スプリンターズS
レース回顧

タワーオブロンドンは中団の馬込みを進み、直線で外からメンバー3位の33.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分7秒1。モズスーパーフレアが逃げて前半3F32.8秒のハイペースになったが、高速馬場で後方から追い込んだ馬は出番がなかった。タワーオブロンドンはスタートを決めて中団で流れに乗り、4コーナーでスムーズに外に出し、直線で自分のスペースを確保し、持ち前の末脚の威力できっちり差し切った。さすがにルメール騎手といった印象で無駄がない。前走セントウルSを1分6秒7のレコードで圧勝したのはダテではなく、これでようやくG1初制覇となった。ローテーションは厳しかったが、前走レコードでも最後に余力を残したことが今回に繋がったのだろう。これで芝1200mでは[2−1−1−0]。芝1400mでもやれるがG1がないため、今後もスプリント戦を使っていくことになりそうだ。今後はひと息入れて来年に備える予定。

モズスーパーフレアはハナを切って前半3F32.8秒のハイペースで進み、直線で後続を引き離したが、最後にタワーオブロンドンに差されて半馬身差の2着。自分のレースをして力を出し切っただけにタワーオブロンドンが強かったということなのだろう。これで前半3F32秒台で逃げたときは[4−1−0−1]。中山芝1200mは[3−2−0−0]で4戦で1分7秒0〜1分7秒2で走っている。中山芝1200mが最も合うタイプ。今後はスプリント路線を使って地力強化を図りながら、来年のスプリンターズSを狙うことになりそうだ。

ダノンスマッシュは1枠スタートから内の7番手につけ、メンバー4位の33.7秒で伸びて0.1秒差の3着。直線でタワーオブロンドンが外にいたため、行き過ごしてから追い出すロスがあった。最後は鋭く伸びてきただけに直線でスムーズなら2着があったかもしれない。ハイペースで内がごちゃつくことは想定されたが、やはりというか結果的に1枠がアダになった。前走は休み明けで少し緩い仕上げだったが、今回は馬体が8キロ絞れて本番の仕上げを施していた。これで直線に坂があるコースでは[1−0−1−5]、平坦コースでは[4−2−0−0]。今回の走りを見ると中山もこなせるが、全面野芝の軽い馬場で坂の影響が少なかったこともあるか。芝1200mで7戦して上がり1、2位はなく3位が1回のみ。坂のあるコース、上がりの速さに課題がある。

ミスターメロディは外枠スタートから好位につけ、勝負どころで早めに上がってモズスーパーフレアを追ったが、最後まで追いつけず0.3秒差の4着。先行して持ち味のしぶとさを見せたが、直線で逆手前のまま走っていた。やはり右回りより左回りが合うタイプなのだろう。直線で手前を替えてから追い出す手もあったが、福永騎手は早めに仕掛けて前を交わすことを優先した騎乗をしている。前走セントウルSは惨敗したが、さすがに藤原英厩舎。ひと叩きしてG1で変わり身を見せた。

ダイメイプリンセスは中団からメンバー7位タイの34.0秒で伸びて0.4秒差の6着。秋山騎手がいつもより前につけて勝ちに行ったが、最後に伸び切れなかった。前がやり合って逃げた馬が潰れるような展開にならないと厳しかったか。昨年のスプリンターズSは0.2秒差の4着、今年は0.4秒差の6着。着順は落ちたが、今年の方が仕上がりは良くレースレベルも高い。6歳牝馬でもパフォーマンスは落ちていない。

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