日経賞
レース回顧

ゴールドアクターは3番手からメンバー最速の33.8秒でサウンズオブアースを競り落としレースを制した。ディサイファが逃げて前半5F64.7秒の超スローペース。有馬記念は前半5F62.5秒のスローペースだったが、さらに緩い流れになり前に行った馬で決着した。ゴールドアクターはサウンズオブアースより2キロ重い58キロを背負ったことで2番人気だったが、盤石のレースぶりで快勝。これで道中3番手以内につけたレースは全て前半5F62.0〜66.0秒のスローペースで7戦7勝。次走天皇賞(春)が目標のため、調教では攻めていなかったが、馬が自分で体を作るのか、馬体は太め感なく仕上がっていた。昨年7月に復帰して6連勝。次走天皇賞(春)はかなり人気を集めそうだ。スローペースですんなりとしたレースなら勝つ可能性が高まる。長距離戦で流れが速くなることは稀だが、昨年の菊花賞のように乱ペースになると真価が問われそうだ。

サウンズオブアースは2番手からメンバー2位タイの33.9秒でまとめて0.1秒差の2着。スローペースで福永騎手が2番手につけ、内をロスなく回ってきたが、それでもゴールドアクターに交わされた。斤量2キロ差を考えると着差以上の実力差があるのだろう。休み明けで馬体が4キロ増え、少しフックラと映った。最後に伸び切れなかったのは、そのあたりの影響もあるのではないか。好位からのレースができるようになり、スローペースで先行して上がりを33秒台でまとめたことは今後に繋がる。昨年の天皇賞(春)はゴールドシップ向きの緩い馬場で9着に終わったが、得意の京都で例年通りの高速馬場なら昨年のようなことはない。重賞では[0−6−0−4]で2着率60%。好位からのレースを続けていけば、いずれ勝つチャンスがくるはずだ。

マリアライトは内の4番手からメンバー2位タイの33.9秒で伸びて0.3秒差の3着。超スローペースで前に行った馬に33秒台でまとめられては厳しかった。それでも切れより地力タイプの馬が上がりを33秒台でまとめており収穫はあった。有馬記念で0.1秒差の4着に入ったのはダテではなく、牡馬相手でやれる実力を備えている。小柄な牝馬でも非力ではなく、緩い馬場を苦にしないタイプ。宝塚記念は時期的に馬場が渋ることが多い。春の目標の宝塚記念に向けて少しずつ地力を強化していきたい。

アルバートは中団からメンバー4位タイの34.0秒で伸びて0.5秒差の4着。超スローペースで上がり勝負になり切れ負け。スタミナ&地力タイプだけに究極の上がり勝負では厳しかった。パドックでは馬体が仕上がり過ぎた印象で少し歩様が硬かった。陣営はルメール騎手を確保していたが、休み明けで調子がひと息だったのではないか。ステイヤーズSを圧勝した後に中2週で有馬記念を使った影響がまだ残っている。

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