富士S
2020/10/24 東京競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−1−0−6]で4連対。3歳馬は[0−0−0−3]、4歳馬は[2−1−0−0]で4歳馬は堅実。2番人気は[4−0−1−5]、3番人気は[1−3−1−5]で各4連対。6〜9番人気、10番人気以下は各2連対。最近5年は4番人気以内で決着し、馬連は13倍、19倍、10倍、11倍、27倍。人気馬が堅実で20倍台までに収まっている。

年齢別では3歳[3−1−3−28]、4歳[5−4−2−15]、5歳[2−3−5−33]、6歳[0−2−0−35]、7歳以上[0−0−0−20]で4歳馬が活躍している。3歳馬は1番人気[0ー0ー0ー3]、2〜5番人気[3ー1ー1ー6]、6番人気以下[0ー0ー2ー19]。4歳馬は3番人気以内なら[5ー2ー1ー2]で複勝率80%。人気の4歳馬が勝つことが多い。

サトノアーサーは出遅れて後方2番手からメンバー最速の33.7秒で差し切り1分33秒1で優勝。18年のエプソムCを勝ってから勝ち切れなかったが、エプソムCを勝った戸崎騎手に戻って重賞2勝目を挙げた。2着トロワゼトワルは次走京成杯AHを制した。休み明けを除き、芝1600〜1800m、良馬場では[2−2−0−0]。過去10年で戸崎騎手は[2−1−0−4]、3番人気以内なら[2−0−0−0]。

スマイルカナは芝1600m[4−1−1−2]でフェアリーS1着、米子S1着、京成杯AH2着、桜花賞3着がある。芝1600mで逃げたときは[3−1−1−0]。前走京成杯AHは最後にトロワゼトワルに交わされてハナ差の2着。今回も52キロで出走できる。過去10年で牝馬は[1−2−2−4]で昨年ノームコアが優勝。過去10年で逃げた馬は[0−0−0−10]で7着が最高。柴田大騎手が大逃げするか。

NHKマイルC勝ち馬ラウダシオン、アーリントンC勝ち馬タイセイビジョン、札幌記念2着馬ペルシアンナイト、マイラーC3着馬ヴァンドギャルド、弥生賞2着馬ワーケア、ニュージーランドT2着馬シーズンズギフト、前走中京記念4着のケイアイノーテックなど。東京は3週目で今週もAコースで行われる。金曜に雨が降るが、土日は雨は降らない予報。開幕週、2週目は渋った馬場で行われたが、良馬場で馬場傾向がどうなるか。

ラウダシオンは前走NHKマイルCを2番手からメンバー4位の34.4秒で逃げたレシステンシアを交わして1分32秒5で優勝。東京では[2−0−0−0]。初の古馬相手で真価が問われる。タイセイビジョンは[3−2−0−1]で京王杯2歳S、アーリントンCを優勝。前走NHKマイルCは0.3秒差の4着。今回はラウダシオンより2キロ軽い54キロで出走できる。ペルシアンナイトは前走札幌記念で2着に入り復調気配。東京芝1600mは[0−0−0−5]で富士Sは5、5着。他馬より重い57キロを背負う。

ヴァンドギャルドは東京新聞杯で出遅れが響いて0.2秒差の6着。4着サトノアーサーとはハナ+クビ差だった。マイラーズCは出遅れて最後方から追い込んで0.5秒差の3着。福永騎手に乗り替わる。ワーケアはダービー8着、新潟記念10着に終わった。マイルは初めてだが、距離短縮でどこまで変わるか。シーズンズギフトは3歳牝馬で52キロで出走できるが、初の左回りがカギになる。ケイアイノーテックは18年のNHKマイルC勝ち馬。前3走は京王杯SC6着、安田記念5着、中京記念4着で1つずつ着順を上げている。


レース回顧

2020年10月24日(土) 4回東京5日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第23回富士S
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 1600m   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  5  ヴァンドギャルド   牡 4 福永祐一  56  1.33.4 34.6  5 468 (栗)藤原英昭
2 8 11  ラウダシオン       牡 3 M.デム  56  1.33.6 35.2  3 510 (栗)斉藤崇史
3 7  9  ケイアイノーテック 牡 5 津村明秀  57  1.33.8 34.7  6 472 (栗)平田修
4 7 10  ペルシアンナイト   牡 6 大野拓弥  57  1.33.9 35.2  9 490 (栗)池江泰寿
5 2  2  タイセイビジョン   牡 3 石橋脩    54  1.34.0 35.4  4 468 (栗)西村真幸
6 3  3 $モズダディー       牡 5 内田博幸  56  1.34.2 35.6 11 504 (栗)藤岡健一
7 5  6  レイエンダ         牡 5 池添謙一  56  1.34.3 35.4 10 494 (美)藤沢和雄
8 8 12  ワーケア           牡 3 ルメール  54  1.34.3 35.6  8 492 (美)手塚貴久
9 4  4  サトノアーサー     牡 6 戸崎圭太  56  1.34.3 35.4  1 480 (栗)池江泰寿
10 6  7  スマイルカナ       牝 3 柴田大知  52  1.34.6 37.2  2 424 (美)高橋祥泰
11 1  1  ブラックバゴ       牡 8 笹川翼    56  1.35.0 35.8 12 532 [地]佐野謙二
12 6  8  シーズンズギフト   牝 3 横山典弘  52  1.36.5 39.0  7 490 (美)黒岩陽一
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LAP :12.4-10.6-10.8-11.6-12.0-11.5-12.2-12.3
通過:33.8-45.4-57.4-68.9  上り:70.4-59.6-48.0-36.0  平均:1F:11.68 / 3F:35.03
単勝   5 \620 
複勝   5 \220 / 11 \270 / 9 \300 
枠連   5-8 \1280 (6) 
馬連   05-11 \2430 (10) 
ワイド 05-11 \950 (13)/ 05-09 \820 (9)/ 09-11 \1350 (24) 
馬単   05-11 \5210 (26) 
3連複 05-09-11 \7710 (34/220) 
3連単 05-11-09 \44730 (200/1320) 

ヴァンドギャルドはスタートを決めて中団につけ、直線で外からメンバー最速の34.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分33秒4。スマイルカナが逃げて前半3F33.8秒、途中から掛かったシーズンズギフトが先頭に立ち、前半5F57.4秒のハイペース。3番手以下は6馬身程度離れており、実質は平均か少し速い流れ。内が荒れた馬場で外を通った馬が1〜3着を独占した。ヴァンドギャルドは重賞では出遅れなどで3着止まりに終わっていたが、福永騎手がスタートを決めて中団の外で流れに乗り、直線できっちり差し切って重賞初制覇。調教診断に「リフレッシュして活気が戻り、馬体のバランスが良くなった」と書いたが、パドックでも馬体の造りが目立っていた。2、3歳時にハードな使い方をしたが、藤原英厩舎が間隔を空けながら大事に使ってきたことが良かったのだろう。次走はマイルCSでG1獲りを目指すことになりそうだ。10月の東京の重賞で連対した馬は全て社台系生産馬。サリオス、サラキアはシルクHC、ヴァンドギャルドは社台RH。社台の馬が勝つパターンが続いている。

ラウダシオンは3番手からメンバー3位タイの35.2秒で抜け出したが、外からヴァンドギャルドに差されて0.2秒差の2着。休み明けで馬体が16キロ増えて少し余裕があり、G1馬のため同じ3歳のタイセイビジョンより2キロ重い56キロを背負っていたが、NHKマイルC勝ち馬が速い流れで先行して能力を示した。NHKマイルCでレシステンシアを負かしたのはダテではない。3歳時に安田記念を制したリアルインパクト産駒。東京マイルも合っているのだろう。パワータイプで少し時計の掛かる馬場が合うタイプ。次走はマイルCS。今年の京都は時計が掛かっている点はプラスに働きそうだ。斉藤崇厩舎の仕上げは着実に進化している。

ケイアイノーテックは後方2番手からメンバー2位の34.7秒で追い込んで0.4秒差の3着。18年のNHKマイルC勝ち馬が約2年半ぶりに馬券に絡んだ。今年の安田記念では後方から早めに動いて0.7秒差の5着に入り、2着アーモンドアイとは0.3秒差だった。シーズンズギフトが掛かって流れが速くなったことがプラスに働いている。勝ち切れないレースが続いているが、馬体は筋肉量が増えて充実してきている。直線に坂があるコースのマイル戦がベスト。馬場、展開が向けば復活Vがあってもおかしくない。

ペルシアンナイトは中団からメンバー3位タイの35.2秒で伸びて0.5秒差の4着。富士Sは休み明けで出走し5、5着だったが、札幌記念を使った今年はひとつ着順を上げた。直線で伸び切れなかったのは、馬場の荒れた内を通ったことが影響している。過去3年のマイルCSは1、2、3着で馬券圏内を確保。人気にならないタイプに変貌しているため、今年も注意したい。

ワーケアは中団から伸び切れず0.9秒差の8着。上がりはメンバー8位タイの35.8秒。これまで前半5F60秒を切るレースを経験したことがない馬が、今回は前半5F57.4秒の速い流れ。直線で伸び切れなかったのは、経験のない流れも影響したのだろう。外に馬がいると怯んで伸び切れないように映る。少し距離ロスがあっても外々を回って差すレースをすると一変するのではないか。



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