エリザベス女王杯
2020/11/15 阪神競馬場 芝2200m

レース展望

3歳馬と古馬が争う女王決定戦。過去10年の1番人気は[1−3−3−3]で4連対。勝ったのは外国馬スノーフェアリー。単勝1倍台は[0−1−0−0]、2倍台は[1−0−2−1]、3倍台は[0−2−1−2]。2番人気は[1−2−1−6]で3連対、3番人気は[4−0−1−5]で4連対。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は8倍、137倍、80倍、98倍、33倍で荒れている。

連対馬20頭のうち14頭にG1連対、3頭にG2勝ちがあった。メンバーレベルが高く、G1実績馬が活躍している。これらがない3頭は渋った馬場だった。連対馬20頭のうち14頭が前走3着以内。秋華賞、府中牝馬S好走馬が活躍している。前走4着以下から連対した6頭のうち4頭が府中牝馬S、2頭が牡馬混合重賞だった。最近は府中牝馬Sで善戦した馬の巻き返しが目立つ。今年は阪神芝2200mで行われる。

ラッキーライラックは昨年秋以降[2−2−2−1]でエリザベス女王杯、大阪杯を優勝。昨年のエリザベス女王杯は前半5F62.8秒で中団から最内を突いて最速の32.8秒で差し切り2分14秒1で優勝。大阪杯は前半5F60.4秒で3番手から内を突いて2位の33.9秒で抜け出し1分58秒4で優勝。宝塚記念(稍重)は好位から伸び切れず2.5秒差の6着。前走札幌記念は2番手から伸び切れず0.4秒差の3着。サンデーRのノーザンファーム生産馬にテン乗りのルメール騎手。課題は色々あるが、2連覇達成なるか。

ノームコアは昨年のヴィクトリアマイルでG1初制覇。今年は高松宮記念15着、ヴィクトリアマイル3着、安田記念4着で勝ち切れないレースが続いていたが、前走札幌記念を中団からメンバー最速タイの34.5秒で差し切って重賞4勝目を挙げた。前半5Fは60.3秒、後半5Fは59.1秒。同斤で3着のラッキーライラックに0.4秒差をつけている。18年のエリザベス女王杯は好位から伸び切れず0.6秒差の5着。距離1F延長がカギになる。今年の宝塚記念を圧勝したクロノジェネシスの半姉。横山典騎手がどう乗るか。

昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー、オールカマー勝ち馬センテリュオ、府中牝馬S勝ち馬サラキア、秋華賞3着馬ソフトフルート、ローズS勝ち馬リアアメリア、前走新潟牝馬Sを勝ったウラヌスチャーム、同2着馬エスポワール、オークス2着馬ウインマリリン、同3着馬ウインマイティーなど。ラヴズオンリーユーは今年ヴィクトリアマイル7着、鳴尾記念2着、府中牝馬S5着。昨年のエリザベス女王杯は2番手から伸び切れず0.2秒差の3着。56キロは初めてになるが、叩き2戦目、[1−1−0−0]の阪神でどこまで変わるか。

センテリュオは前走オールカマーを7番手から最速の34.5秒で差し切って2分15秒5で優勝。カレンブーケドールにハナ差競り勝ち、5着ミッキースワローに0.5秒差をつけた。昨年のエリザベス女王杯はルメール騎手が騎乗して0.3秒差の4着。芝2200mは[2−2−0−1]。G1馬を相手にどこまでやれるか。サラキアは小倉日経オープン、府中牝馬Sを最速上がりで差し切って2連勝。昨年のエリザベス女王杯は好位から伸び切れず0.4秒差の6着。今年は昨年より力をつけている。サリオスの半姉。G1の壁を突破するか。

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レース回顧

2020年11月15日(日) 5回阪神4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第45回エリザベス女王杯
3歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定)  芝 2200m・内   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 18  ラッキーライラック 牝 5 ルメール  56  2.10.3 33.9  1 522 (栗)松永幹夫
2 7 13  サラキア           牝 5 北村友一  56  2.10.4 33.7  5 450 (栗)池添学
3 6 11  ラヴズオンリーユー 牝 4 M.デム  56  2.10.4 33.8  3 486 (栗)矢作芳人
4 6 12  ウインマリリン     牝 3 横山武史  54  2.10.7 34.4  9 460 (美)手塚貴久
5 4  8  センテリュオ       牝 5 戸崎圭太  56  2.10.8 33.9  4 476 (栗)高野友和
6 2  4  ソフトフルート     牝 3 福永祐一  54  2.10.9 34.5  6 472 (栗)松田国英
7 3  5  リアアメリア       牝 3 川田将雅  54  2.10.9 34.9  7 482 (栗)中内田充
8 1  1  シャドウディーヴァ 牝 4 内田博幸  56  2.11.0 34.3 14 478 (美)斎藤誠
9 1  2  サムシングジャスト 牝 4 松山弘平  56  2.11.2 34.7 15 516 (栗)松田国英
10 8 16  ミスニューヨーク   牝 3 加藤祥太  54  2.11.2 34.8 13 462 (栗)杉山晴紀
11 7 14  サトノガーネット   牝 5 坂井瑠星  56  2.11.2 34.3 10 444 (栗)矢作芳人
12 2  3  リュヌルージュ     牝 5 団野大成  56  2.11.3 34.7 16 478 (栗)斉藤崇史
13 7 15  ウラヌスチャーム   牝 5 斎藤新    56  2.11.3 35.1 11 498 (美)斎藤誠
14 5  9  ウインマイティー   牝 3 和田竜二  54  2.11.4 35.1 12 480 (栗)五十嵐忠
15 4  7  ロサグラウカ       牝 5 幸英明    56  2.11.4 34.6 17 458 (美)尾関知人
16 3  6  ノームコア         牝 5 横山典弘  56  2.11.6 36.1  2 466 (美)萩原清
17 8 17  エスポワール       牝 4 武豊      56  2.11.6 35.4  8 486 (栗)角居勝彦
18 5 10  カーロバンビーナ   牝 5 浜中俊    56  2.12.5 35.2 18 402 (美)戸田博文
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LAP :12.6-11.1-11.2-12.3-12.1-12.0-12.2-12.0-11.9-11.1-11.8
通過:34.9-47.2-59.3-71.3  上り:71.0-59.0-46.8-34.8  平均:1F:11.85 / 3F:35.54
単勝   18 \330 
複勝   18 \150 / 13 \280 / 11 \200 
枠連   7-8 \1260 (5) 
馬連   13-18 \2290 (7) 
ワイド 13-18 \930 (10)/ 11-18 \490 (2)/ 11-13 \1460 (16) 
馬単   18-13 \3610 (13) 
3連複 11-13-18 \4260 (10/816) 
3連単 18-13-11 \21050 (51/4896) 

ラッキーライラックは大外枠スタートから12番手につけ、勝負どころで外から動いて4コーナーで3番手に押し上げるとメンバー3位タイの33.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分10秒3。ノームコアが逃げて前半5F59.3秒の速い流れ。道中の最も遅いラップが12.3秒で流れが緩まず、前に行った馬は直線で失速し、後方で脚をタメたノーザンファーム生産馬3頭で決着した。過去4年の前半5Fは61.8秒、62.0秒、61.4秒、62.8秒でスローペース。社台の馬はみなノームコアが速い流れで引っ張ることを知っていたのではないか。ラッキーライラックは外を回って早めに動く強気なレースでエリザベス女王杯2連覇を達成。昨年はスローペースで内を突いて差し切ったが、今年は速い流れで外を回って横綱相撲で制し、昨年よりパフォーマンスを引き上げた。大阪杯勝ち馬で本来は牡馬混合G1の天皇賞(秋)に出走すべき馬だが、社台がアーモンドアイの8冠を優先したのだろう。香港に登録していないため、次走の有馬記念がラストランになりそうだ。

サラキアは後方からメンバー最速の33.7秒で追い込んでクビ差の2着。府中牝馬Sを最速上がりで3馬身差で圧勝した馬が距離2200mを克服し、初めてG1で連対した。昨年のエリザベス女王杯は直線で前が詰まる不利があり0.4秒差の6着。スムーズなら馬券圏内に入る下地はあったが、府中牝馬Sで重馬場、今回距離2200mを克服したように力をつけているのだろう。サリオスの全姉。兄弟が活躍すると一緒に活躍するパターンが多い。これで北村友騎手では[3−2−0−0]。乗り難しい馬だが、北村友騎手が騎乗するとまともに走っている。今年のG1で北村友騎手は[1−3−2−7]、5番人気以内なら[1−2−2−0]で複勝率100%。サラキアは5番人気だった。

ラヴズオンリーユーは中団の後ろからメンバー2位の33.8秒で伸びてクビ+クビ差の3着。直線で外から鋭く伸びてきたが、最後にサラキアに交わされた。昨年のエリザベス女王杯は2番手から3着に粘ったが、今年は差すレースをして同じ3着だった。これで阪神&京都では[3−1−2−0]で3着以内を確保。最終調教では馬体を大きく見せ、動き、気配が良くなっていた。前走府中牝馬Sは不甲斐なかったが、さすがに矢作厩舎は仕上げが上手い。これでMデムーロ騎手は16年以降[2−0−3−0]で3着以内を確保。

ウインマリリンは3番手からメンバー7位の34.4秒で伸びて0.4秒差の4着。1、2、3、5着馬は道中11番手以下で脚をタメた馬。それを考えると3番手から粘ったことは評価できる。道中内ラチ沿いをロスなく回り、勝負どころで外から捲られても内で我慢したことが良かったのだろう。前走秋華賞は15着に終わったが、デアリングタクトが勝ったオークスで半馬身差の2着に入った馬があらためて能力を示した。長距離輸送が良くないのか、今回もパドックでイレ込み気味だった。今後はひと息入れることになりそうだ。

センテリュオは後方3番手からメンバー3位タイの33.9秒で追い込んで0.5秒差の5着。スタートは出たが徐々に位置取りが悪くなり、勝負どころで外から上がった馬を先に行かせてから追い込んできた。ラッキーライラックと同じ上がりを繰り出したが、結果的に位置取り&踏み遅れ負け。昨年のエリザベス女王杯はルメール騎手が騎乗して早めに動いて0.3秒差の4着。戸崎騎手は阪神&京都、3歳&古馬混合の芝G1で[0−2−1−26]、5番人気以内では[0−1−1−11]。ルメール騎手とは大きな差がある。



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