マーチS
レース回顧

ショウナンアポロンはハナを切ってスローペースに落とし、メンバー6位タイの37.3秒でまとめて逃げ切った。前半5F63.3秒は過去10年で最も遅い流れ。スローペースでも競かける馬がおらず、前残りになった。ショウナンアポロンは中山ダ1800mで56キロを背負って内房Sが1分52秒9、ボルックスSが1分53秒0で走っており、2キロ軽い54キロで1分52秒7で走って押し切った。ここにきて馬体のバランスが良くなった感はあるが、今回はスローペース、単騎逃げ、54キロ、地力タイプの多いメンバーなど、全てが上手く噛み合っての勝利。チューリップ賞のレース回顧に「松岡騎手は1番人気のジュエラーを外に出させないように騎乗していた。後藤騎手を思い出させる乗り方。近いうちに重賞を勝つチャンスが回ってくるのではないか」と書いたが、その通り重賞を制した。今後も今のスタンスを崩さずに活躍を期待したい。

バスタータイプは好位の内からメンバー3位タイの37.1秒で伸びて0.1秒差の3着。内田博騎手がスタートを決めて好位の内で流れに乗ったが、直線で速い上がりを繰り出せなかった。中3、4週で4戦連続中山に輸送したが、内田博騎手が言うように多少疲れがあったのかもしれない。それでも前走より1キロ重い56キロを背負って1番人気に支持され、重賞初挑戦でメドを立てた。ワンダーアキュートを管理した佐藤正厩舎の管理馬。重賞戦線で強いメンバーと戦ってジリジリと地力が強化されそうなタイプ。ダート重賞戦線で長い間活躍できそうだ。

ドコフクカゼは後方に控え、大外からメンバー最速の36.7秒で追い込んで0.2秒差の2着。ひと叩きされて馬体が6キロ絞れ、中1週でも調子を上げていたが、スローペースで逃げた馬が勝つ展開で位置取りが後ろ過ぎた。好位からのレースができるタイプだが、マーチSはハンデ戦で激しいレースになることが多いため、陣営が控える指示を出したのかもしれない。いい脚を長く使えるため、結果的にもう少し速く動く手もあったか。重賞では[0−0−2−5]で3着止まりが続いている。距離はもっと長い方が合う。ダ1900mの平安Sに出走したら要注意。

イッシンドウタイは好位の内から伸び切れず0.3秒差の4着。中山巧者だが、切れより地力タイプでスローペースよりも速い流れで上がりが掛かった方が力を発揮できるタイプ。7歳馬でも馬体の張りが良く、仕上がりは良かったが、流れが遅過ぎて持ち味を生かせなかった。

クリノスターオーは2番手につけたが、直線で伸び切れず0.5秒差の5着。いつものように勝負どころでズブさを出し、そこで前に離され挽回できなかった。大排気量のエンジンを搭載し、速い流れでもしぶとい脚を使えるタイプ。テン乗りの三浦騎手が2番手でスローペースに同調してはこの結果も仕方ない。

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