マーメイドS
レース回顧

サラスは最後方で脚をタメ、大外からメンバー最速の34.6秒で差し切ってハナ差で制した。勝ちタイムは2分00秒3。アドラータが逃げて前半5F59.8秒。レースの後半5Fは60.5秒、上がりは36.0秒でラップは11.8−11.4−12.8秒。社台のアドラータが逃げ、好位から社台のダンサール、フローレスマジックが早めに動いたことで消耗戦になり、道中10番手以下から追い込んだ馬が1〜5着を独占した。時計、上がりの掛かるタフな馬場で51キロの軽量馬がワンツーを決めた。勝ったサラスは最後方から2位を0.4秒上回る強烈な末脚で差し切り重賞初制覇。520キロを超える大型馬でタフな馬場の消耗戦が合うタイプで今回は条件が揃ったとみて穴馬で狙ったが正解だった。社台の馬が前に行って前崩れの展開を作ったのはなぜか。サラスはオルフェーヴル産駒。先週まで今年の重賞でオルフェーブル産駒は[0−2−0−14]。オルフェーヴル産駒は2歳重賞3勝、3歳重賞2勝だが、3歳秋以降に重賞を勝った馬がおらず早熟傾向があった。セレクトセールの前にオルフェーヴル産駒の古馬で重賞を勝っておきたい思惑もあったか。今後はひと息入れて秋はエリザベス女王杯が目標になりそうだ。

レッドランディーニは11番手から外を回ってメンバー2位の35.0秒で抜け出したが、最後にサラスに交わされてハナ差の惜しい2着。前走1000万の御室特別を勝った馬が格上挑戦、51キロ、10番人気で激走した。5月にレッドランディーニから規制薬物が検出され、石坂調教師は過怠金30万円を課せらたが、その馬が重賞で2着に激走した。10番人気での激走は陣営の意地もあるか。小柄な馬だけに51キロ、消耗戦で外枠もプラスに働いた印象。ディープインパクト産駒で直線の長いコースが合いそうなタイプだが、2戦連続で直線の短い芝2000mで連対した。全3勝は直線が平坦なコース。直線が平坦な芝2000m、小倉記念、新潟記念あたりを使うとまた激走がるかもしれない。

スカーレットカラーは10番手を進み、直線で内に切れ込んでメンバー3位タイの35.2秒で上がって0.1秒差の3着。直線で前が壁になって追い出しを待たされ、直線で内を突いて鋭く伸びたが、最後は外から伸びた2頭に切れ負け。1、2着馬より2キロ重い53キロを背負い、直線で追い出しを待たされたことが影響しており力負けではない。ただし最後に伸び切れなったところを見ると微妙に距離が長いのかもしれない。438キロでデビューした馬が前4走馬体が増えて470キロ。元々骨格のしっかりとした馬で素質は高かったが、馬体が充実して本格化してきている。

センテリュオは後方3番手からメンバー3位タイの35.2秒で追い込んで0.4秒差の4着。前走1600万を勝ったスカーレットカラーは53キロ、センテリュオは54キロ。位置取りも後ろ過ぎたが、ハンデが少し見込まれたこともあるのだろう。少しズブいため、もう少し長い距離が合っている。陣営がルメール、川田騎手を乗せてきたときは[1−3−0−0]。これまで連勝がない点も考慮したい。

モーヴサファイアは6番手から直線で抜け出したが、内外から差されて0.5秒差の6着。前につけた馬の中では最先着。力はあるが、完全前崩れ前残りの展開では厳しかった。昨年ノドの手術をしてから[3−3−0−1]。今回は消耗戦で連対できなかったが、馬は力をつけている。タフな馬場で前が残る展開になりそうなときは注意したい。

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