■6/1 G1を勝って更にパフォーマンスを引き上げたスズカフェニックス

以前から相馬眼的に評価できる馬として注目してきたスズカフェニックスを取上げたい。昨年秋まではメンバー最速の末脚を繰り出しても差して届かないレースが非常に多かったが、強いメンバーと戦って着実に地力を強化し、今年の東京新聞杯で初重賞制覇。陣営のオーダー通り武豊騎手が大外に持ち出すと上がり3Fメンバー最速タイの33.3秒で悠々と差し切った。レースの上がり5F57.9秒を大外から差し切ったのだから凄い。インパクトのある勝ち方だった。続く阪急杯は後方からメンバー最速の33.9秒で上がってハナ差の3着。あと一歩で差し切っていたが、高松宮記念に目処を立てた。

高松宮記念は中団からメンバー2位の34.6秒で上がって2馬身半差で圧勝。流れが緩んだこと、馬場が渋ったことなどが向いたのは確かだが、直線の伸びは一頭だけ次元が違っていた。G1で2馬身半差は能力の違いを示している。これから安田記念に向かうが、1週前調教と最終調教を見て驚いた。高松宮記念当時よりさらに重視が下がり、それでいて前脚がさらに前に伸び、かつ豪快さがある。高松宮記念当日よりさらにパフォーマンスを引き上げている。昨年のダービーのアドマイヤメインの仕上げにも驚かされたが、大目標に向けて渾身の仕上げで臨んでくる橋田調教師の腕は凄い。

東京新聞杯で末脚の威力、高松宮記念でスピード性能を証明し、安田記念の前の調教で更なるパフォーマンスアップを感じさせたスズカフェニックス。競馬なので安田記念を絶対に勝つとは言い切れないが、まずいい競馬ができそうだ。その後はサイレンススズカが散った天皇賞(秋)を目指すのだろう。1200m、1600m、2000mのG1を制した馬はいない。天皇賞(秋)の前の調教を見るのが今から楽しみ。フェニックスとは「不死鳥」という意味。サイレンススズカとは全く脚質は違うが、馬主と調教師の執念が馬に伝わっているのだろう。渾身の仕上げで最高の勝利。スズカコールが湧き上がれば最高である。

★スズカフェニックス
牡5歳 栗毛
[栗]橋田満厩舎
馬主:永井啓弍
生産:稲原牧場
父:サンデーサイレンス
母:ローズオブスズカ
母父:Fairy King
全成績:7-2-5-3
誕生日:02/03/29

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