天皇賞(春)
レース展望

過去10年で1番人気は[1−1−0−8]で2連対のみ。単勝1倍台のオルフェーヴルは11着、ゴールドシップは5着、キズナは7着に終わった。2番人気は[5−0−2−3]で5連対、3番人気は[0−4−1−5]で4連対。6〜9番人気が2連対、10番人気以下が3連対。最近5年の馬連は20倍、60倍、201倍、10倍、10倍。G1実績馬が揃うが時々大波乱がある。人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

年齢別では4歳[3−1−5−36]、5歳[4−4−1−39]、6歳[3−3−2−27]、7歳以上[0−2−2−45]で4、5歳馬が活躍。4歳馬の1番人気は[0−0−0−5]で不振。6歳馬は3番人気以内なら[2−3−0−0]で堅実。前走4着以下から連対した4頭のうち3頭は前年の天皇賞(春)で3着以内に入っていた。残る1頭は菊花賞で3着があった。穴で天皇賞(春)、菊花賞で実績のある馬に注意。

フィエールマンは[3−2−0−0]で前4走は上がり最速。菊花賞は7番手からメンバー最速タイの33.9秒で馬群を割って伸び、先に抜け出したエタリオウとの叩き合いをハナ差で制した。キャリア4戦目の菊花賞制覇は史上最速。2着エタリオウは日経賞2着、3着ユーキャンスマイルはダイヤモンドS1着、4着ブラストワンピースは有馬記念1着、5着グローリーヴェイズは日経新春杯1着とその後の重賞で結果を出している。

前走AJC杯は中団からメンバー最速の34.0秒で伸びてシャケトラに頭差の2着。直線で少しスムーズさを欠いたぶん届かなかった。休み明けで少し腹目が細く映ったように万全の仕上がりではなかった。ノーザンファーム天栄で乗り込んでどこまで仕上がってくるか。中距離がベストの可能性。菊花賞のように上がり勝負になるかがカギ。手塚厩舎は今年2勝のみ。ルメール騎手はドバイターフ、桜花賞、皐月賞とG1を3連勝中。

エタリオウは芝2400m以上[0−6−0−1]で青葉賞、神戸新聞杯、菊花賞、日経賞2着。菊花賞は後方から大外を回って徐々に進出し、メンバー最速タイの33.9秒で早めに抜け出したが、最後にフィエールマンに交わされてハナ差の2着。結果的にMデムーロ騎手が少し強気に乗り過ぎたが、最速上がりを繰り出し力は出している。春は細身で華奢に映った馬体が青葉賞よりも22キロ増えて全体的にパワーアップしていた。

前走日経賞は中団から早めに上がって2番手に押し上げ、メンバー5位の35.6秒で上がって0.2秒差の2着。スローを見越して外から早めに動いたが、逃げたメイショウテッコンを捕まえられなかった。叩き2戦目は全て京都で[1−2−0−0]。前走日経賞で中団で進めたことが天皇賞(春)に繋がる可能性があるが、馬場&流れ次第で裏目に出る可能性もある。今年の重賞でMデムーロ騎手は[1−3−0−19]で勝率4.3%。

菊花賞馬3着馬で前走ダイヤモンドSを勝ったユーキャンスマイル、菊花賞2着、天皇賞(春)3着があるクリンチャー、日経賞勝ち馬メイショウテッコン、日経新春杯勝ち馬グローリーヴェイズ、前走阪神大賞典2着のカフジプリンス、同3着のロードヴァンドール、昨年の天皇賞(春)5着のチェスナットコート、万葉S勝ち馬ヴォージュ、昨年のステイヤーズS勝ち馬リッジマン、前走阪神大賞典7着のケントオーが出走する。

過去10年は17、18頭で多頭数だったが、今年は13頭の少頭数。過去10年で1枠は[5−1−1−13]で5勝。7枠は[0−2−1−24]、8枠は[0−2−1−27]で未勝利。社台のフィエールマンは7枠10番に入ったが、例年の頭数なら5枠。今年は例年ほど外枠は不利ではないが展開にもよる。JRAが社台のフィエールマンを7枠10番に入れてきたのはなぜか。内の芝丈が長いなど馬場設定に注意したい。

15年の天皇賞(春)はゴールドシップが勝ったが、前日夜に散水して良発表でもゴールドシップ向きの渋った馬場だった。JRAはゴールドシップの参戦を促した経緯がある。出走には馬場の条件がついていたのではないか。先週の比良山特別(京都芝2200m)は2分9秒7のレコード決着。マイラーズCのレースの上がりは32.3秒。例年よりも時計、上がりが速い超高速馬場。社台のフィエールマン向きの馬場設定か。

ヴォージュ(和田騎手)、ロードヴァンドール(横山典騎手)、メイショウテッコン(福永騎手)など前に行く馬が揃ったが、ガンガン飛ばして行きそうな馬はいない。大外枠に入った横山典騎手(イングランディーレで逃げ切り)が何かを仕掛けてくるかもしれないが、横山典騎手は社台の味方になり、その見返りを受けることも多い。フィエールマン向きの緩い流れで騎手たちも不利を与えないようなレースになるのだろうか。

平成に最もG1を勝った種牡馬はサンデーサイレンズ、2位はディープインパクト、馬主はサンデーレーシング、生産はノーザンファーム。ディープインパクト産駒は8大競走(牡馬3冠、牝馬2冠、天皇賞(春)(秋)、有馬記念)のうち天皇賞(春)だけが未勝利。ルメール騎手も天皇賞(春)だけが未勝利。フィエールマンが勝てば、ディープインパクト産駒、ルメール騎手の8大競走制覇になる。デキ過ぎた話のような気もするが・・・。

競馬は陣営の思惑通りにはいかないときがある。フィエールマンの距離適性が社台が考えているよりも短かったり、非社台の馬が消耗戦に持ち込んだり、馬場が高速化し過ぎたことで極端に上がりが速くなったり、出遅れたり、スローペースで掛かったり・・・。平成最後の天皇賞(春)。勝ちたい陣営は多く、レースが消耗戦に傾く可能性もある。ロードヴァンドールは阪神大賞典で上がりの掛かる消耗戦に持ち込んで3着に粘っている。

不良馬場の菊花賞で大外から捲って2着に入ったクリンチャーも藤岡佑騎手が早めに動きそう。ちなみにクリンチャーに騎乗する三浦騎手は平成元年生まれ。社台に忖度して流れが緩んで上がり勝負になるのか、それとも飛ばす馬がいたり、早めに捲る馬がいて消耗戦になるのか。このあたりの読みが予想のポイントになる。京都は日曜と月曜の開催。土曜にレースがないため、先週の傾向を元に各陣営は作戦を立てることになりそうだ。

過去10年でハーツクライ産駒は[0−5−3−13]で5連対。14年ウインバリアシオン、15年フェイムゲーム、16年カレンミロティック、17年シュヴァルグラン、18年シュヴァルグランと現在5年連続で2着。今年はチェスナットコート、カフジプリンスが出走する。昨年からG1は外厩のノーザンファーム天栄、ノーザンファームしがらきで乗り込んだ馬が大活躍。天皇賞(春)を目標に外厩で乗り込んだ馬に注意。

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