札幌2歳S
レース回顧

トラストは前半3F36.4秒、5F61.6秒のマイペースで逃げ、直線で後続を引き離し2馬身差で圧勝した。人気の有力馬が後方からのレースになり、ゆったりとした流れでマイペースで逃げられたことが大きかった。前走クローバー賞はスタートで外に寄れて位置取りが悪くなり、初めて差すレースをして2着に終わったが、今回は川崎ダートで2連勝したときと同じ逃げるレースで結果を出した。札幌2戦目で体調面の上積みもあったのだろう。キャリア1戦の人気馬がまともなレースができずに惨敗する中、キャリア3戦で前走OP特別を経験したことも大きかったのだろう。調教診断で指摘したように地方所属馬でも芝向きの馬。今後は栗東の中村均厩舎に移籍にして日本ダービーを目指す予定。現時点では馬体の造りが中距離向きに映るが、スクリーンヒーロー産駒だけに今後の成長が見込める。

ブラックオニキスは5番手からメンバー4位タイの35.9秒で伸びて0.4秒差の2着。勝ったトラストには引き離されたが、最後にひと伸びして激しい2着争いを制した。6月の函館でデビューして今回が5戦目。400キロ台の小柄な牝馬が前走クローバー賞を勝っても10番人気という低評価を覆して激走した。キャリア1戦の人気馬が崩れる中、キャリアを生かした形。昨年8番人気で3着に入ったクロコスミアはキャリア4戦、400キロ台の小柄な牝馬だった。小柄な牝馬は人気の盲点になりやすいので注意したい。2歳重賞は素質があればキャリア1戦でも通用するが、OP特別で連対した経験のある馬が穴をあけることが多い。今回はまさにそのパターン。3戦連続で中1週で使ったため、今後はひと息入れることになりそうだ。

アドマイヤウイナーは6番手からメンバー2位の35.7秒で伸びて0.4秒差の3着。3コーナー過ぎから岩田騎手の手が動いたが、外を回って最後までしぶとい脚を使って伸びてきた。キャリア1戦でまだズブさが残っているが、こういうタイプは長い距離をこなす馬が多い。長い距離で消耗戦に強いタイプなのではないか。今後は中央場所で上がりの速いレースになったときに対応できるかがカギ。

インヴィクタは後方からメンバー最速の35.4秒で伸びて0.7秒差の7着。新馬戦は外を回って早めに押し上げたが、新馬戦より流れが速くなったこともあり、上がって行けなかった。一度使ったが馬体は2キロ増。パドックでは少しフックラ映っただけにそのあたりも影響したのだろう。ヴィルシーナの近親だが、ハービンジャー産駒で切れより地力タイプ。時計の掛かる馬場が合っている。

タガノアシュラは出遅れて後方を進み、メンバー3位の35.8秒で伸びるも8着止まり。新馬戦を逃げてレコードで圧勝し、1番人気に支持されたが、出遅れてまともなレースができなかった。1、2コーナーでは行きたがって頭を上げて折り合いを欠いていた。今年の5月14日以降の芝重賞で武豊騎手は[0−0−1−11]、5番人気以内では[0−0−1−7]。不振が続いているので注意したい。

ディープウォーリアは出遅れて後方を進み、直線で全く伸びずに1.0秒差の10着。出遅れて位置取りが悪くなり、4コーナーではかなり外を回された。内を通って逃げた馬が圧勝する展開でこれだけロスの大きなレースでは厳しかった。現時点では重い馬場の方が合いそうだが、ディープインパクト産駒である程度速い上がりに対応できる可能性がある。阪神芝外1800mに使ってきたら見直したい。

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