紫苑S
レース回顧

ビッシュは後方から徐々に進出し、4コーナーで先団に取りつくとメンバー最速の35.3秒で抜け出して2馬身半差で圧勝。勝ちタイムは1分59秒7。ゲッカコウが逃げて前半5F59.6秒の平均ペース。ビッシュは大外枠スタートから終始外を回り、持ち前の末脚の持続力をフルに生かし切った。直線では目一杯に追っておらず、最後はまだ余裕があった。2着以下を引き離したのは、3コーナーで内がごちゃついて不利を受けた馬が多かったこともあるのだろう。馬体は4キロしか増えていなかったが、春より厚みが増してボリュームアップしていた。ディープインパクト産駒で末脚に持続力があり、前向きさと勝負根性も備えている。秋華賞でシンハライト、ジュエラーとの対決に向けてまずは好スタートを切った。本番では長距離輸送で馬体が大きく減らないことが条件になる。

ヴィブロスは後方からメンバー2位の35.5秒で大外から鋭く伸びて0.4秒差の2着。3コーナーでごちゃついて下がる不利があった。福永騎手は馬体に故障がないことを確認してから動き出しており、そのぶん仕掛けが遅れた。ビッシュに2馬身半差をつけられたが、着差ほどの能力差はないのではないか。前走500万条件を11.9−11.7−11.7秒の尻上がり&持続ラップで圧勝したのは、やはりダテではなかった。デビューから3戦は前に行っていたが、ここにきて差すレースが板についてきている。ビッシュと同様にディープインパクト産駒で末脚の持続力が優れた馬。全妹ヴィルシーナは秋華賞2着馬。姉も管理した友道厩舎はこの一族の仕上げ方を熟知している。秋華賞はこれまで経験のない55キロと高速決着がカギになる。

フロンテアクイーンは1枠2番スタートから中団の内を進み、勝負どころで外に出してメンバー6位の36.2秒で伸びて1.0秒差の3着。蛯名騎手が内枠を生かして道中ロスなく進めて持ってきたが、上位2頭には切れ負け。3コーナーでごちゃついて不利を受けたことが少し堪えている。馬体が8キロ増えたことで春より全体的にしっかりしていたが、パドックでは春よりマシだったが少しテンションが高くうるさかった。3着に入り、秋華賞の出走権を確保。本番では一発狙いで内を突く手か。

パーシーズベストは後方からメンバー3位タイの36.0秒で伸びて3着にハナ差の4着。3コーナーから大外をブン回したが、直線では馬群に突っ込んで狭いところを割ってきた。ストライドが大きく、前2走は外を回って差し切っただけに馬群に突っ込んだことがマイナスに働いている。1、2着馬と同様にディープインパクト産駒で末脚の持続力が優れた馬。まだ後肢の踏み込みに力強さがないが、相馬眼的に走る馬独特の雰囲気を持っている。秋華賞の出走権は獲れなかったが、これから馬体が成長すると大化けする可能性がある。

パールコードは中団から伸び切れず3着に0.1秒差の5着。3コーナーで不利を受け、直線でも狭くなって少し脚を余した。前走フローラSで14キロ減った馬体は18キロ増えて戻っていたが、休み明けで少し体に余裕があった。賞金的に秋華賞に出走できるため、調教を見ても多少余力残しの仕上げだったのだろう。距離2000mは合うが、秋華賞では高速決着に対応できるかがカギになる。

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