京成杯AH
2020/9/13 中山競馬場 芝1600m

レース展望

サマーマイルシリーズ最終戦。メイケイダイハード(11点)、1着条件でラセット(9点)、スマイルカナ(8点)、ミッキーブリランテ(8点)、トロワザトワル(6点)、エントシャイデン(5点)、アンドラステ(4点)に優勝のチャンスがある。ポイントは1着10点、2着5点、3着4点、4着3点、5着2点、6着以下1点。優勝は1勝以上を挙げ、かつ12点以上が条件になる。

過去10年で1番人気は[3−0−0−7]で3連対。単勝4倍以上は4倍以上は[0−0−0−4]で不振。2番人気は[3−1−2−4]で4連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が3連対。最近5年の馬連は623倍、22倍、40倍、11倍、32倍で中穴決着が多い。ハンデ戦で波乱傾向。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

連対馬20頭のうち9頭が前走連対。前走勝った馬が7勝。前走7着以下が7連対。前走重賞なら着順不問。最近5年の連対馬10頭のうち5頭が前走9着以下だった。前走惨敗した馬が巻き返している。トップハンデは[0−2−2−9]で連対した2頭は2、6番人気だった。1番人気はおらず、2番人気は[0−1−1−1]。57キロのトップハンデは[0−0−0−4]で3着以内がなく不振。

ルフトシュトロームはデビューから中山芝1600mを最速上がりで3連勝。ニュージーランドTは出遅れて後方から外を回ってメンバー最速の34.2秒で差し切り1分33秒0で優勝。前走NHKマイルCは出遅れて後方からメンバー2位の34.0秒で追い込んで0.5秒差の5着。内&前が有利な馬場&展開で出遅れて後方からでは厳しかった。堀厩舎のキンシャサノキセキ産駒。ひと夏越してどこまで馬体が成長してくるか。

スマイルカナは芝1600m[4−0−1−2]、中山では[2−0−0−0]でフェアリーSを勝っている。重馬場の桜花賞はハイペースで飛ばし、しぶとく粘って0.5秒差の3着。オークスは16着に終わったが、前走米子S(50キロ)は前半5F58.0秒で早め先頭から押し切って1分32秒7で優勝。2着ラセットは中京記念で2着に入った。得意の中山芝1600mで52キロ。トロワゼトワルとの兼ね合いがカギ。

前走関屋記念2着のトロワゼトワル、同3着アンドラステ、同4着ミッキーブリランテ、同6着エントシャイデン、昨年の桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤ、中京記念2着馬ラセット、前走パラダイスSを勝ったアルーシャなど。トロワゼトワルは昨年の京成杯AHを逃げて1分30秒3のレコードで3馬身半差で圧勝。ハンデは昨年より3キロ増の55キロ。7〜9月は[4−1−0−2]。横山典騎手が強気に飛ばして粘らせるか。

アンドラステは芝1600m[3−0−2−0]、稍重以上[3−0−1−0]で道悪をこなしている。前走関屋記念は中団の内から伸びて0.4秒差の3着。前走から1キロ減の53キロで岩田望騎手からルメール騎手に乗り替わる。ラセットは休み明けを除き、右回りの芝1600mでは[3−3−1−2]で上がりは全てメンバー1、2位。米子Sはスマイルカナに0.2秒差の2着。初の中山、かつ開幕週で秋山騎手がどう乗るか。


レース回顧

2020年 9月13日(日) 4回中山2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第65回京成杯オータムH
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5 10  トロワゼトワル     牝 5 横山典弘  55  1.33.9 35.3  4 464 (栗)安田隆行
2 8 16  スマイルカナ       牝 3 柴田大知  52  1.33.9 35.6  3 424 (美)高橋祥泰
3 1  2  ボンセルヴィーソ   牡 6 木幡巧也  55  1.33.9 35.2 13 484 (栗)池添学
4 4  7 $ジャンダルム       牡 5 藤井勘一  56  1.34.1 35.3 11 502 (栗)池江泰寿
5 4  8  シゲルピンクダイヤ 牝 4 和田竜二  54  1.34.2 35.2  5 474 (栗)渡辺薫彦
6 2  3  アルーシャ         牝 5 戸崎圭太  55  1.34.3 34.7  7 458 (美)藤沢和雄
7 2  4  ストーミーシー     牡 7 田辺裕信  57  1.34.4 34.9  9 558 (美)斎藤誠
8 6 12  エントシャイデン   牡 5 大野拓弥  56  1.34.5 35.2 12 478 (栗)矢作芳人
9 7 14  アストラエンブレム セ 7 横山武史  57  1.34.5 35.8 15 476 (美)小島茂之
10 3  5  アンドラステ       牝 4 ルメール  53  1.34.5 35.2  1 470 (栗)中内田充
11 7 13  ミッキーブリランテ 牡 4 坂井瑠星  54  1.34.6 35.6  8 478 (栗)矢作芳人
12 5  9  アフランシール     牝 4 津村明秀  52  1.34.8 35.4 10 492 (美)尾関知人
13 6 11  ラセット           牡 5 秋山真一  55  1.34.8 34.8  6 490 (栗)庄野靖志
14 3  6  スイープセレリタス 牝 4 丸山元気  52  1.35.0 35.9 14 510 (美)藤沢和雄
15 8 15  メイケイダイハード 牡 5 酒井学    55  1.35.1 35.8 16 540 (栗)中竹和也
16 1  1  ルフトシュトローム 牡 3 石橋脩    54  1.35.3 35.9  2 506 (美)堀宣行
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LAP :12.4-11.1-11.5-11.7-11.6-11.7-11.7-12.2
通過:35.0-46.7-58.3-70.0  上り:70.4-58.9-47.2-35.6  平均:1F:11.74 / 3F:35.21
単勝   10 \720 
複勝   10 \260 / 16 \250 / 2 \630 
枠連   5-8 \1560 (6) 
馬連   10-16 \2050 (6) 
ワイド 10-16 \840 (6)/ 02-10 \2500 (25)/ 02-16 \3190 (41) 
馬単   10-16 \4790 (15) 
3連複 02-10-16 \23350 (78/560) 
3連単 10-16-02 \85830 (254/3360) 

トロワゼトワルは4番手から2番手に押し上げ、メンバー8位の35.3秒で逃げたスマイルカナをハナ差交わしてレースを制した。勝ちタイムは1分33秒9。スマイルカナが逃げて前半3F35.0秒、5F58.3秒。昨年は前半3F33.3秒、5F55.4秒のハイペースだったが、今年は流れが速くならず、前に行った3頭で決着。トロワゼトワルは昨年逃げ切ったが、今年はスマイルカナを行かせて2番手につけ、直線でひと脚使って叩き合いを制した。横山典騎手の絶妙な騎乗で京成杯AH2連覇を達成。これで横山典騎手は京成杯AH最多の6勝目(2位は5勝の野平祐二氏)となった。安田隆厩舎はセントウルSを同じロードカナロア産駒のダノンスマッシュで勝ち、東西の重賞を制した。トロワゼトワルは7〜9月は[5−1−0−2]、重賞では[2−1−0−1]。夏場は堅実に走っている。

ロードカナロアを管理した安田隆厩舎は、ロードカナロア産駒で重賞に出走すると[11−5−3−28]で最多の11勝(2位は7勝で国枝厩舎、全てアーモンドアイ)。1番人気は[8−0−2−5]、4番人気以内は[11−3−3−15]、5番人気以下は[0−2−0−13]。4番人気以内なら馬券に絡めておきたい。ちなみにロードカナロアで高松宮記念3着(1人気)、函館スプリントS2着(1人気、単勝1.3倍)に終わった福永騎手は[0−0−0−3]に終わっている点に注意したい。重賞以外で3番人気以内なら[8−2−1−3]で乗れている。

スマイルカナは途中からハナを切ってマイペースで進み、メンバー11位タイの35.6秒でまとめてハナ差の2着。柴田大騎手が馬を信頼して途中から思い切って行かせたことが結果的にプラスに働いている。前走米子Sは同じように途中から一気にハナを切って押し切ったが、今回はトロワゼトワルの横山典騎手に上手く乗られた。横山典騎手はスマイルカナの米子Sのレースを見てハナを切ると途中から一気に来られるとみて2番手に控えたのだろう。スマイルカナはコース的にロスのある大外16番枠から前半外を通ったことを考えると強いレースをしている。上がりは35.6秒。この上がりで差し馬が突っ込めないのはメンバーレベルが低いのではないか。これで右回りの芝1600mでは[3−1−1−1]、中山では[2−1−0−0]。この条件では堅実に走っている。

ボンセルヴィーソは3番手からメンバー4位タイの35.2秒で伸びてハナ+ハナ差の3着。今年の京都金杯を14番人気で3着、ダービー卿CTを12番人気で2着に入った馬が13番人気で穴をあけた。前残りの展開が味方したが、ダービー卿CTに続き、木幡巧騎手が上手く乗っている。これで重賞では[0−3−5−1]で複勝率88.9%。朝日杯FSとNHKマイルCで3着があるように地力があるが、連続して好走することが少なく、決め手がないため好走しても人気にならないタイプ。馬券に絡めておいて損はない。

シゲルピンクダイヤは6番手からメンバー4位タイの35.2秒で上がって0.3秒差の5着。馬体が18キロ増えて全体的にしっかりし、パドックではイレ込まず落ち着いて周回していた。心身とも成長してきている。以前は出遅れて追い込むレースが多かったが、最近は中団あたりで流れに乗れるようになっている。昨年の桜花賞でメンバー最速の32.7秒で追い込んでグランアレグリアの2着に入った馬。渡辺薫調教師の仕上げ方次第で覚醒してもおかしくない。

アルーシャはダッシュがつかず後方を進み、メンバー最速の34.7秒で追い込んで0.4秒差の6着。最後に外から突っ込んできたが、前が残る展開で位置取りが後ろ過ぎた。心肺機能が高いため、もっと速い流れで上がりの掛かるレースが合っている。昨年以降の重賞で藤沢和厩舎は3歳[5−3−0−27]、4歳[5−3−1−18]だが、5歳以上は[0−0−4−23]で3着止まり。タワーオブロンドン、レイエンダなど5歳になると急に走らなくなる馬が多い。

アンドラステは内枠から6番手につけたが、ごちゃついて後方に下がり、直線でスペースがなく、ほとんど追えずに0.6秒差の10着。小回りコースで揉まれた経験が少ない点もあるのか、スムーズさを欠いてまともに走れなかった。広いコースで見直したいが、中内田厩舎の管理馬は古馬になると急に走らなくなるので注意したい。

ルフトシュトロームは1枠1番スタートから中団で揉まれて後退し、直線で全く伸びずに最下位の16着。馬体が24キロ増えて少し太い造りだったが、全くレースにならなかった。今年の重賞でサンデーレーシング(ルフトシュトローム)は[10−7−5−41]で10勝だが、トロワゼトワルの社台RHは[1−6−7−38]で1勝のみ。大人の事情もあるか。



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