中京記念
レース回顧

ガリバルディはスタートで挟まれて後方を進み、メンバー最速タイの33.6秒で豪快な大外一気を決めレースを制した。カオスモスが逃げて前半3F35.5秒、5F59.9秒の緩い流れ。馬場が荒れており、外を通った馬が伸びる馬場になっていた。ガリバルディは好位からのレースをすることが多いが、鮮やかな大外一気で重賞初制覇。福永騎手は7Rと9Rでも大外一気を決めたように、ここを通れば伸びるということが分かっていたのだろう。緩い流れで前に行った馬に有利な展開だったが、内が荒れて外差しが決まりやすい馬場を味方に福永騎手が持ってきた。デビューからほとんど1、2番人気に支持された馬が前走米子Sで5着に負けたことで7番人気の低評価。ハンデ重賞は前走負けて人気を落とした馬(斤量が減った馬)が激走することが多い。まさにそのパターン通りの激走だった。福永騎手では[3−3−3−0]で3着以内を確保。マルカシェンクの半弟。これからメンバーが強くなったときにどこまでやれるか。

ピークトラムはスタートを決めて3番手につけ、メンバー6位の34.4秒で抜け出したが、最後にガリバルディに差されて0.1秒差の2着。小牧騎手が流れに乗ってタイミング良く抜け出したが、後方でタメたガリバルディの決め手に屈した形。それでも前走谷川岳Sを勝ち、今回初めて重賞で連対を確保したように力をつけている。欲を言えば、もう少し決め手が欲しいが、好位からひと脚使えるのは今後も武器になる。

ケントオーは出遅れて最後方からメンバー最速タイの33.6秒で追い込んで0.2秒差の3着。出遅れてかなり厳しい位置にいたが、強烈な末脚で伸びてきた。前にも行けるし、タメれば切れる脚を使えるタイプ。もう1、2列前なら勝ち負けに加わっていたかもしれないが、道中脚を使うぶんここまで伸びなかった可能性もある。速い上がりを繰り出しているが、少し時計が掛かる馬場が合っている。

ダノンリバティは中団の後ろからメンバー3位の33.9秒で伸びて0.3秒差の5着。外枠スタートから外々を回り、直線で伸び切れなかった。休み明けで馬体が10キロ増えていたように多少余裕残しの仕上げだったのだろう。武豊騎手は荒れ馬場だと腰に負担が大きいのか、ほとんど来ない。今回はまさにその条件に当て嵌まっていた。

ダッシングブレイズは中団の後ろから伸び切れず10着。直線で前が壁になってスムーズさを欠いたが、それがなくても伸びそうな感じではなかった。ひと息入れて馬体が10キロ増えたこと、切れ味で勝負するタイプだけに荒れた馬場が堪えたのだろう。能力はあるが、重賞では[0−0−0−5]で不振が続いている。

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