セントウルS
レース回顧

タワーオブロンドンは少し出遅れたがすぐに挽回して中団の馬込みを進み、4コーナーから直線で外に出すとメンバー最速の33.2秒で抜け出して3馬身差で圧勝した。ルメール騎手は直線で手綱を動かしただけで鞭を入れていなかった。勝ちタイム1分6秒7はレコード。マテラスカイが逃げて前半3F33.0秒。開幕週の高速馬場でこの流れでも3、4番手につけた馬が2、3着に粘っている。タワーオブロンドンは勝負どころでの手応えが良く、直線であっさり抜け出してレコードで圧勝。函館スプリングS3着、キーンランドC2着と勝ち切れないレースが続いていたが、スプリント戦3戦目で一気にパフォーマンスを引き上げた。前2走はスプリント戦に慣れさせるため無理していなかったのではないか。今回は勝てばサマースプリントシリーズ優勝が決まるだけに届く位置で進めて勝ちにきたのだろう。これで阪神芝は[3−0−1−0]。パワーあがるため、坂のあるコースが合っている。次走はスプリンターズS。札幌から輸送して中1週でセントウルSをレコード勝ちした反動がないことが条件になる。

ファンタジストは3番手からメンバー3位タイの34.0秒でしぶとく伸びて0.5秒差の2着。勝ったタワーオブロンドンには離されたが、激しい2着争いを制した。これで芝1200mは[3−1−0−1]。前走北九州記念は武豊騎手が出遅れて最後方から全く見せ場がなく14着に終わったが、今回はテン乗りの和田騎手に乗り替わり、スタートを決めて持ち味のしぶとさを発揮した。最近は武豊騎手から乗り替わった馬が結果を出すケースが目立つので注意したい。3歳馬で54キロが有利だったこともあるが、この走りなら今後はスプリント戦を使っていくことになりそうだ。次走はスプリンターズS。内枠を引いてしぶとさを生かす手か。

イベリスは4番手からメンバー3位タイの34.0秒でしぶとく伸びて0.6秒差の3着。直線で外からミスターメロディに被せられて苦しいレースになったが、ミスターメロディを跳ねのけてしぶとく伸びてきた。春より馬体が14キロ増えて全体的にパワーアップしていた。これで芝1200mは[2−0−1−0]。ベルカントの半妹でロードカナロア産駒。やはり芝1200mが合うのだろう。高速決着に対応できたことは今後に繋がりそうだ。

ペイシャフェリシタは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー3位タイの34.0秒で伸びて0.6秒差の4着。直線で前が壁になって追い出しを待たされるロスがあった。最後は伸びてきただけにスムーズなら2着があったかもしれない。内枠からロスなく回ってひと脚使って抜け出すのが最近の好走パターン。激走の条件は揃っていたが、スムーズなレースができなかった。

ダイメイプリンセスは中団からメンバー3位タイの34.0秒で伸びて0.9秒差の6着。勝ったタワーオブロンドンの近くにいたが、勝負どころで反応が悪く、そこで離されたことが堪えた。昨年の北九州記念で1分6秒8で走って2着があるように高速決着に対応できるタイプ。テン乗りの川田騎手が影響したのか。大人の事情がありそうなレースぶりだった。

ミスターメロディは外枠から先行したが、直線で伸び切れず1.0秒の8着。春の高松宮記念を勝った馬が不甲斐ない内容だった。ただし藤原英厩舎はG1前にはお茶を濁して負けるのがパターン。休み明け、58キロ、外枠と厳しい条件が揃っていただけに無理しなかった面もあるのだろう。スピードの絶対値が高い馬。次走スプリンターズSでビシッと仕上げてきたら要注意。

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