■5/23 奇跡の復活なるか ピースオブワールド

昨年の最優秀牝馬ピースオブワールドを取り上げておく。2月15日に右トウ側手根骨を骨折し、3ヵ月以上の休養が必要と診断されたが、その後奇跡的な回復力でオークスに駒を進めてきた。昨年、新馬を勝ったときから、走る馬独特のものを見せていた馬で予想は全て本命を打ってきた。阪神JFのパドックで見せた馬体、雰囲気は一頭だけ次元が違っており、久々にパドックで鳥肌の立つインパクト。この馬が2歳女王だとその時確信した。

レースでは馬群に包まれないよう終始外々を回り、道中で一旦は中団まで下げたが、いざ追い出すとそこからが並みの馬とは違う走り。内で必死に追って粘る馬を尻目に外から一頭だけ違う脚色でまっすぐに伸びて2着に1馬身半差をつけて快勝。バランスが良くブレのない走法は走る馬に共通するもの。翌週の朝日杯FSを見て、ピースオブワールドが牡馬を含めても2歳最強馬ではないかと思えて仕方なかった。

今回のオークスは6ヶ月ぶりの実戦でなおかつ骨折明け。エアグルーヴ、フサイチコンコルドが熱発明けでそれぞれオークス、ダービーを制したが、骨折明けでクラシックを勝ったという馬は見たことがない。さらに今回は800mの距離延長が待ち構える。2400mはどの馬も経験していないが、1600mまでしか経験していない馬と2000mを経験している馬では違いは大きいものだ。かなり苦しい立場なのは間違いない。

桜花賞でアドマイヤグルーヴが後方から追い込んで3着した姿を見てオークスはこの馬と思った人も多いことだろう。あの末脚は距離延長と東京コースでさらに威力が増すはずだ。桜花賞馬スティルインラブ、フラワーC馬マイネヌーヴェルも相当な能力を持っているが、アドマイヤグルーヴを負かすとすれば相馬眼的にピースオブワールドしかいない。パドックで阪神JFと同じような雰囲気を見せたとき、母子3代制覇にストップをかける可能性が出てくる。ピースオブワールドの脅威的な回復力でアドマイヤグルーヴとの夢の対決が実現する。名牝の対決をしっかりと目に焼き付けたい。

★ピースオブワールド
牝3歳 鹿毛
[西]坂口正大
馬主:飯田正
父:サンデーサイレンス
母:ビバムール
母父:Caerleon
全成績:4-0-0-0
誕生日:00/02/08

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