菊花賞
レース回顧

ワールドプレミアは内枠スタートから内ラチ沿いの6番手につけ、直線で内からメンバー3位タイの35.8秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは3分6秒0。カウディーリョが逃げて前半5F62.4秒。中盤5Fは62.9秒、後半5Fは60.7秒。11秒台のラップはラスト2F目だけ。馬場は良に回復したが、時計、上がりの掛かる馬場でのレースになった。ワールドプレミアは内ラチ沿いをロスなく回り、直線でポッカリ空いた内から抜け出して優勝。皐月賞馬、ダービー馬がいないメンバーで重賞未勝利馬がG1初制覇を飾った。武豊騎手が内に拘ってロスなく回ってきたことが功を奏した。武豊騎手は昭和、平成、令和の菊花賞制覇となった。道中の流れ、勝ちタイム、上がりタイムを考慮すると例年よりレースレベルは低く、過去10年で最低レベル。ディープインパクト産駒でワールドエースの全弟。軽い馬場の方が合いそうなタイプだが、タフな馬場の芝3000mをこなせたのはスローペースでロスなく回り、レースレベルが低かったからか。武豊騎手の菊花賞制覇は05年のディープインパクト以来14年ぶりとなった。次走は有馬記念になりそうだ。

サトノルークスは中団の外からメンバー最速タイの35.7秒で伸びてクビ差の2着。4コーナーでノメって少し下がったが、そこからいい脚を長く使って2着まで追い上げた。勝ったワールドプレミアは内をロスなく回っていたことを考えるとサトノルークスは強いレースをしている。タッチングスピーチの全弟。少しずつ素質が開花してきている。まだ馬体には若さが残っており本格化はしていない。次走は未定だが、池江厩舎だけに有馬記念に向かうことになりそうだ。

ヴェロックスは4番手からメンバー5位タイの36.2秒で伸びて0.2秒差の3着。勝負どころで外からタガノディアマンテに早めに来られて動かざるをえなかったことが堪えた。タフな馬場で距離3000mも長かったか。ジャスタウェイ産駒の重賞初勝利はならなかった。川田騎手は昨年のスプリンターズSを勝った以降、G1では[0−5−5−9]で未勝利。宝塚記念から4戦連続で1番人気に騎乗し2、3、8、3着に終わっている。ヴェロックスは直線に坂があるコースが合うタイプ。来年の宝塚記念で注意したい。

メロディーレーンは後方3番手からメンバー最速タイの35.7秒で外から追い込んで0.4秒差の5着。外を回っていい脚を長く使い、最後までしぶとく伸びてきた。340キロの超小柄な牝馬だが、かなりのスタミナがある。スタート後は中団にいたが、すぐに下げて後方からのレース。そのまま中団で流れに乗っていれば、勝ち負けできたかもしれない。今後はひと息入れて自己条件か。ハンデ戦のダイヤモンドSに出走したら注意したい。

前走2勝クラスを勝った馬は4、8、10、11、18着に終わった。4歳降級制度がなくなり、例年よりも条件戦のレベルが下がっている点に注意したい。秋華賞、菊花賞とも2勝クラス組は通用しなかった。

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