日経賞
2020/3/28 中山競馬場 芝2500m

レース展望

天皇賞(春)のステップレース。過去10年で1番人気は[3−2−1−4]で5連対。単勝1倍台は[0−0−1−1]、2倍台は[3−2−0−0]、3倍以上は[0−0−0−3]。単勝1倍台と単勝3倍以上は不振。2番人気は[1−2−0−7]で3連対、3番人気は[2−0−2−6]で2連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は21倍、3倍、63倍、58倍、6倍で中穴決着が多い。

中山で行われた9年の連対馬18頭のうち8頭に中山芝2000m以上の重賞で3着以内があった。有馬記念、AJCC、日経賞で3着以内がある馬に注目。トリッキーな中山の長距離戦で適性の差が出やすい。6番人気以下で連対した6頭のうち2頭に芝2200〜2500mのG2で連対があり、4頭に中山芝2200〜2500mで3着以内があった。距離実績とコース実績が問われる。穴でこれらを満たす馬、特に4歳馬に注意。

ミッキースワローは前4走七夕賞1着、オールカマー2着、福島記念3着、AJC杯4着でひとつずつ着順を下げている。前走AJC杯は中団の外からメンバー3位タイの36.5秒で伸びて0.6秒差の4着。マイネルフロストが故障した煽りを受ける不利があった。稍重の馬場も影響したか。中山のG2では[1−2−0−1]。別定G2で56キロで出走できる。土曜は雨が降る予報が出ている。渋った馬場と距離がカギになる。

エタリオウは18年に青葉賞、神戸新聞杯、菊花賞で2着に入り、昨年の日経賞で2着に入ったが、その後は4、9、5、7、10着で不振が続いている。芝2400〜2500mは[0−5−0−4]でG2では[0−3−0−1]で複勝率80%。ステイゴールド産駒でこれくらいの距離が合うタイプ。休み明けでどこまで仕上がってくるか。先週の阪神大賞典をユーキャンスマイルで勝ったテン乗りの岩田康騎手が騎乗する。

昨年のオールカマー勝ち馬スティッフェリオ、前走日経新春杯を勝ったモズベッロ、前走AJC杯5着のサトノクロニクル、前走日経新春杯2着のレッドレオン、前走3勝クラスを勝ったサンアップルトンなど。スティッフェリオはオールカマーをスローペースで逃げ切った。距離延長、他馬より重い57キロがどう出るか。丸山騎手から田辺騎手に乗り替わる。モズベッロは日経新春杯を勝ったが、今回は4キロ重い56キロを背負う。重馬場のセントライト記念で17着に終わったが、本来は道悪は合うタイプ。


レース回顧

2020年 3月28日(土) 3回中山1日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第68回日経賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2500m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 14  ミッキースワロー   牡 6 横山典弘  56  2.32.9 35.7  1 478 (美)菊沢隆徳
2 6 10  モズベッロ         牡 4 池添謙一  56  2.33.1 35.6  2 472 (栗)森田直行
3 7 12  スティッフェリオ   牡 6 田辺裕信  57  2.33.1 36.1  9 448 (栗)音無秀孝
4 7 11  サンアップルトン   牡 4 柴田善臣  55  2.33.3 35.3  6 470 (美)中野栄治
5 8 13  アイスバブル       牡 5 津村明秀  56  2.33.5 35.7 11 452 (栗)池江泰寿
6 5  8  エタリオウ         牡 5 岩田康誠  56  2.33.5 36.6  3 466 (栗)友道康夫
7 3  4  レッドレオン       牡 5 藤岡佑介  56  2.34.3 37.1  4 452 (栗)角居勝彦
8 4  6  ウインイクシード   牡 6 横山武史  56  2.34.4 37.9  8 496 (美)鈴木伸尋
9 3  3  ポンデザール       牝 5 石橋脩    54  2.34.4 36.5 10 498 (美)堀宣行
10 1  1  サトノクロニクル   牡 6 大野拓弥  56  2.34.7 37.5  5 468 (栗)池江泰寿
11 2  2  マイネルカレッツァ 牡 8 丹内祐次  56  2.35.2 37.8 14 518 (美)加藤士津
12 4  5  ヤマカツライデン   牡 8 勝浦正樹  56  2.35.4 38.7 13 544 (栗)池添兼雄
13 5  7 *ソウルスターリング 牝 6 丸山元気  54  2.35.7 39.4  7 512 (美)藤沢和雄
14 6  9  ガンコ             牡 7 松田大作  56  2.37.2 40.4 12 510 (栗)武英智
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LAP : 6.9-11.2-11.7-12.9-12.6-13.2-12.7-12.0-11.3-11.8-12.4-11.7-12.5
通過:29.8-42.7-55.3-68.5  上り:71.7-59.7-48.4-36.6  平均:1F:12.23 / 3F:36.70
単勝   14 \340 
複勝   14 \150 / 10 \210 / 12 \530 
枠連   6-8 \1090 (3) 
馬連   10-14 \1270 (2) 
ワイド 10-14 \520 (3)/ 12-14 \1440 (24)/ 10-12 \2200 (30) 
馬単   14-10 \2410 (4) 
3連複 10-12-14 \7980 (33/364) 
3連単 14-10-12 \33160 (121/2184) 

ミッキースワローは後方から外を回って押し上げ、メンバー3位タイの35.7秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは3分32秒9。中盤に流れが緩んだがラスト6Fからペースアップし、上がりの掛かる差し馬向きの展開になった。内が荒れた馬場で外から差した馬が上位を独占した。ミッキースワローは後方から早めに押し上げて差し切り重賞3勝目。これで中山のG2では[2−2−0−1]となった。前走AJC杯は故障した煽りを受け外に振られて減速する不利があった。不利があって負けた馬は次走激走することが多いがその通りとなった。中山芝2200m以上、良馬場では[3−2−0−0]。この条件で注意したい。次走は天皇賞(春)に向かう予定。

モズベッロは後方から外を回ってメンバー2位の35.6秒で突っ込んで0.2秒差の2着。前走日経新春杯を勝った上がり馬が外を回っていい脚を長く使って2着を確保。前走は52キロの軽ハンデだったが、今回は別定戦で4キロ増の56キロを背負って地力強化を示した。パワーのある馬でタフな馬場が合うタイプ。上がりの掛かる馬場も合っていたのだろう。次走は天皇賞(春)に向かう予定。高速馬場になったときに対応できるかがカギになる。

スティッフェリオは中団の外から早めに上がってメンバー5位の36.1秒で上がって0.2秒差の3着。前3走は前に行って12、13、8着に惨敗したが、中団でタメてレースぶりが一変した。昨年のオールカマーを逃げ切った馬。日経賞は中山芝2200m以上のG2で連対がある馬の激走が多いが、その通り9番人気で穴をあけた。1、2着馬より1キロ重い57キロを背負っていた。差すレースで3着に入ったことは今後に繋がりそうだ。

サンアップルトンは最後方からメンバー最速の35.3秒で追い込んで0.4秒差の4着。前走3勝クラスを勝った馬がいい脚を長く使って掲示板を確保。これで5戦連続で最速上がり。ガツンと切れないが、タフな馬場で速い上がりを繰り出せるタイプ。ハンデ戦の目黒記念あたりで激走がありそうだ。

サトノクロニクルは中団から伸び切れず1.8秒差の10着。ひと叩きしてデキは上向いていたが、1枠1番から終始荒れた内を通ったことが堪えた。池江厩舎の管理馬は不振に陥ると脱せずに終わる馬が多いが、サトノクロニクルはまだ変わり身が見込める。次走人気が落ちるようなら注意したい。



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