京都牝馬S
レース回顧

クイーンズリングはスタートを決めて好位の外につけ、メンバー3位タイの35.6秒で差し切ってレースを制した。雨が降って重馬場で前半3F35.2秒、5F58.4秒の平均ペース。馬場の内側が荒れて外を通った馬が有利な馬場になった。クイーンズリングは出遅れて後方からのレースになることが多いが、Mデムーロ騎手がスタートを決めて好位の外で流れに乗れたことが大きかった。昨年は秋華賞で2着に入ったが、体型的に距離は1600m以下が合うタイプ。フィリーズレビューを勝っており、これで芝1400mは2戦2勝。流れが速くなりやすい芝1400mなら折り合いがつく。今後は阪神牝馬Sからヴィクトリアマイルか。1600mより短い距離を使って行くことになりそうだ。Mデムーロ騎手は昨年以降の芝重賞で稍重以上、6番人気以内なら[5−1−1−3]で連対率60%。前週の京都記念(重)をサトノクラウンで制している。道悪では特に注意したい。

マジックタイムは中団からメンバー2位の35.4秒で伸びてクビ差の2着。直線で少しスムーズさを欠いたが、柴山騎手が追うと鋭く伸びて勝ち馬に迫った。同コースのスワンSでは柴山騎手(アルビアーノ)が勝ち、Mデムーロ騎手(フィエロ)が2着だったが、今回は1、2着が逆転した。柴山騎手はスワンSで京都芝1400mのイメージを掴んでいたのだろう。マジックタイムは前走1600万条件を勝ってオープン入りしたばかりだが、3歳時にクイーンC2着の実績があった。出世が遅れているが、ここにきて成績が安定し、今回は関西への輸送、右回りをこなしたように着実に力をつけている。ただし勝ち馬より2キロ軽い54キロだったことを考慮したい。ベストは直線の長い左回りの芝1600m。ヴィクトリアマイルを目指してさらに賞金を加算したいところ。

ウインプリメーラは中団からメンバー5位の35.7秒で伸びて0.2秒差の3着。芝1400mでいつもより位置取りが後ろになったが、中団からしぶとく伸びて3着を確保。先行して地力で粘り込むタイプだが、脚質の幅を広げている。前走京都金杯を53キロで勝ったが、今回は2キロ重い55キロ、重馬場、初の芝1400mだったことを考えると上々の内容といえる。直線が平坦なコースなら最後までしっかり伸びるが、直線に坂があるコースでは詰めが甘くなる。地力は強化されているが、今後は坂のあるコースで真価が問われる。

スナッチマインドは中団から早めに動いて直線で一気に抜け出したが、外から3頭に差されて0.4秒差の4着。直線でガツンと伸びて抜け出したが、馬場の荒れた内に寄れ、1頭になったことでソラを使っていた。浜中騎手がようやく手の内に入れたところだったが、落馬負傷で菱田騎手に乗り替わり。菱田騎手は4走前に大きく内に寄れたレースを見ていなかったのか。まだ粗削りで若さ丸出しだが、ディープインパクト産駒で能力はある。レース慣れしてまともに走れるようになれば重賞で活躍できる。

ウリウリは内ラチ沿いの好位から伸び切れず0.5秒差の5着。他馬より重い57キロを背負い、馬場の悪い内を通ってはさすがに厳しかった。それでも大崩れしなかったように力は見せている。パドックではひと叩きされたことで馬体が引き締まり、気配は良くなっていた。次走は高松宮記念に向かう予定。中京芝1200mは実質トップハンデの55.5キロを背負ってCBC賞(重)を勝ったコース。前3走は5着が続いているが、条件が揃えば馬券圏内があってもおかしくない。

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