■2/7 成長すればクラシックに手が届く タニノギムレット

シンザン記念の勝ち馬タニノギムレットもクラシックの有力馬の一頭。いや春までに成長すればこの馬が主役かもしれない。それくらいの素材を持った馬と見ている。

デビューは8月の札幌でダ1000mに出走し2着。2戦目は阪神芝1600mの未勝利戦でこのときの勝ちっぷりが圧巻。四位騎手が騎乗し直線ほとんど追うことなしに見る見るうちに後続を引き離し、結局1.2秒差をつける大楽勝。あまりのインパクトのある勝ちっぷりに鳥肌が立ったのを覚えている。

それから年が明けてシンザン記念。チアズシュタルクも相当な能力なのは分かっていたがタニノギムレットに本命をつけた。結果はタニノギムレットがチアズシュタルクを抑えて勝利した。武豊騎手が内々で上手く溜めて抜群のタイミングで追い出したこともあったが、馬込みで怯まず、直線で切れ味を見せたように3戦目の馬には簡単にできない芸当で能力の高さを証明した。

この馬のいいところは、首から腰にかけてのラインの素晴らしさとトモの作りだろう。まだ馬体はかなり余裕残しだが、それでこれだけ走れるのだから末恐ろしい馬だ。顔つきも名馬に共通するそれで既に大物感を漂わせている。

坂路調教では、前駆そして後駆の脚捌きが力強く、ウッドを撒き散らす派手なアクションでこれだけ見ても相当な能力を感じさせる。ただし、こんなに走れて実はまだ馬体が若いし身が入っていないのだから恐れ入る。

シンザン記念で最後詰め寄られたのは、このあたりに原因がある。これから成長すればどれくらいの馬になるのか楽しみだ。現時点では、馬体の線が太く、パワー型に見えるが、もっと成長して鍛え上げれば、ベールが取り除かれ好馬体になるはずだ。その時期がいつなのかはまだ分からないが、どこでどのように変化していくのか、調教を含めてしっかりと見ていきたい。

こういう馬を見ていると自然に相馬眼は身につくもの。パドックで全頭見て記憶するのは大変だが、1頭だけ見るなら気持ちも楽だろう。そういった意味では、タニノギムレットはいい教材になりそうだ。タニノギムレットがどのように成長していくのか、ぜひ見てもらいたい。また松田国英調教師がどういう調教で仕上げていくのかも興味があるところだ。

相馬眼は各人で違うもので構わない。そうでなければ、競馬は面白くない。自分だけの相馬眼をぜひ身に付けてもらいたい。それで馬券が的中したときのうれしさは格別なものになるだろう。

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