キーンランドC
レース回顧

ナックビーナスは前半3F33.7秒で逃げて直線で後続を引き離し、上がりをメンバー6位タイの35.7秒でまとめてレースを制した。勝ちタイムは1分9秒4(稍重)。内ラチ沿いをロスなく回った3頭で決着。土曜は外差しが決まっていたが、日曜は馬場が回復するにつれ内が有利になった。ナックビーナスは前半飛ばし中盤でラップを落として脚をタメ、直線で早めにセーフティーリードを奪って逃げ切り勝ち。モレイラ騎手の考えられた乗り方で人馬とも重賞初制覇を飾った。今年はシルクロードSで5着に終わったが、その後は2、3、3、1着で馬券圏内を確保している。オーシャンSで外枠を克服して地力強化を証明したが、さらに力をつけている。この勝利でスプリンターズSの優先出走権を獲得。中山芝1200mは[2−4−0−0]の得意コース。スプリンターズSでも目が離せなくなった。

ダノンスマッシュはスタートを決めて3番手からメンバー9位タイの35.9秒でまとめて0.4秒差の2着。前走函館日刊スポーツ杯と同様に先行して粘ったが、ナックビーナスに2馬身半差をつけられた。それでも3歳馬が芝1200m2戦目でこれだけ走れれば上々。安田隆厩舎のロードカナロア産駒。やはりスプリント戦が合うのだろう。良馬場の方が良さそうだが、高速決着に対応できるかは未知数。そのあたりを克服しながらこれから力をつけていくのだろう。

ペイシャフェリシタは内ラチ沿いの4番手からメンバー9位タイの35.9秒で伸びて0.5秒差の3着。前2走は2、3番人気で15、11着に終わったが、今回は9番人気で3着に激走した。浜松Sでダイメイプリンセスに2馬身半差をつけて勝ち、カーバンクルSでナックビーナスに0.1秒差の2着がある馬。CBC賞、アイビスSDは速い流れ、外枠で脚をタメられなかったが、今回は内枠、時計の掛かる馬場で脚をタメられた。道悪を苦にしないタイプ。馬場が渋ったのも良かったのだろう。

キャンベルジュニアは外枠スタートから7番手につけ、勝負どころで外から早めに動いてメンバー6位タイの35.7秒で上がり0.7秒差の4着。1〜3着は内ラチ沿いをロスなく回った馬。自分で前を潰しに行くしかなかったが、緩急のあるラップでそれができなかった。スピード&地力を兼ね備えた馬で芝1200mでもやれるが、それほど決め手がないのがネック。

トゥラヴェスーラは出遅れて後方を進み、勝負どころで外から捲ってメンバー3位タイの35.4秒で上がり0.8秒差の7着。大外から早めに上がって見せ場を作ったが、内が有利な馬場、出遅れて前半脚を使ったことで直線で伸び切れなかった。今日の馬場、展開で外捲りでは厳しかった。それでも素質の片鱗を見せている。近親にアストンマーチン。相馬眼的にいずれ重賞で通用する馬になるのではないか。

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