アルテミスS
レース回顧

リスグラシューは外枠スタートから中団の外につけ、メンバー2位の33.5秒で差し切った。ツヅクが逃げて前半5F61.0秒のスローペース。レースのラスト3Fが11.5−11.7−11.3秒の上がり勝負。リスクグラシューは流れが落ち着いて向こう正面で好位に押し上げ、直線で早めに抜け出してフローレスマジックを完封。馬を前に置けず折り合いを欠きそうになったが、武豊騎手が何とか折り合いをつけ、ラスト3Fを高速ラップでまとめて押し切った。スローの新馬戦でメンバー最速の33.0秒で上がり、平均ペースの未勝利戦で先行してメンバー最速の34.4秒でまとめてレコードで圧勝した馬。フローレスマジックが出遅れて位置取りが悪くなったことに助けられたが、1番人気で順当勝ち。輸送で馬体が4キロ減って少し細くなったが、パドックではイレ込みはなく落ち着いて周回していた。小柄な牝馬で少し非力に映るが、父ハーツクライに似たガニ股走法で推進力がある。メンバー中最も早い1月18日生まれ。陣営は2歳重賞をターゲットに早い時期から仕上げ、1週前に坂路で1番時計を出して攻めていた。次走は阪神JFに直行する予定。

フローレスマジックは出遅れて中団の後ろからメンバー最速の33.3秒で伸びて半馬身差の2着。道中馬込みで折り合って脚をタメ、直線でリスグラシューを追いかけたが、交わすところまで行かなかった。上がりは0.2秒上回ったが、出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。関東馬で輸送は短かったが、馬体が12キロ減って少し細くなっていた。ただしパドックでイレ込みはなかった。小柄な牝馬だが、馬体のバランスが良く、皮膚が薄くいかにも良血馬という雰囲気がある。次走は未定だが、馬体が回復すれば阪神JFに使ってきそうだ。関東馬のため、栗東留学させるのだろう。木村厩舎は社台のゼーヴィント、アルビーノなどを管理する社台期待の若手厩舎。今年の2歳戦、来年の3歳戦で注意したい。サンデーレーシングは今年重賞を7勝しているが、6月以降は[0−6−2−17]で未勝利。フローレスマジックはルメール騎手、天皇賞(秋)のリアルスティールはMデムーロ騎手で2着。重賞で外国人騎手を乗せてきたら要注意。

シグルーンはスタートを決めて2番手につけ、メンバー11位タイの34.7秒で上がって0.7秒差の3着。前の2頭に離されたが、Mデムーロ騎手が先行して粘らせた。内が荒れて外を通った馬が有利な馬場でよく粘ったが、上位2頭とは能力差がかなりある。それでも馬券圏内に持ってくるのが、Mデムーロ騎手の読みと技術。最近の重賞はMデムーロ、ルメール、福永、川田、戸崎(G2、G3)騎手が席巻している。馬の能力&適性が同じくらいで迷ったら、騎手で選んでもいいくらいだ。ただし、これらの騎手の中には馬質で活躍している騎手がいることを付け加えておく。

コーラルプリンセスは出遅れて最後方からメンバー3位の33.9秒で大外から追い込んで1.1秒差の8着。最後方から大外ブン回しだったが、最後は鋭く伸びていた。馬体が12キロ増えて太かったように陣営の仕上げもひと息だったが、柴山騎手も重賞でイマイチの騎乗が続いている。今年の重賞で柴山騎手は[0−1−1−27]で勝率0%、連対率3.4%。5番人気以内では[0−0−1−4]。唯一連対したのは京都牝馬Sのマジックタイムは相当強いのだろう。そのことに気付いた社台はその後4戦全て外国人騎手を乗せてダービー卿CT1着、ヴィクトリアM6着、関屋記念3着、府中牝馬S2着と重賞で活躍している。

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