45秒5(稍重)で3馬身差で圧勝。G1馬はいなかったが、古馬を相手にしなかった。芝1600mは[3−0−0−0]でサウジアラビアRCを1分32秒7のレコード、朝日杯FSを1分33秒0で勝っている。堀厩舎のハーツクライ産駒で半姉サラキアは府中牝馬Sを勝ち、エリザベス女王杯で2着に入った。テン乗りのMデムーロ騎手が騎乗する。人気の3歳馬不振のデータを覆せるか。

昨年の安田記念&マイルSC勝ち馬インディチャンプ、昨年の2歳女王で桜花賞&NHKマイルC2着のレシステンシア、一昨年の2歳王者で昨年香港マイルを勝ったアドマイヤマーズ、NHKマイルC勝ち馬ラウダシオン、今年重賞3勝したヴィクトリアマイル2着馬サウンドキアラ、富士S勝ち馬ヴァンドギャルドなど。インディチャンプは今年中山記念4着、マイラーズC1着、安田記念3着。前走安田記念は道中荒れた内を通り、直線で外に持ち出す出すロスがあった。国内マイルG1は[2−0−1−0]。福永騎手の乗り方次第か。

レシステンシアは[3−2−1−0]で3着以内を確保。昨年の阪神JFを逃げて1分32秒7のレコードで5馬身差で圧勝したが、今年はチューリップ賞3着、桜花賞2着、NHKマイルC2着。過去10年で3歳牝馬は[0−0−0−11]で4着が最高。休み明けで逃げてデータを覆すか。アドマイヤマーズは芝1600m[6−0−0−2]で朝日杯FS、NHKマイルC、香港マイルを優勝。前走スワンS3着は休み明けで58キロを背負い、初の芝1400mだった。過去10年で川田騎手は[0−1−1−8]で過去2年は3、2着。

ラウダシオンはNHKマイルCを2番手からレシステンシアを交わして1分32秒5で優勝。前走富士Sは3番手から抜け出して0.2秒差の2着。休み明けで馬体が16キロ増えていた。武豊騎手では[1−1−1−0]。サウンドキアラは前走スワンSで1番人気に支持されたが、好位から伸び切れず0.5秒差の10着。阪神芝1600mは[1−2−2−0]。叩き2戦目でどこまで変わるか。ヴァンドギャルドは前走富士Sで中団からメンバー最速の34.6秒で差し切り1分33秒4で重賞初制覇。テン乗りの戸崎騎手が騎乗する。

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レース回顧

2020年11月22日(日) 5回阪神6日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第37回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 1600m・外   17頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  4  グランアレグリア   牝 4 ルメール  55  1.32.0 33.2  1 502 (美)藤沢和雄
2 4  8  インディチャンプ   牡 5 福永祐一  57  1.32.1 33.2  3 472 (栗)音無秀孝
3 4  7  アドマイヤマーズ   牡 4 川田将雅  57  1.32.2 33.6  5 484 (栗)友道康夫
4 6 11  スカーレットカラー 牝 5 岩田康誠  55  1.32.4 33.3 13 490 (栗)高橋亮
5 8 17  サリオス           牡 3 M.デム  56  1.32.4 33.1  2 538 (美)堀宣行
6 8 16  ヴァンドギャルド   牡 4 戸崎圭太  57  1.32.5 33.3  8 474 (栗)藤原英昭
7 8 15  ペルシアンナイト   牡 6 大野拓弥  57  1.32.6 33.2 11 500 (栗)池江泰寿
8 1  2  レシステンシア     牝 3 北村友一  54  1.32.8 34.3  4 500 (栗)松下武士
9 1  1  ベステンダンク     牡 8 藤岡佑介  57  1.32.8 34.0 16 520 (栗)安達昭夫
10 7 14  サウンドキアラ     牝 5 松山弘平  55  1.32.9 33.7  7 456 (栗)安達昭夫
11 3  5  メイケイダイハード 牡 5 酒井学    57  1.33.0 33.9 15 550 (栗)中竹和也
12 6 12  アウィルアウェイ   牝 4 藤岡康太  55  1.33.2 33.9 14 488 (栗)高野友和
13 2  3  ケイアイノーテック 牡 5 津村明秀  57  1.33.2 33.6 10 480 (栗)平田修
14 7 13  タイセイビジョン   牡 3 石橋脩    56  1.33.2 34.2 12 468 (栗)西村真幸
15 3  6  ラウダシオン       牡 3 武豊      56  1.33.2 34.6  6 512 (栗)斉藤崇史
16 5 10  ブラックムーン     牡 8 幸英明    57  1.33.4 33.9 17 498 (栗)西浦勝一
17 5  9  カツジ             牡 5 池添謙一  57  1.34.3 35.6  9 500 (栗)池添兼雄
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LAP :12.5-11.0-11.4-12.0-11.6-11.0-10.8-11.7
通過:34.9-46.9-58.5-69.5  上り:68.5-57.1-45.1-33.5  平均:1F:11.50 / 3F:34.50
単勝   4 \160 
複勝   4 \110 / 8 \190 / 7 \200 
枠連   2-4 \370 (2) 
馬連   04-08 \620 (2) 
ワイド 04-08 \280 (2)/ 04-07 \320 (3)/ 07-08 \830 (9) 
馬単   04-08 \790 (2) 
3連複 04-07-08 \1610 (4/680) 
3連単 04-08-07 \4480 (10/4080) 

グランアレグリアはスタートを決めて5番手につけ、直線で前が壁になりラスト1Fで外に持ち出すとメンバー2位タイの33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒0。レシステンシアが逃げて前半3F34.9秒、5F58.5秒。今の時計の出やすい馬場を考えるとの緩い流れでレースの上がりは33.5秒。上がり勝負になり、好位につけた馬で決着した。グランアレグリアは直線で前が壁になったが、ルメール騎手が慌てず、落ち着いて外に出すとそこからスパッと切れる脚を使って差し切った。スムーズなら圧勝していたのではないか。パドックでは素晴らしいという仕上げではなかったが、このレベルの馬になると普通に仕上がれば力を出せるのだろう。これでG1は4勝目。社台の使い分けでマイル以下を使っているが、安田記念、マイルCSの走りを見る限り。天皇賞(秋)に出走しても勝ち負けできたのではないか。相馬眼的にG1を7勝以上できそうな馬。馬名は「大歓声」という意味。藤沢和調教師は来シーズンがラストイヤー。活躍を期待したい。

インディチャンプは好位からメンバー2位タイの33.2秒で抜け出して0.1秒差の2着。福永騎手がグランアレグリアを外からマークして内に押し込め、直線で抜け出したが、最後に外から差し切られた。福永騎手が上手く乗ったが、グランアレグリアが強過ぎた。例年なら勝っていたのではないか。昨年の安田記念とマイルCSを勝った馬があらためて能力を示した。これまで休み明けは毎日王冠3着、中山記念4着に終わっていたが、G1仕様の仕上げでマイル戦なら違うのだろう。安田記念以来のレースだったが、攻め駆けするタイプとはいえ、最終調教では目立つ動きを見せていた。香港マイルに登録しているが出走は未定。馬体がマッチョ化しているため、阪神カップを使って短距離の適性を見極める手もありそうだ。

アドマイヤマーズは3番手からメンバー7位タイの33.6秒で伸びて0.2秒差の3着。先行して自分の力は出したが、流れが緩んで上がりが速くなり過ぎた。これで良馬場の芝1600mは[6−0−1−0]。朝日杯FS、NHKマイルC、香港マイルを勝っているが、今回は単純にグランアレグリア、インディチャンプが強かったのだろう。ようやく調子が上がってきたため、香港マイルに出走すれば面白そうだ。

スカーレットカラーは中団から直線で最内を突いてメンバー5位タイの33.3秒で伸びて0.3秒差の4着。超絶の激走があるとみて大穴馬(13人気)で狙ったが、あと一歩足りなかった。もう少し流れが速くなって上がりが掛かれば突っ込めたかもしれない。岩田騎手のイン突きは究極になってきている。スカーレットカラーはこのレースを最後に引退する模様。

レシステンシアは前半3F34.9秒、5F5F58.5秒で逃げてメンバー15位の34.3秒で上がって0.8秒差の8着。昨年の阪神JFを1分32秒7のレコードで圧勝したときは前半3F33.7秒、5F57.5秒。高速馬場でこの緩い流れでは切れ負けして当然。休み明けで馬体が24キロ増えていたが太くはなかった。馬主のキャロットファームは今年の中央G1未勝利。チャンピオンズCのクリソベリルは確勝か。



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