フェブラリーS
レース回顧

インティはスタートを決めてハナを切り、メンバー3位の35.4秒で後続を引き離し、最後はゴールドドリームの追撃をクビ差完封してレースを制した。勝ちタイムは1分35秒6。前半3F35.8秒、5F60.2秒の緩い流れで単騎逃げでマイペース。1番人気がマイペースで進めても誰にも競られなかった。武豊騎手に競りかける騎手はいないということか。インティは流れが緩めば速い上がりを繰り出せるタイプ。この流れだと後続はお手上げ。東京ダ1600mは4コーナーから直線で後続に早めに来られることが多いが、前半3Fを35.8秒に落として勝負どころで自分から動いて後続を引き離すことができた。武豊騎手の思惑通りのレースで7連勝、G1初制覇となった。前走は馬体に緩さが感じられたが、さすがにG1だけに前走より仕上げていた。少しずつ能力に馬体が追いついてきている。次走は未定だが、秋にはブリーダーズカップが視野に入る。まずは国内でルヴァンスレーヴとの対決が楽しみだ。

ゴールドドリームは6番手からメンバー最速の34.8秒で伸びてクビ差の2着。最後に猛然と伸びて迫ったが、早めに抜け出してセーフティーリードを奪ったインティを交わせなかった。ルメール騎手が流れを考慮して好位につけ、インティの上がりを0.6秒上回ったが、それでも届かなかった。3着には4馬身差をつけている。17年のチャンピオンズCからG1で[3−4−0−0]で連対を確保しているが、南部杯、東京大賞典、フェブラリーSと3戦連続で2着が続いている。メンバー最速の34.8秒で上がったように衰えはない。今後は昨年と同様にかしわ記念から帝王賞か。ルヴァンスレーヴ、インティとのガチンコ勝負が楽しみだ。

ユラノトは2枠2番から内ラチ沿いの6番手につけ、メンバー4位の35.5秒でしぶとく伸びて0.7秒差の3着。前の2頭には4馬身離されたが、いつものように内から抜け出して持ち味のしぶとさを発揮した。切れより地力タイプだけにもっと流れが速くなった方が力を発揮できるタイプ。前の2頭に離されたのは、そのあたりもあるのだろう。良馬場のダートでは[5−2−2−3]、未勝利勝ち以降は[5−2−1−1]。心肺機能の高い馬で時計の掛かる良馬場が合うタイプ。今後も良馬場なら相手なりに堅実に走りそうだ。

コパノキッキングは最後方からメンバー2位の35.2秒で大外から追い込んで1.0秒差の5着。スタートは出て中団につけたが、そこから抑えて最後方からのレースになった。勝ったインティの上がりを0.2秒上回る上がりを繰り出したが、中盤に12.2−12.2秒と流れが緩んで前に行った馬が有利な展開ではさすがに位置取りが後ろ過ぎた。藤田菜七子騎手はG1初騎乗でよく乗ったともいえるが、まだG1で騎乗できるほどの技術レベルに達していないという見方もある。レースぶりを見る限り、距離は問題なかった。次走は藤田菜七子騎手で東京スプリントに向かう予定。また最後方から追い込んで届かずもありえる。軽視する手も一考だが、メンバー次第であっさりもある。外国産馬だけに急に走らなくなることがありえる点を考慮しておきたい。

オメガパフュームは中団から伸び切れず1.7秒差の10着。心肺機能が高く、追ってバテないタイプだが、直線で全く伸びなかった。昨年秋からシリウスS1着、JBCクラシック2着、チャンピオンズC5着、東京大賞典1着と使い込まれた影響もあるか。東京大賞典は55キロだったが、今回は57キロでゴールドドリームと同斤だった。これで左回りは3戦して3、5、10着。左回りでは逆手前で走るため、加速するのに時間が掛かるウィークポイントがある。距離面を考えても3番人気(Mデムーロ騎手)というのは過剰人気だった。

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