■12/18 サクセスストーリー第一幕完結 ステイゴールド

香港ヴァーズ(国際G1、芝2400m)を勝ったのは、ステイゴールド。日本でG1を勝ったことのない馬がラストランとなった海外でついにG1制覇を成し遂げた。

大外枠からスタートしたステイゴールドは、中団のやや後ろで流れに乗り、 3コーナーからスパートして直線入り口で先団に取り付いた。そのとき既にデットーリ騎手のエーカーが直線で後続を一気に離した状態。2番手集団から抜け出してきたのはステイゴールドだけで直線で逃げるユーカーを追った。ラスト200m で前との差はまだ5馬身。誰もが駄目だと思った瞬間、ラチまでよれていたステイゴールドが再度加速していく。一歩一歩逃げるユーカーに迫ってきて交わしたところがゴールだった。

「最後は羽が生えていた」という武豊騎手のコメントが全てだろう。VTRを何度も見たが、最後の伸びは神がかり的だ。こんな脚を見たことはない。これを書いていても鳥肌が立つくらい凄まじいレース、一生忘れることはないだろう。ステイゴールドのベストレース、そして武豊騎手の名騎乗に拍手を贈りたい。

レースを見ていてひとつ感じたことがある。ステイゴールドはよれてラチまで行ったときに武豊騎手は馬と喧嘩せずにフワッ〜とした感じで手綱をくれてやった。そうしたらステイゴールドの闘志が再点火して、騎手に追われるからではなく、自分から前を捕えに行ったのだ。ステイゴールドのこの性格を武豊騎手は見抜いていたのだろう。これまでステイゴールドに騎乗した騎手がみな格闘していたが、もしかするとステイゴールドはそういう騎手をあざ笑っていたのかもしれない。

最後まで研ぎ澄まされた馬体で出走したステイゴールドの強靭な馬体には本当に恐れ入る。430キロの馬体で1回も怪我をせずにこれだけ走った馬はいないだろう。通算50戦目、G1-20回目の挑戦で遂にG1制覇を成し遂げた。獲得賞金も10億円を超え、名実ともに名馬となり、堂々と種牡馬入りする。

<レース結果>
1着 ステイゴールド
武豊 2:27.8 日本
2着 エーカー
デットーリ 頭 UAE
3着 インディジェナス
ホワイト 6-3/4 香港

<ステイゴールド>
父サンデーサイレンス
母ゴールデンサッシュ
母の父ディクタス
黒鹿毛
牡7歳
栗東・池江泰郎厩舎
白老ファーム生産
(有)社台レース
戦績50戦7勝
00年G2目黒記念
01年G2日経新春杯
01年G2ドバイシーマクラシック
01年G1香港ヴァーズ
総収得賞金 約10億4300万円

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