有馬記念
レース展望

ファン投票で選ばれた馬たちによるドリームレース。過去10年で1番人気は[5−2−1−2]で7連対。前走1着は[3−0−0−0]、前走2着は[2−1−0−0]、前走3着以下は[0−1−1−2]。14、15年は前走10着以下に惨敗したゴールドシップが3着、8着(レース後に引退式)に終わった。2番人気は[2−1−2−5]で3連対、3番人気は[0−0−1−9]で連対なし。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が2連対。最近6年のうち4年で人気薄が連対し、馬連は31倍、37倍、8倍、123倍、68倍、4倍で中穴決着が多い。

年齢別では3歳[4−3−2−23]、4歳[3−5−2−31]、5歳[3−1−3−34]、6歳[0−0−1−20]、7歳以上[0−1−2−15]で3〜5歳馬が活躍している。芝2400〜2500mのG1で実績のある3〜5歳馬を重視したい。6歳以上の高齢馬は[0−1−3−35]で1連対のみ。牡馬は[8−7−10−108]で15連対、牝馬は[2−3−0−15]で5連対。牝馬は5番人気以内[2−3−0−2]、6番人気以下[0−0−0−13]。牝馬は人気馬に注目。穴をあけるのは牡馬。特に外国人騎手が騎乗した馬に注意。

キタサンブラックはG1[6−1−4−2]の実力馬。有馬記念がラストランとなる。今年は大阪杯、天皇賞(春)を連勝したが、宝塚記念は先行して直線で一杯になり1.3秒差の9着。秋緒戦の天皇賞(秋)は出遅れたが、内から追い上げて早め先頭から押し切って優勝。雨で馬場が悪くなり過ぎて内をロスなく回った馬な状態だった。前走ジャパンCは逃げて直線で後続を引き離したが、2頭に差されて0.2秒差の3着。レース後に左前脚を落鉄が判明した。ジャパンCは不良馬場で行われた天皇賞(秋)から中3週。体重は変わらなったが、調教では攻めておらず、若干余裕残しの仕上げだった。ラストランの有馬記念に向けて余力を残したのだろう。

G1を勝ったときの前半5Fと馬番は、60.2秒(4番)、61.8秒(1番)、61.7秒(1番)、59.6秒(5番)、58.3秒(3番)(大逃げがあり実質は緩い流れ)、64.2秒(7番)(不良)。内枠からスタートを決めて前に行き、緩い流れで上がりをまとめて粘り込むのが勝ちパターン。9着に終わった宝塚記念は8枠10番、稍重で前半5F60.6秒。レースのラスト6Fは11.7−11.6−11.8−11.7−11.8−12.2秒。キタサンブラックは緩い流れでラスト4Fを11秒台でまとめるのが勝ちパターン。ラスト6Fから11秒台のラップが5F続いたこと、外を回ったことで直線で失速したのではないか。

中山では[2−1−2−0]で有馬記念は15年が0.1秒差の3着、昨年がハナ差の2着。昨年の有馬記念のラスト5Fは59.4秒でラスト5Fは11.8−11.7−12.1−11.7−12.1秒。勝ったサトノダイヤモンドと同馬主&同厩舎のサトノノブレスが3コーナー手前で押してキタサンブラックに外から並びかけようとして早めにスパートさせている。これが最後の伸びに影響したのだろう。ラスト4Fから11秒台のラップが続く展開なら凌ぎ切れるが、ラスト5Fから11秒台のラップを刻むと最後に甘くなるのである。ちなみに前走ジャパンCのラスト5Fは12.2−11.8−11.3−11.8−12.0秒だった。

里見氏はサトノクラウン、サトノクロニクルの2頭出し。池江厩舎はサトノクロニクル、ミッキークイーンの2頭出し。サトノクロニクルは先行タイプ、サトノクラウン、ミッキークイーンは差しタイプ。池江厩舎が2年連続で同じ作戦で来るとは限らないが、キタサンブラック陣営はサトノクロニクル(戸崎騎手)の動きに注意する必要がある。休み明けは[4−1−0−0]、2戦目は[4−0−1−0]、3戦目は[0−1−2−1]。今年の宝塚記念は3戦目だった。不良馬場の天皇賞(秋)を出遅れて勝ち、高速決着になったジャパンCで落鉄して3着。どこまで体力が残っているか。今年の漢字は「北」。オカルト的には2枠3番なら鉄板か(笑)

AR共和国杯勝ち馬スワーヴリチャード、ジャパンC勝ち馬シュヴァルグラン、宝塚記念勝ち馬サトノクラウン、前2走宝塚記念&エリザベス女王杯3着のミッキークイーン、天皇賞(秋)3着馬レインボーライン、昨年の有馬記念4着馬ヤマカツエース、日経賞勝ち馬シャケトラ、オールカマー勝ち馬ルージュバック、札幌記念勝ち馬サクラアンプルール、昨年のジャパンC2着馬サウンズオブアース、前走チャレンジC3着馬ブレスジャーニーなど。土曜は晴れ、日曜は晴れ後曇りの予報。雨は降りにそうになく、良馬場でのレースになりそうだ。

スワーヴリチャードはダービーでレイデオロに0.1秒差の2着に入り、休み明け、古馬初対戦のAR共和国杯を2馬身半差で圧勝。レイデオロはジャパンCで2着に入った。左回りは[2−2−0−0]、右回りは[1−1−0−1]。手前の関係で左回りの方が得意だが、右回りでも走れないことはない。陣営は前走からMデムーロ騎手を確保し、左回りのジャパンCを使わず、右回りの有馬記念に絞って調整している。過去10年で3歳馬は1番人気[3−1−0−0]、2番人気[1−0−0−0]、3、4番人気[0−0−1−5]。過去10年でMデムーロ騎手は[1−1−1−5]。右回りを克服してキタサンブラックからバトンを受け継ぐか。

シュヴァルグランはジャパンCを1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー3位の34.7秒で差し切って2分23秒7で優勝。京都大賞典はお茶を濁して3着に負けたが、ジャパンCは流れが緩まずにスタミナが問われるレースになったことで力を発揮した。16年以降、東京は[2−1−0−0]、京都外回りは[0−2−2−0]だが、阪神の宝塚記念は9、8着、中山の有馬記念は6着に終わっている(全て福永騎手)。このあたりをどう考えるか。過去10年で前走ジャパンCを勝った馬は[0−1−0−3]で連対は昨年のキタサンブラックのみ。2着馬は[0−1−0−5]で連対はブエナビスタ。2戦連続でボウマン騎手が騎乗する。

サトノクラウンは昨年香港ヴァーズでG1初制覇。今年は京都記念を2連覇し、大阪杯は馬体12キロ減で6着に終わったが、宝塚記念を2分11秒4(稍重)で優勝。天皇賞(秋)はキタサンブラックにクビ差の2着。前走ジャパンCは見せ場なく10着。パドックで馬体が萎んでいたように前走の反動があったのだろう。国内で良馬場では[2−0−1−4](デビュー2戦1着)、稍重以上では[4−1−0−1]。良馬場でも走れないことはないが、渋って時計、上がりが掛かった方が成績が安定している。中山では弥生賞(稍重)を勝っている。芝2400mを超える距離は今回が初めて。東スポ杯2歳S1着以来となるムーア騎手に乗り替わる。

ミッキークイーンは牡馬混合G1では、ジャパンCが0.3秒差の8着、有馬記念が0.4秒差の5着、宝塚記念が0.3秒差の3着。今年は昨年より仕上がってきそうな雰囲気。距離も小回りコースもこなす万能タイプ。レインボーラインは天皇賞(秋)で13番人気で3着に入り穴をあけた。前走ジャパンCは最後方からメンバー最速タイの34.6秒で追い込んで6着。いい脚を長く使ったが、位置取りが後ろ過ぎた。過去10年でステイゴールド産駒は[4−1−2−9]。ブレスジャーニーはチャレンジCで1分58秒7で走って0.1秒差の3着。昨年の東スポ杯2歳Sではスワーヴリチャードに勝っている。近親にドゥラメンテ、ルーラーシップ。島川氏はトーセンビクトリーと2頭出し。メジロマックイーン(武豊騎手)を沈めたダイユウサクか!?(笑)

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