アルテミスS
2020/10/31 東京競馬場 芝1600m

レース展望

過去8年で1番人気は[3−2−0−3]で5連対。関東馬は[0−1−0−3]、関西馬は[3−1−0−0]で関東馬は不振。2番人気は[2−2−1−3]で4連対、3番人気は[0−0−0−8]で連対なし。連対馬16頭のうち11頭が5番人気以内、残る5頭は6、6、9、12、13番人気。過去5年の馬連は104倍、4倍、257倍、54倍、2倍。1、2番人気でガチガチか50倍以上か両極端の結果になっている。

連対馬16頭は全て前走5着以内。前走勝った馬が12連対と多い。前走2着馬は[0ー0ー1ー10]で連対がない。前走6着以下は[0−0−0−19]。出遅れ、直線での不利など明らかな敗因がある馬を除き軽視したい。連対馬16頭のうち15頭の前走上がりがメンバー3位以内だった。前走上がり4、5位は[0−1−2−12]で1連対、6位以下は[0−0−1−23]で3着止まり。速い上がりで勝った馬を重視したい。

ソダシは函館芝1800mの新馬戦を2番手から抜け出して2馬身半差で圧勝。ラスト3Fは12.0−11.7−11.6秒で尻上がりだった、前走札幌2歳Sは4番手から4コーナーで先頭に立ち、直線で後続を完封し1分48秒2のレコードで優勝。白毛馬初のJRA芝重賞制覇を飾った。新馬戦はスローペース、札幌2歳Sは速い流れで消耗戦。初の東京マイルで時計、上がりが速くなったときにどこまで対応できるか。

ユーバーレーベンは東京芝1800mの新馬戦を出遅れて後方から早めに動いて差し切り1分52秒6(不良)で優勝。前走札幌2歳Sは出遅れて最後方を進み、3コーナー手前から大外から一気に上がって先団に取りつき、メンバー最速の36.6秒で上がってクビ差の2着。出遅れ癖はあるが、いい脚を長く使って能力を示した。タフな馬場が合うゴールドシップ産駒で半兄にマイネルファンロンがいる。柴田大騎手に乗り替わる。

札幌未勝利戦を勝ったククナ、新馬、コスモス賞を連勝したウインアグライア、東京の新馬戦を勝ったクールキャット、前走サフラン賞2着のテンハッピーローズ、同5着のタウゼントシェーンなど。ククナは新馬戦で出遅れて3着に負けたが、未勝利戦をメンバー最速の34.4秒で差し切って優勝。レースのラスト3Fは12.4−11.4−11.1秒で尻上がり。馬体が12キロ増えてパワーアップしていた。母は桜花賞2着、オークス3着のクルミナル。速い上がりに対応できそうなタイプ。ルメール騎手でかなり人気を集めそうだ。

ウインアグライアは新馬戦を3番手から2位の33.8秒で抜け出して1分37秒2で優勝。前走コスモス賞は3番手から2位の35.2秒で抜け出して1分50秒0で優勝。東京芝1600mで勝っているが、速い流れを経験していないところがどう出るか。クールキャットは新馬戦をメンバー最速タイの34.7秒で差し切って1分23秒4(稍重)で2馬身差で圧勝。500キロを超える馬格のある牝馬で半兄にトリオンフがいる。今年の東京芝重賞でシルクの馬が4番人気以内なら[4−3−1−3]。津村騎手に乗り替わる。


レース回顧

2020年10月31日(土) 4回東京7日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第9回アルテミスS
2歳・オープン・G3(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 14  ソダシ             牝 2 吉田隼人  54  1.34.9 33.9  1 476 (栗)須貝尚介
2 3  6  ククナ             牝 2 ルメール  54  1.35.2 33.4  2 450 (美)栗田徹
3 7 13  テンハッピーローズ 牝 2 田辺裕信  54  1.35.3 33.9  3 438 (栗)高柳大輔
4 1  2  ストゥーティ       牝 2 石橋脩    54  1.35.3 33.9 11 420 (栗)奥村豊
5 2  4  クールキャット     牝 2 津村明秀  54  1.35.5 34.0  6 518 (美)奥村武
6 4  7  ウインアグライア   牝 2 横山武史  54  1.35.5 34.4  5 450 (美)和田雄二
7 4  8  シャドウファックス 牝 2 大野拓弥  54  1.35.5 34.2 12 440 (美)宮田敬介
8 8 15  モリノカンナチャン 牝 2 横山和生  54  1.35.5 33.5 10 442 (美)大江原哲
9 3  5  ユーバーレーベン   牝 2 柴田大知  54  1.35.7 33.7  4 484 (美)手塚貴久
10 8 16  ヴァーチャリティ   牝 2 横山典弘  54  1.35.8 34.5  7 454 (栗)庄野靖志
11 6 11  ニシノリース       牝 2 内田博幸  54  1.35.9 34.2 14 402 (美)土田稔
12 2  3  ミルウ             牝 2 岩田望来  54  1.35.9 33.9 13 434 (栗)友道康夫
13 5 10  ペイシャフェスタ   牝 2 武士沢友  54  1.36.2 34.4 15 486 (美)高橋裕
14 5  9  オレンジフィズ     牝 2 北村宏司  54  1.36.3 35.4  9 454 (美)木村哲也
15 1  1  タウゼントシェーン 牝 2 戸崎圭太  54  1.37.3 35.6  8 410 (栗)矢作芳人
16 6 12  ハイプリーステス   牝 2 柴田善臣  54  1.37.6 36.1 16 406 (美)星野忍
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LAP :12.6-11.3-12.2-12.5-12.3-11.2-10.9-11.9
通過:36.1-48.6-60.9-72.1  上り:71.0-58.8-46.3-34.0  平均:1F:11.86 / 3F:35.59
単勝   14 \350 
複勝   14 \140 / 6 \160 / 13 \180 
枠連   3-7 \360 (1) 
馬連   06-14 \990 (1) 
ワイド 06-14 \390 (1)/ 13-14 \460 (2)/ 06-13 \580 (4) 
馬単   14-06 \1730 (1) 
3連複 06-13-14 \2170 (1/560) 
3連単 14-06-13 \8080 (1/3360) 

ソダシは2番手からメンバー4位タイの33.9秒で抜け出すとそのまま後続を完封してレースを制した。勝ちタイムは1分34秒9。前半3F36.1秒、5F60.9秒の緩い流れでレースの上がりは34.0秒、ラップは11.2−10.9−11.9秒。ソダシは2番手から抜け出す正攻法のレースで快勝。直線の長い東京の上がり勝負に対応できた。現時点の完成度が高い馬格のある牝馬。しっかりとした馬体の造りで地力&体力がある。これでデビューから3連勝。次走は阪神JFで無敗の2歳女王を目指す。

ククナは後方の内を進み、直線で外に持ち出すとメンバー最速の33.4秒で鋭く伸びて0.3秒差の2着。ルメール騎手が内で上手く脚とタメたこともあるが、450キロの小柄な牝馬が少しタフな馬場で最速上がりを繰り出してよく走っている。未勝利戦を尻上がりラップで勝ったのはダテではない。Bコースに変更され、良馬場で上がりが速くなったことも良かったのだろう。賞金を加算できたため、今後はひと息入れて来年はクイーンCあたりから桜花賞を目指すことになりそうだ。

テンハッピーローズは中団の外からメンバー4位タイの33.9秒で伸びて0.4秒差の3着。前走サフラン賞で外から2着に入った馬が重賞でも外から鋭く伸びて3着に突っ込んだ。初年度からデアリングタクト、アリストテレスを出したエピファネイア産駒。小柄な牝馬だが、体重以上に馬体を大きく見せている。もうワンパンチ欲しいが、今後も相手なりに走りそうだ。

ストゥーティは内ラチ沿いの6番手からメンバー4位タイの33.9秒で伸びて3着にクビ差の4着。馬場の荒れた内を通ってよく粘っている。少し外に出せれば馬券圏内があったかもしれない。好位からひと脚使えるレース巧者。母リラヴァティは牝馬限定G2、G3[1−1−3−2]。娘も堅実に走りそうだ。



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