天皇賞(秋)
2020/11/1 東京競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−1−2]で7連対。牡馬は[3−1−1−1]、牝馬は[2−1−0−1]。5歳牝馬のブエナビスタが4着に終わっている。2番人気は[1−3−2−4]で4連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は7、7、10番人気。過去5年の馬連は73倍、24倍、9倍、15倍、9倍。3着は6、6、13、6、6番人気。必ず人気薄が入っている。

連対馬13頭が前走G2以上で3着以内。前走4、5着は[0−1−2−18]、6〜9着は[2−2−1−36]、10着以下は[0−2−0−23]。前走6着以下から連対した6頭はG1実績馬で4頭が2走前にG1で連対していた。前走G3以下は[0−0−0−12]。牡馬は[8−8−9−130]、牝馬は[2−2−1−8]。牝馬は2番人気以内[2−2−0−1]、3番人気以下[0−0−1−7]。人気の牝馬に注目。

アーモンドアイはG1[7−1−1−1]で史上初の芝G1−8勝が懸かる。ヴィクトリアマイルで4番手からメンバー最速の32.9秒で抜け出して1分30秒6で4馬身差で圧勝。ルメール騎手は後ろを振り返り、最後は流していた。前走安田記念は出遅れて後方からメンバー3位の33.9秒で伸びて0.4秒差の2着。初の中2週、稍重の馬場、出遅れ、直線で外に出すロスなど敗因は色々あるが、グランアレグリアに完敗だった。

昨年の天皇賞(秋)は1枠から内ラチ沿いの5番手につけ、最内からメンバー2位の33.8秒で抜け出し1分56秒2で3馬身差で圧勝。一頭だけ次元の違う末脚でダノンプレミアム、アエロリットを相手にしなかった。東京のG1では[4−1−1−0]で上がりは全てメンバー3位以内。国枝厩舎は先週の菊花賞でアンティシペイトが抽選落ちしている。週末は雨は降らない予報。5歳牝馬。昨年の走りができればあっさりもあるか。

クロノジェネシスは[6−2−2−1]、G1は[2−2−2−1]で秋華賞、宝塚記念を優勝。昨年のエリザベス女王杯5着を除き3着以内を確保している。前走宝塚記念は7番手から4コーナーで先頭に立ち、メンバー最速の36.3秒で後続を引き離し2分13秒5(稍重)で6馬身差で圧勝。生産牧場で水掻きがついていると言われるほどの道悪巧者で稍重以上では4戦4勝。ノームコアの半妹。良馬場の高速上がりにも対応できる。

天皇賞(春)を2連覇したフィエールマン、昨年の毎日王冠勝ち馬ダノンキングリー、宝塚記念&京都大賞典2着のキセキ、昨年の天皇賞(秋)2着馬ダノンプレミアム、18年の有馬記念勝ち馬ブラストワンピース、昨年の香港カップ勝ち馬ウインブライトなど。フィエールマンはオールカマーを熱発で回避。芝2000m以下は[2−1−1−0]。東京は芝1800mの新馬戦1着以来となる。テン乗りの福永騎手に乗り替わる。

ダノンキングリーは東京[3−1−0−1]で共同通信杯1着、毎日王冠1着、ダービー2着がある。芝2000mでは皐月賞3着、大阪杯3着がある。昨年の毎日王冠は出遅れた後にメンバー最速の33.4秒で大外一気を決めた。小柄な馬だけに58キロがカギ。キセキは宝塚記念2着、京都大賞典2着と後方から捲るレースで復調してきた。東京では毎日王冠3着、天皇賞(秋)3着、ジャパンC2着がある。武豊騎手がどう乗るか。

ダノンプレミアムは前走安田記念13着。芝2000mは[2−1−1−0]。適距離で巻き返せるか。ブラストワンピースは大阪杯7着、宝塚記念16着に終わった。1枠1番では3戦3勝。ロスなく回って一変するか。スカーレットカラーは昨年の府中牝馬Sで大外一気を決めた。外差し馬場で展開が嵌まれば。ダイワキャグニーは東京芝[8−1−1−8]、東京芝2000m[2−0−0−2]。逃げ馬不在でハナを切る手か。

ウインブライトは香港G1[0−0−0−2]、国内G1は[0−0−0−5]。今年の少しタフな馬場で消耗戦になって上がりが掛かれば。ジナンボーは左回りの芝2000m[2−2−0−1]。父は無敗の3冠馬ディープインパクト、母は3冠牝馬アパパネ。大一番で3冠馬の血が覚醒するか。カデナは大阪杯でメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.2秒差の4着。2着クロノジェネシスの上がりを0.5秒上回っている。

有料版競馬道場(競馬アナリストGM)
10月の平地重賞予想結果
9Rのうち7Rで的中

★各馬券の回収率
馬 単 209%
ワイド 419%
馬 連 141%
3連複 325%
3連単 357%

★1点1000円購入した場合の収支
馬 単 +37,200円
ワイド +86,200円
馬 連 +31,800円
3連複 +272,100円
3連単 +636,700円
合計+1,063,800円


レース回顧

2020年11月 1日(日) 4回東京8日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第162回天皇賞(秋)
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 2000m   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7  9  アーモンドアイ     牝 5 ルメール  56  1.57.8 33.1  1 490 (美)国枝栄
2 5  6  フィエールマン     牡 5 福永祐一  58  1.57.9 32.7  5 478 (美)手塚貴久
3 6  7  クロノジェネシス   牝 4 北村友一  56  1.57.9 32.8  2 464 (栗)斉藤崇史
4 8 11  ダノンプレミアム   牡 5 川田将雅  58  1.58.2 34.0  6 496 (栗)中内田充
5 6  8  キセキ             牡 6 武豊      58  1.58.6 34.1  4 508 (栗)角居勝彦
6 3  3  ダイワキャグニー   セ 6 内田博幸  58  1.59.0 34.5 10 496 (美)菊沢隆徳
7 8 12  ジナンボー         牡 5 M.デム  58  1.59.1 34.4  9 492 (美)堀宣行
8 2  2  カデナ             牡 6 田辺裕信  58  1.59.2 33.9 11 478 (栗)中竹和也
9 7 10  スカーレットカラー 牝 5 岩田康誠  56  1.59.2 33.7  8 488 (栗)高橋亮
10 5  5  ウインブライト     牡 6 松岡正海  58  1.59.4 34.5 12 484 (美)畠山吉宏
11 1  1  ブラストワンピース 牡 5 池添謙一  58  1.59.5 34.6  7 550 (美)大竹正博
12 4  4  ダノンキングリー   牡 4 戸崎圭太  58  2.00.7 35.8  3 450 (美)萩原清
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LAP :12.7-11.7-12.1-12.1-11.9-12.0-11.7-10.9-11.1-11.6
通過:36.5-48.6-60.5-72.5  上り:69.2-57.3-45.3-33.6  平均:1F:11.78 / 3F:35.34
単勝   9 \140 
複勝   9 \110 / 6 \260 / 7 \140 
枠連   5-7 \780 (4) 
馬連   06-09 \970 (5) 
ワイド 06-09 \420 (5)/ 07-09 \180 (1)/ 06-07 \670 (9) 
馬単   09-06 \1180 (6) 
3連複 06-07-09 \960 (3/220) 
3連単 09-06-07 \4130 (9/1320) 

アーモンドアイは3番手の外からメンバー3位の33.1秒で抜け出すと外から伸びたフィエールマン、クロノジェネシスの追撃を完封してレースを制した。勝ちタイムは1分57秒8。ダノンプレミアムが逃げて前半3F36.5秒、5F60.5秒の緩い流れ。後半5Fは57.3秒、上がりは33.6秒、10.9−11.1−11.6秒。スローペースで後半に高速ラップの持続力と瞬発力が問われるレースになった。アーモンドアイは昨年内をロスなく回って直線で抜け出して3馬身差で圧勝したが、今年は外を回ったこともあり2着に半馬身差まで詰められた。ただし昨年0.5秒差の2着ダノンプレミアムに0.4秒差をつけており、2着フィエールマン、3着クロノジェネシスがアーモンドアイに詰め寄ったともいえる。アーモンドアイは史上初となる芝G1−8勝を達成した。ルメール騎手は天皇賞(秋)3連覇。春を含め天皇賞は5連勝となった。パドックでは絶好調という感じではなかったが、このレベルの馬になると普通に仕上がれば力は出せるのだろう。これで休み明けは7戦7勝となった。馬体を見る限り一度使った上積みが見込まそうだが、5歳牝馬だけにどこまで上向いてくるか。無敗の3冠馬デアリングタクト、コントレイルはジャパンC出走が決定。馬優先で体調次第になるが、現役古馬最強馬としてジャパンC出走を期待したい。

フィエールマンは後方3番手から直線で外に持ち出すとメンバー最速の32.7秒でガツンと伸びて0.1秒差の2着。スタートでキセキ(武豊騎手)に寄られて位置取りが悪くなったことが堪えたが、天皇賞(春)を2連覇した実力馬がスローの瞬発力であらためて能力と末脚の威力を見せつけた。馬体は12キロ減っていたが、前走8キロ増で少し太かったこともあるのだろう。ただしパドックを見るといつもより地味で8分程度の仕上がりに映った。前走天皇賞(春)はルメール騎手が直線で鞭7発、ラスト1Fから鞭6発を入れたが、今回福永騎手は直線で鞭3発、ラスト1Fから鞭1発しか入れなかった。福永騎手は想定よりもフィエールマンの末脚が凄過ぎてアーモンドアイを差し切ってしまうと焦ったのではないか。スタートでキセキに寄られなかったら見え見えの八百長競馬になっていた可能性があるだけにある意味良かったか。次走は有馬記念に向かう予定。社台の使い分けもあるが、これまで中6週以下で使ったことがないため、間隔を空けたいのだろう。

クロノジェネシスは9番手の外からメンバー2位の32.8秒で伸びて0.1秒差の3着。スタートでキセキに寄られて位置取りが悪くなり、直線で手前を替えて内に切れ込れ込んで内にモタれたことが響いている。それでも宝塚記念を圧勝した馬が良馬場の上がり勝負で能力を示す3着。斉藤崇厩舎は仕上げが上手いが、今回は調教で攻めておらず余裕残しの仕上げだった。ジャパンCの叩き台にする馬は2〜4着に負けることが多いが、その通りの結果になった。次走ジャパンCは無敗の3冠馬デアリングタクト、コントレイルと戦うことになる。雨で馬場が悪化したらデアリングタクトとの一騎打ちになりそうだ。

スカーレットカラーは離れた後方2番手からメンバー4位の33.7秒で追い込んで1.4秒差の9着。スローペースでも隊列が縦長になったこと、直線で馬場の荒れた内めを突いたことが堪えた。ただしフィエールマン、クロノジェネシスは外を回って32秒台で上がっており、外に出しても馬券圏内は厳しかったか。結果的にG1馬3頭が強かった。昨年のエリザベス女王杯は馬体14キロ増、今回も14キロ増。調教で攻めて仕上げたときに限って大幅増で出走してくるあたり、厩舎レベルが低い可能性がある。



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