京都大賞典
レース回顧

サトノダイヤモンは中団につけて勝負どころで外から早めに動いてメンバー最速の34.1秒で差し切りレースを制した。勝ちタイム2分25秒4は平凡。ウインテンダネスが逃げて前半5F61.2秒のスローペース。ラスト4F目に12.6秒と流れが緩んで上がり勝負になった。サトノダイヤモンドは外から早めに動いて抜け出して勝ったが、最後は上がり馬レッドジェノヴァに迫られた。そのあたりから完全復活とは言い切れない。春は馬体、調教がひと息だったが、リフレッシュしてパドックではいい時の雰囲気に戻っていた。不振が続いたのは海外遠征の疲れが影響していたようだ。勝ったことで馬にはいいきっかけになったはず。ただし勝ちタイム、上がりは速くなく、レースレベルは高くない。今後はジャパンCから有馬記念になりそうだ。

レッドジェノヴァは4番手から勝負どころで後方に下がり、直線で馬群を割ってメンバー2位の34.3秒で伸びて0,1秒差の2着。札幌の1000万、1600万条件を連勝した馬が重賞初挑戦、それもG2で2着に入った。レースレベルがそれほど高くならなかったことが良かったのだろう。ガチンコ勝負になるWSJSで重い斤量を背負って勝った馬は出世することが多い。これまで京都のG2で実績のない牝馬は不振だったが、データを覆して連対した。シンボリクリスエス産駒で近親にマンハッタンカフェがいる。長い距離で頭角を現してきた。次走はエリザベス女王杯。小島茂厩舎は09年にクイーンスプマンテで勝っている。

アルバートは後方からメンバー3位の34.4秒で追い込んで0.4秒差の3着。直線で大外から伸びてきたが、ゴール前は回りと同じ脚色になった。3連覇したステイヤーズSを除き、G2以上では不振が続いていたが、モレイラ騎手が3着に持ってきた。7歳馬でも大きな衰えなはない。この後はステイヤーズS4連覇を目指すことになりそうだ。

シュヴァルグランは5番手から徐々に進出し4コーナーで2番手につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の4着。上がりはメンバー5位の34.9秒。走破タイムは2分26秒0。昨年のジャパンCを勝った馬がG2でこの走り。お茶を濁すのにも程があるという負け方だった。春には休み明けで出走した大阪杯で13着に終わっている。これが競馬。G1を狙える馬は本番前にお茶を濁すことが多いので注意したい。

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