武蔵野S
2020/11/14 東京競馬場 ダ1600m

レース展望

チャンピオンズCの前哨戦。過去10年で1番人気は[3−2−1−4]で5連対。単勝1倍台は[0−1−1−0]で未勝利。前走東京ダートで連対した馬は[3−2−1−1]で堅実。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対のみ。6〜9番人気が8連対、10番人気以下は連対なし。過去5年の馬連は32倍、44倍、139倍、39倍、210倍で中穴以上の決着が続いている。

連対馬20頭のうち11頭が前走連対、17頭が前走5着以内。前走6着以下から連対した3頭は前走重賞で6、9、9着に負け、武蔵野Sで8、6、7番人気だった。前走10着以下は[0−0−1−25]で3着止まり。関東馬[2−0−0−37]、関西馬[8−10−10−91]。8年で関西馬がワンツーを決めている。ダート重賞は他のレースでも関西馬の活躍が目立つ。関東馬は16年以降[0−0−0−17]で不振。

タイムフライヤーはマリーンS、エルムSを2連勝。マリーンSは中団からメンバー最速の37.3秒で差し切り3馬身半差で圧勝。エルムSは中団の外からメンバー2位タイの35.7秒で差し切り2馬身差で圧勝。2歳時にホープフルSを制した馬がダートでも重賞を制した。昨年の武蔵野Sは中団の内からメンバー4位の35.5秒で伸びて0.2秒差の2着。フェブラリーSでは差し馬向きの展開で3番手から5着に粘った。今年の東京重賞でルメール騎手は[8−3−0−11]で現在3連勝中。今週も社台の馬とルメール騎手か。

モズアスコットはダート[2−1−0−1]で東京では根岸S、フェブラリーSを優勝。フェブラリーSは中団から直線で馬群を捌いてメンバー2位の35.4秒で抜け出し1分35秒2で2馬身半差で圧勝。ルメール騎手はゴール前で後ろを振り返る余裕があった。かしわ記念は中団から伸び切れず6着。前走南部杯は2番手から早めに先頭に立ってアルクトスにクビ差の2着に粘った。1分32秒8(稍重)で走り、サンライズノヴァ、ワンダーリーデルを相手にしなかった。今回も横山武騎手が騎乗する。59キロがどう出るか。

プロキオンS勝ち馬サンライズノヴァ、同2着馬エアスピネル、ユニコーンS2着馬デュードヴァン、レパードS勝ち馬ケンシンコウ、昨年の武蔵野S勝ち馬ワンダーリーデル、前走ラジオ日本賞を勝ったレピアーウィット、2連勝中の上がり馬オメガレインボーなど。サンライズノヴァは昨年の南部杯でG1初制覇。今年はフェブラリーS3着、かしわ記念3着、プロキオンS1着、南部杯4着と堅実に走っている。東京ダ1600mは[4−1−1−4]で18年の武蔵野Sを勝っている。58キロを背負うが、プロキオンSは59キロだった。

エアスピネルはプロキオンS2着(稍重)、エルムS7着(良)。東京芝1600mでは富士S1着、東京新聞杯3着がある。相手なりに走るタイプ。過去10年で7歳以上は[1−0−0−29]で1連対のみ。デュードヴァンは東京ダ1600m[3−1−0−0]でユニコーンS2着がある。同じ3歳のケンシンコウより1キロ軽い55キロで出走できる。ケンシンコウはレパードSを1分49秒2のレコードで2馬身半差で圧勝。東京ダ1600mではユニコーンS3着がある。3歳馬が古馬に通用するのかどうか。今後を占うレースになる。

レース展望を書いた後のフォローは、競馬道場広場、ツイッターでお届けしています。

★競馬道場広場(掲示板)

★ツイッター

レース回顧

2020年11月14日(土) 5回東京3日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第25回東京中日スポーツ杯武蔵野S
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1600m   16頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 3  6  サンライズノヴァ   牡 6 松若風馬  58  1.35.0 35.4  3 530 (栗)音無秀孝
2 6 12  ソリストサンダー   牡 5 北村宏司  56  1.35.1 35.6 11 480 (栗)高柳大輔
3 4  7  エアスピネル       牡 7 三浦皇成  56  1.35.3 36.1  8 494 (栗)笹田和秀
4 4  8  ワンダーリーデル   牡 7 横山典弘  57  1.35.4 35.6  5 524 (栗)安田翔伍
5 6 11  タイムフライヤー   牡 5 ルメール  57  1.35.4 36.1  1 476 (栗)松田国英
6 5  9  メイショウワザシ   牡 5 浜中俊    56  1.35.9 37.3  9 536 (栗)南井克巳
7 1  2 $モズアスコット     牡 6 横山武史  59  1.35.9 36.3  2 490 (栗)矢作芳人
8 3  5  スマートダンディー 牡 6 津村明秀  56  1.36.1 36.3 12 500 (栗)石橋守
9 2  3  ロードグラディオ   牡 4 柴田大知  56  1.36.3 36.8 16 494 (栗)西浦勝一
10 8 15  レピアーウィット   牡 5 石橋脩    56  1.36.4 37.5  7 546 (美)堀宣行
11 2  4  ケンシンコウ       牡 3 丸山元気  56  1.36.8 37.7  6 484 (美)小西一男
12 5 10  エメラルファイト   牡 4 石川裕紀  57  1.37.0 37.3 14 460 (美)相沢郁
13 8 16  オメガレインボー   牡 4 大野拓弥  56  1.37.2 38.4 10 452 (栗)安田翔伍
14 7 13 *デュードヴァン     牡 3 M.デム  55  1.37.3 38.2  4 482 (美)加藤征弘
15 1  1  フィードバック     牡 4 田辺裕信  56  1.38.2 38.9 13 496 (美)鈴木伸尋
16 7 14  バティスティーニ   牡 7 戸崎圭太  56  1.40.0 40.8 15 494 (栗)池添学
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.2-10.8-11.2-11.9-12.5-12.0-12.1-12.3
通過:34.2-46.1-58.6-70.6  上り:72.0-60.8-48.9-36.4  平均:1F:11.88 / 3F:35.63
単勝   6 \510 
複勝   6 \190 / 12 \770 / 7 \470 
枠連   3-6 \850 (1) 
馬連   06-12 \10790 (32) 
ワイド 06-12 \2220 (28)/ 06-07 \1190 (11)/ 07-12 \6930 (56) 
馬単   06-12 \17080 (54) 
3連複 06-07-12 \37010 (104/560) 
3連単 06-12-07 \203670 (550/3360) 

サンライズノヴァは後方13番手で脚をタメ、直線で外からメンバー最速の35.4秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分35秒0は優秀。メイショウワザシが逃げて前半3F34.2秒、5F58.6秒の速い流れ。確たる逃げ馬不在で前に行く人気薄がこんなに飛ばす必要はないが、なぜか速い流れになり差し追い込み馬が上位を独占した。サンライズノヴァは速い流れで差し馬向きの展開になり、得意の東京ダ1600mで末脚が爆発した。ユニコーンS、18年の武蔵野Sを勝った馬が得意の東京ダ1600mで重賞3勝目を挙げた。少し脚抜きのいい馬場が合うタイプ。中央の良馬場での勝利は18年グリーンチャンネルC以来2年ぶりとなった。6歳馬でも衰えはなく今が充実期。次走はチャンピオンズCに向かう予定。18年のチャンピオンズCは1.1秒差の6着。前崩れの展開になるかがカギになる。

ソリストサンダーは中団の外からメンバー2位タイの35.6秒で伸びて0.1秒差の2着。前走休み明けの福島民友Cで3着に入った馬が重賞初挑戦で11番人気で穴をあけた。直線で社台の1番人気タイムフライヤーに外から被せて左鞭で威嚇。社台に怒られそうな行為だが、北村宏騎手は今年の重賞で社台の人気馬に騎乗していない。そのストレスもあるのだろう。2歳時のプラタナス賞(東京ダ1600m)で1分36秒2(不良)でレコード勝ちしたルヴァンスレーヴに2馬身差の2着に入った馬。5歳秋を迎えて一気にパフォーマンスを引き上げた。高柳厩舎はヴァニラアイス、テーオーケインズなどダートで走る馬が多い。

エアスピネルは7番手からメンバー4位タイの36.1秒で上がって0.3秒差の3着。外から来たソリストサンダーと併せ馬で伸びてきたが、最後に競り負けた。初ダートのプロキオンSでサンライズノヴァに0.3秒差の2着に入った馬。プロキオンSではサンライズノヴァと3キロ差だったが、今回は2キロ差で同じ0.3秒差。前走エルムSは7着に終わったが、まともに走れなこれぐらいやれるのだろう。三浦騎手は重賞で駄乗が目立つが、東京ダ1600mは得意。調教の動きが良くなっていたように馬も調子を上げていた。

タイムフライヤーは7番手からメンバー4位タイの36.1秒で上がって0.4秒差の4着。直線でソリストサンダーに寄られてスムーズさを欠いたことが堪えている。スムーズなら勝ち負けできたとルメール騎手はコメントしたが、最後の脚色を見る限り連対できたかは微妙なところ。芝を含め、これで左回りでは[0−2−0−4]で未勝利。次走はチャンピオンCに向かう予定。左回りの克服がカギになる。

モズアスコットは後方からメンバー6位タイの36.3秒で伸びて0.9秒差の7着。南部杯では2番手につけて2着に粘ったが、59キロが影響したのか、位置取りが悪くなり、直線でも伸び切れなかった。走るときと走らないときの差が大きくなっている。フランケル産駒の6歳馬。ピークを過ぎているのだろう。



[Home]