弥生賞
レース回顧

マカヒキは出遅れて最後方から徐々に進出し、メンバー最速の33.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分59秒9はレースレコード。弥生賞はスローペースになることが多いが、今年はケンホファヴァルトが逃げて前半5F59.5秒。例年より流れが速くなり、実力が問われるレースになった。マカヒキは2コーナーで中団の後ろに押し上げ、2位を0.8秒上回る33.6秒で豪快に差し切った。レースのラスト3Fは12.5−11.3−11.3秒で尻上がり&持続ラップ。好位からラスト2Fを高速ラップでまとめたリオンディーズを大外を回って差し切ったのだから強い。リオンディーズにもいえるが、中盤にラップが13.0−12.8秒に落ちたことを考慮しておきたい。パドックでは馬体の張りが良く、落ち着きがあり、トライアルでもきっちり仕上がっていた。新馬、若駒S、弥生賞を勝って3戦3勝というのは、父ディープインパクトと同じ。父から高速ラップの持続力を受け継いでいる。ルメール騎手は3戦3勝できさらぎ賞を制したサトノダイヤモンドもお手馬。本番の皐月賞ではどちらに騎乗するかは未定。今年の皐月賞はかなりハイレベルな戦いになりそうだ。

リオンディーズは外枠スタートから4番手につけ、直線で早め先頭からメンバー2位タイの34.4秒でまとめたが、外からマカヒキに差されてクビ差の2着。スタンド前と向こう正面で少し掛かり気味だったが、半兄エピファネイアほどではなかった。直線で追い出しを遅らせてラスト2Fを11.3−11.3秒でまとめたが、それでもマカヒキに交わされた。前半5F59.5秒だけを見ると展開はマカヒキに向いているが、中盤でラップが落ちていた点を考慮したい。ラスト3F目が12.5秒。勝ちに拘るなら勝負どころでもっと早めに追い出してアドバンテージを取る方策もあったが、休み明け、トライアルのため本番に向けて負荷をかけたくない面もあったのだろう。マカヒキは中5週で皐月賞に向けて3着以内が絶対条件、リオンディーズは賞金は足りており本番に向けてのレース。勝負度合いそのものが違っていた。本番の皐月賞は多頭数。トリッキーな中山で好位から尻上がり&持続ラップでまとめたことを評価したい。休み明けで中山に輸送して馬体4キロ増。少し余裕を持たせていた。皐月賞に向けて課題は見えた。皐月賞男・Mデムーロ騎手が攻めの騎乗で巻き返してくる。

エアスピネルは5番手からメンバー2位タイの34.4秒で上がって0.3秒差の3着。4着タイセイサミットには5馬身差をつけた。前の2頭に2馬身離されたが、リオンディーズと同じ34.4秒でまとめている。武豊騎手もコメントしているが、例年の弥生賞なら勝ち負けできるレベルの走りをしており、マカヒキとリオンディーズが強過ぎただけ。前半行きたがった頭を上げていたが、その後は折り合っていた。上位2頭は芝2000mを勝っていたが、エアスピネルは芝1600mまでしか経験がなく手探りの状態。その点と武豊騎手がトライアルということを考慮して攻めなかったこともあるのだろう。皐月賞はさらにメンバーが強くなるが、多頭数でごちゃつくレースになり、エアスピネルが立ち回りの上手さを生かせれば、馬券圏内があってもおかしくない。

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