ニュージーランドT
レース回顧

ダンツプリウスは中団の内からメンバー6位の34.8秒で抜け出し、最後は外から伸びたストーミーシーの追撃をハナ差凌ぎ切ってレースを制した。キャプテンペリーが逃げて前半3F34.9秒、5F58.7秒の平均ペース。ダンツプリウスは内枠スタートから内で脚をタメ、丸山騎手が持ち味のしぶとさを引き出した。同コースのジュニアCを勝ち、前走アーリントンC2着。コース&重賞実績のある馬が例年よりレベルの低いメンバーで地力を見せた。馬体、レースぶりに派手さはないが、相手なりに堅実に走るタイプ。次走はNHKマイルC。直線の長い東京コースで高速馬場になると切れ負けの懸念がある。

ストーミーシーは後方からメンバー最速タイの34.4秒で伸びてハナ差の惜しい2着。直線で斜行して他馬の進路を塞いで審議になり、降着はなかったが、江田照騎手は騎乗停止になった。デビューから全て芝1200mを使われたため、距離延長が嫌われて14番人気だったが、大外から切れる脚を使って14番人気で激走。前2走中山で切れる脚を使っていたように決め手はあるが、同じような位置から進めたアストラエンブレムに競り勝ったことを評価したい。母リーベストラウムも嵌ったときは凄い脚を使うタイプだった。これまで良馬場では[1−4−0−0]。今回は嵌った感があるが、これでひと皮剥けてくれば。

エクラミレネールは中団の内からしぶとく伸びてハナ+クビ差の3着。内枠スタートから内をロスなく回って北村宏騎手が持ってきた。中山芝1600mでは菜の花賞を勝ち、アネモネSで0.2秒差の4着。得意コースでロスなく回って激走した。過去10年のニュージーランドTで牝馬は[0−0−1−11]。今年は例年よりメンバーレベルが低いこともあるのだろう。

アストラエンブレムは後方2番手からメンバー最速タイの34.4秒で伸びて0.1秒差の4着。ゴール前で不利を受けたが、着順に影響するほどではなかった。シンザン記念は好位、前走は逃げ切りと自在性が増していたが、今回は後方2番手からの追い込み。結果的に内枠がアダになって下げ過ぎたことが堪えたが、前に行って速い流れで押し切るほどの地力はないという判断もあったのではないか。関東圏のレースでも馬体は膨らんでいなかった。

レインボーラインは後方からメンバー4位タイの34.6秒でしぶとく伸びて0.1秒差の5着。1枠からロスなく回って内から捌いてきたが、前に並びかけるところまで行かなかった。前走アーリントンCを勝ったが、Mデムーロ騎手が上手く乗ったこともあるのだろう。中山に輸送して馬体が6キロ減っていた。関東に輸送すると馬体が減る傾向がある点に注意。

ハレルヤボーイは後方からメンバー最速タイの34.4秒で伸びて0.2秒差の6着。ストーミーシーが斜行した煽りを受けて吉田豊騎手が立ち上がる大きな不利があった。前走スプリングSより内容は良く、やはり距離は芝1600mが合っている。

サーブルオールは出遅れて後方から大外を回って早めに進出したが、直線で一杯になって0.4秒差の7着。前走黄梅賞では内をロスなく回って直線でスパッと抜け出したが、出遅れて大外ブン回しでは厳しかった。それでも前走より走破タイムを詰めている。これからジリジリと力をつけてくるのではないか。

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