セントライト記念
2020/9/21 中山競馬場 芝2200m

レース展望

菊花賞トライアル。過去10年で1番人気は[4−2−1−3]で6連対。単勝1倍台なら[2−2−0−0]。関東馬[3−1−0−1]、関西馬[1−1−1−2]で関東馬は堅実。2番人気は[1−2−1−6]、3番人気は[1−2−3−4]で各3連対。6〜9番人気は4連対、10番人気以下は1連対。最近5年の馬連は133倍、3倍、5倍、9倍、45倍で堅いか波乱両極端。G1実績馬が少ないと荒れる傾向がある。

ダービーから直行した関東馬は[5−1−1−9]、関西馬は[2−4−3−10]。ダービー10着以下は[4−3−2−8]で7連対。昨年はダービー15着のリオンリオン、17着のサトノルークスで決着。今年ダービーから直行した関東馬は6着ガロアクリーク、11着サトノフラッグ、関西馬は14着ヴェルコス。前走条件戦は[2−4−2−74]で6連対、5番人気以内なら[2−3−1−10]。前走条件戦でも通用する。

サトノフラッグは芝2000mの未勝利、1勝クラス、弥生賞を3連勝。皐月賞は中団の外から上がってきたが、直線で伸び切れず1.1秒差の5着。 外からコントレイルに来られて怯んだことが影響したのか。コントレイル、サリオスとは力差を感じさせた。前走ダービーは後方からメンバー8位タイの34.7秒で追い込んで1.2秒差の11着。東京のスローの上がり勝負で後方からでは厳しかったか。中山は3戦2勝の得意コース。コントレイル、サリオスはいない。上がりの掛かる中山で復活なるか。新馬戦以来となる戸崎騎手が騎乗する。

ガロアクリークはスプリングSを中団の後ろからメンバー最速の33.8秒で差し切って1分49秒8で優勝。皐月賞は中団の外からメンバー3位タイの35.7秒で伸びて0.7秒差の3着。前走ダービーは中団の外からメンバー5位タイの34.6秒で伸びて0.9秒差の6着。3着ヴェルトライゼンデとは0.1秒差だった。キンシャサノキセキ産駒は芝2000m以上の3勝クラスでは[0−0−0−13]、重賞では[0−0−1−3]。4月以降の重賞で川田騎手は[0−2−2−18]、2番人気以内では[0−1−1−8]。

青葉賞2着馬ヴァルコス、青葉賞3着馬フィリオアレグロ、ラジオNIKKEI賞勝ち馬バビット、前走開成山特別を勝ったリスペクト、前走天の川賞を勝ったダノンファストなど。ヴァルコスは青葉賞で後方から早めに動いて2分23秒0で走り、オーソリティにクビ差の2着。ゆきやなぎ賞を2分28秒2(稍重)で勝った馬が5.2秒詰めた。前走ダービーは好位から一杯になって1.4秒差の14着。8枠17番から外を回ったことが堪えたか。今年の重賞で佐々木氏&友道厩舎は[1−2−0−2]。3戦連続で三浦騎手が騎乗する。

フィリオアレグロは共同通信杯で好位からメンバー4位タイの34.6秒で0.7秒差の4着。馬体が18キロ増えて少し太かった。前走青葉賞は内ラチ沿いの中団からメンバー最速の33.9秒で伸びて0.1秒差の3着。堀厩舎のディープインパクト産駒でサトノクラウンの半弟。初の右回りがどう出るか。バビットは未勝利、早苗賞、ラジオNIKKEI賞を逃げ切って3連勝。前走ラジオNIKKEI賞は前半5F59.6秒で逃げ、メンバー最速の35.8秒で上がって5馬身差で圧勝。距離&中山をこなして単騎逃げで粘り込むか。


レース回顧

2020年 9月21日(祝) 4回中山5日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第74回朝日杯セントライト記念
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定)  芝 2200m   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  6  バビット           牡 3 内田博幸  56  2.15.0 37.0  4 462 (栗)浜田多実
2 7  9  サトノフラッグ     牡 3 戸崎圭太  56  2.15.3 36.5  1 486 (美)国枝栄
3 6  7  ガロアクリーク     牡 3 川田将雅  56  2.15.4 37.0  2 502 (美)上原博之
4 2  2  ラインハイト       牡 3 北村友一  56  2.15.6 36.9  9 472 (栗)石坂正
5 7 10  ヴァルコス         牡 3 三浦皇成  56  2.15.6 36.5  5 496 (栗)友道康夫
6 8 11  ココロノトウダイ   牡 3 丸山元気  56  2.16.7 38.5  8 518 (美)手塚貴久
7 4  4  フィリオアレグロ   牡 3 M.デム  56  2.16.8 37.5  3 474 (美)堀宣行
8 8 12  サペラヴィ         牡 3 石橋脩    56  2.16.8 38.3 12 480 (美)相沢郁
9 6  8  リスペクト         牡 3 ルメール  56  2.17.0 38.6  7 466 (美)奥村武
10 3  3  マイネルソラス     牡 3 丹内祐次  56  2.17.1 37.8 11 462 (美)和田正一
11 1  1  ピースディオン     牡 3 田辺裕信  56  2.17.6 38.0 10 500 (美)大竹正博
12 5  5  ダノンファスト     牡 3 横山典弘  56  2.18.4 39.2  6 464 (美)菊沢隆徳
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LAP :12.2-12.2-12.8-12.9-12.5-12.0-11.8-11.6-11.9-12.4-12.7
通過:37.2-50.1-62.6-74.6  上り:72.4-60.4-48.6-37.0  平均:1F:12.27 / 3F:36.82
単勝   6 \590 
複勝   6 \190 / 9 \140 / 7 \160 
枠連   5-7 \580 (2) 
馬連   06-09 \1460 (5) 
ワイド 06-09 \550 (6)/ 06-07 \540 (5)/ 07-09 \340 (1) 
馬単   06-09 \3090 (12) 
3連複 06-07-09 \2000 (2/220) 
3連単 06-09-07 \12600 (16/1320) 

バビットはスタートを決めて前半3F37.2秒、5F62.6秒のスローペースで逃げ、ラスト6Fからペースアップし、メンバー4位タイの37.0秒で上がってレースを制した。勝ちタイムは2分15秒0。中盤でココロノトウダイに来られて早めにペースアップさせられたが、最後までしぶとく粘って押し切った。ラスト5Fは11.8−11.6−11.9−12.4−12.7秒。今日の中山は重いタフな馬場で5Fから11秒台のラップを3F続けるのは自殺行為だが、それで押し切ったことを評価したい。心肺機能が高く、かなりのスタミナと地力がある。これで未勝利から4連勝で重賞2連勝。父ナカヤマフェスタ(凱旋門賞2着馬)は09年のセントライト記念を制しており父子制覇となった。次走は菊花賞。持ち前の心肺機能とスタミナで逃げてどこまで踏ん張れるか。ちなみに今年のダービーは前半5F61.7秒のスローペースだった。

サトノフラッグは中団の後ろから勝負どころで外から上がってバビッドに迫ったが、最後は突き放されて0.3秒差の2着。上がりはメンバー最速タイの36.5秒。直線でひと伸びすれば交わせそうだったが、バビッドに迫ったところで一杯になった。伸び切れなかったのは、休み明けで調教で攻めていなかったこともあるのだろう。国枝厩舎の管理馬は中山が得意な馬が多いが、サトノフラッグも小回りの中山が合っている。来年はAJC杯、オールカマーあたりで活躍できそうだ。

ガロアクリークは内ラチ沿いの3番手からメンバー4位タイの37.0秒で上がって0.4秒差の3着。川田騎手が内ラチ沿いをロスなく回ってきたが直線で伸び切れなかった。距離に不安があるため、流れが緩んだことはプラスに働いている。川田騎手は「本当に良くなるのは来年以降」とコメント。短距離馬が多いキンシャサノキセキ産駒だが、距離をこなして少しずつパフォーマンスしている。

ヴァルコスは9番手からメンバー最速タイの36.5秒で伸びて0.6秒差の5着。上がりの掛かるタフな馬場で最後までしぶとく伸びて最速上がりを繰り出したことを評価したい。母の父ダンスインザダーク、母ランズエッジはディープインパクトの半妹。まだ馬は若さが残るが、スタミナがある。次走は菊花賞。持ち前のスタミナでどこまで踏ん張れるか。京都&阪神の芝重賞で三浦騎手は[0−1−3−47]で連対率2%。



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