オールカマー
2020/9/27 中山競馬場 芝2200m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−3−1−3]で6連対。春のG1から直行した馬は[3−3−1−1]で昨年のレイデオロを除き3着以内を確保。2番人気は[2−1−2−5]で3連対、3番人気は[1−3−1−5]で4連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は6、7、9番人気。過去5年の馬連は10倍、8倍、17倍、4倍、22倍。上位人気馬が堅実で馬連は20倍台までに収まっている。

連対馬20頭のうち19頭に重賞で連対があった。13年の勝ち馬ヴェルデグリーンは重賞で連対がなかったが、中山芝2000mで3戦3勝だった。最近の傾向から中距離G1で実績のある4、5歳馬に注目。6番人気以下で連対したゲシュタルトは京都新聞杯1着、ラキシスはエリザベス女王杯2着があった。前走重賞で10着以下に惨敗した芝2200m重賞実績馬が激走している。穴でこのタイプに注意。

フィエールマンは国内では[5−2−1−1]。前走天皇賞(春)は中団から最速の34.6秒で差し切り2連覇を達成。菊花賞も勝っており、芝3000m以上では3戦3勝。国内芝2000〜2200mは[0−1−1−0]でAJC杯2着、札幌記念3着。休み明け[4−2−1−1]で久々は苦にしないが、札幌記念で3着に負けたように仕上げが甘いと勝負どころで反応が鈍い。休み明けのG2でどこまで仕上げてくるか。

カレンブーケドールは[2−5−2−1]、芝2000〜2400mは[0−4−1−0]で3着以内を確保。G1では[0−3−0−0]でオークス、秋華賞、ジャパンC2着がある。前走京都記念は後方から追い込んでクロノジェネシスに2馬身差の2着。クロノジェネシスは宝塚記念をを6馬身差で圧勝した。重賞勝ちがないため斤量は54キロ。前3走は稍重以上で馬場は問わないタイプ。津村騎手が強気な騎乗で粘らせるか。

前走天皇賞(春)3着のミッキースワロー、前走目黒記念3着のステイフーリッシュ、七夕賞勝ち馬クレッシェンドラヴ、18年のセントライト記念勝ち馬ジェネラーレウーノ、前走マーメイドS2着のセンテリュオなど。ミッキースワローは中山芝[3−2−0−3]、G2では[2−2−0−1]、芝2200mでは[2−2−0−1]。昨年のオールカマーは最速の33.4秒で追い込んで0.3秒差の2着。これまで中山のG2では56キロだったが、今回は57キロを背負う。そのあたりがどう出るか。騎手が社台に忖度しないことが条件。

ステイフーリッシュは中山芝[0−2−1−0]で中山金杯&AJC杯2着、ホープフルS3着がある。芝2200のG2では[1−2−1−0]で今年のAJC杯は2着、京都記念は3着に粘った。タフな馬場をこなすステイゴールド産駒。テン乗りの田辺騎手が騎乗する。クレッシェンドラヴは中山芝2200m[2−0−1−2]で昨年のオールカマーはスムーズさを欠いて0.5秒差の5着。稍重以上では[2−1−0−1]で前走七夕賞は重馬場だった。ステイゴールド産駒。6月以降の重賞で内田博騎手は[4−0−0−6]で4勝。


レース回顧

2020年 9月27日(日) 4回中山7日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第66回産経賞オールカマー
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2200m   9頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  4  センテリュオ       牝 5 戸崎圭太  54  2.15.5 34.5  5 472 (栗)高野友和
2 8  8  カレンブーケドール 牝 4 津村明秀  54  2.15.5 35.1  2 472 (美)国枝栄
3 7  7  ステイフーリッシュ 牡 5 田辺裕信  56  2.15.7 35.2  3 464 (栗)矢作芳人
4 1  1  クレッシェンドラヴ 牡 6 内田博幸  56  2.15.8 35.2  4 494 (美)林徹
5 3  3  ミッキースワロー   牡 6 横山典弘  57  2.16.0 35.2  1 474 (美)菊沢隆徳
6 2  2  サンアップルトン   牡 4 柴田善臣  56  2.16.6 35.7  7 482 (美)中野栄治
7 5  5  ジェネラーレウーノ 牡 5 三浦皇成  56  2.16.7 36.4  6 512 (美)矢野英一
8 8  9  オウケンムーン     牡 5 北村宏司  56  2.16.7 35.3  9 454 (美)国枝栄
9 6  6  アウトライアーズ   牡 6 丸田恭介  56  2.17.2 35.6  8 496 (美)小島茂之
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LAP :13.0-12.0-13.2-12.8-13.3-12.5-11.6-11.9-11.5-11.5-12.2
通過:38.2-51.0-64.3-76.8  上り:71.2-58.7-47.1-35.2  平均:1F:12.32 / 3F:36.95
単勝   4 \910 
複勝   4 \190 / 8 \150 / 7 \160 
枠連   4-8 \1910 (9) 
馬連   04-08 \1850 (9) 
ワイド 04-08 \580 (9)/ 04-07 \570 (8)/ 07-08 \350 (4) 
馬単   04-08 \4540 (21) 
3連複 04-07-08 \2830 (11/84) 
3連単 04-08-07 \21480 (88/504) 

センテリュオは7番手の外からメンバー最速の34.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分15秒5。ジェネラーレウーノが逃げて前半3F38.2秒、5F64.3秒の超スローペース。後半5Fは58.7秒、ラップは11.6−11.9−11.5−11.5−12.2秒。ラスト5Fから一気にペースアップしたことで末脚の持続力が問われるレースになった。センテリュオは後方で脚をタメ、人気の重賞実績馬が早めに動いて勝ちに行った後に外から伸びて2位を0.6秒上回る上がりで差し切った。前走稍重のマーメイドSで並の馬では届かない位置からメンバー最速の35.3秒で伸びて0.1秒差の2着まで追い上げたのはダテではなかった。芝2200mは[1−2−0−1]で昨年のエリザベス女王杯では3番手から早めに動いて0.3秒差の4着。3着ラヴズオンリーユー(オークス馬)とはクビ差、5着クロノジェネシス(宝塚記念圧勝)に先着している。昨年の尼崎S(阪神芝2200)ではメールドグラース(その後重賞4連勝)に0.3秒差の2着。近親のトーセンジョーダンはAJC杯、トーセンホマレボシは京都新聞杯を優勝。このあたりから激走があるとみて穴馬で狙って正解だった。今後は昨年4着のエリザベス女王杯でG1獲りを目指すことになりそうだ。

カレンブーケドールは3番手から徐々に進出し、メンバー2位の35.1秒で早めに抜け出したが、最後にセンテリュオに交わされてハナ差の2着。これで重賞で5度目の2着。昨年の秋華賞から4戦連続で2着となった。オークス&秋華賞&ジャパンC2着が正攻法のレースで地力を示したが、最後に交わされたのは超スローペースで道中掛かったこと、休み明けで勝ち馬と仕上がりに差があったことが影響しているのだろう。パドックで脚捌きが硬く映り、8分程度の仕上がりだった。54キロの牝馬のワンツー決着。例年とは違う全面野芝でも時計、上がりの掛かるタフな馬場で牡馬より軽い斤量が有利に働いている。近年リスグラシュー、アーモンドアイ、クロノジェネシスなど強烈なパフォーマンスを発揮した馬はみな牝馬。一部の馬を除き、牡馬は弱体化している。国枝厩舎は先週のセントライト記念のサトノフラッグに続き2週連続2着。国枝厩舎の管理馬は中山の重賞に強い。今後はエリザベス女王杯、ジャパンCのどちらかを目指すことになりそうだ。

ステイフーリッシュは2番手からメンバー3位タイの35.2秒でしぶとく伸びて0.2秒差の3着。直線で内からクレッシェンドラヴに交わされたが、最後までしぶとく伸びて差し返し3着を確保した。これで芝2200mは全てG2で[1−2−2−0]で3着以内を確保。今回は休み明けで調教の動きが地味に映ったが、それでも3着に入ったようにステイゴールド産駒でタフな馬場が得意で地力もあるのだろう。京都記念に続き、2着カレンブーケドール、3着ステイフーリッシュ。このフォーメーションは使えるかもしれない。

クレッシェンドラヴは内の3番手からメンバー3位タイの35.2秒で伸びて0.3秒差の4着。直線でステイフーリッシュを交わしたが、最後に差し返された。直線で逆手前で走っているときに一杯に追われたこと、手前を替えた後にカレンブーケドールの後ろに入ったこともあり伸び切れなかった。前半5F64.3秒のスローペースでラスト5Fから急にペースアップして高速ラップが刻まれたことも良くなかった。次走は天皇賞(秋)、または福島記念2連覇のどちらかを目指すことになりそうだ。

ミッキースワローは中団からメンバー3位タイの35.2秒で伸びて0.5秒差の5着。中山芝2200mはベストのコースだが直線で伸び切れなかった。これまで中山G2では[2−2−0−1]だったが、全て56キロだった。今回は他馬より重い57キロ。タフな馬場でより斤量が堪えたのだろう。パドックを見ると仕上がりが7分程度に映った。そのあたりを考慮して横山典騎手が無理しなかった間もある。全面野芝でも例年とは全く違う重過ぎる馬場も合わなかった。



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