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レース回顧

ディサイファは2枠スタートから内ラチ沿いの6番手につけ、勝負どころで外に出すとメンバー2位タイの34.9秒で差し切ってレースを制した。スズカデヴィアスが逃げて前半5F60.8秒。3F目にラップが12.8秒に落ちたが、ラスト6Fは全て12.0秒以下で末脚の持続力が問われるレースになった。ディサイファは道中内ラチ沿いをロスなく回って脚をタメ、勝負どころで外に出して直線で差し切るほぼ完璧なレースで快勝。他馬より1キロ重い57キロを背負っており、着差以上の内容といえる。馬体は12キロ増えて少しフックラ映ったが、時期的なものもあるのだろう。これで重賞4勝目、G2は2勝目。昨年夏以降、G2では[2−2−0−0]で連対を確保している。これまで重賞で連対したレースの馬番は1、1、11、4、1、3番で5戦が4番枠より内枠だった。内枠スタートから内をロスなく回るのが好走パターン。距離2200をこなしたが、今年は例年よりメンバーに恵まれていたことを考慮したい。今後はドバイ遠征を視野に入れて調整される模様。武豊騎手は30年連続で重賞制覇となった。

スーパームーンは中団の外からメンバー5位の35.0秒で伸びて0.2秒差の2着。4コーナーで外を回ったが、最後までしぶとく伸びてきた。テン乗りのルメール騎手が上手く乗っている。重賞ではAR共和国杯3、5着と善戦止まりが続いていたが、初めて重賞で連対した。前走ディセンバーSでクビ差の接戦をしたトーセンレーヴは有馬記念で0.3秒差の6着に入っている。これまで左回りの東京を使うことが多かったが、これで中山で2戦連続連対。高齢馬でガツンと切れなくなってきているため、中山の方が合うのだろう。重賞で不振が続いていた藤沢和厩舎の管理馬が愛知杯のバウンスシャッセに続き、2週連続連対した。阪神カップをロサギガンティアが勝ってから流れが変わってきている。

ショウナンバッハは後方から内を突いてメンバー最速の34.5秒で伸びて2着にクビ差の3着。道中内ラチ沿いをロスなく回って脚をタメ、直線で狭いところを捌いて鋭く伸びてきた。位置取りの差で届かなかったが、勝ったディサイファの上がりを0.4秒上回っている。重賞2戦目でメドは立った。これで前7戦のうち6戦が上がり最速。直線の長いコースで流れと位置取りがマッチすれば、重賞初制覇がありそうだ。

マイネルフロストは中団の外からメンバー2位タイの34.9秒で伸びて0.3秒差の4着。1枠1番スタートから道中ロスなく回り、勝負どころでディサイファが動いた後に外に出して伸びてきたが、直線で少しスムースさを欠き、追い出しが遅れたことが堪えた。切れより地力タイプだけにもう少し積極的なレースをしても良かったか。叩き良化型でレースを使うごとに馬体、気配が良くなっている。次走はメンバー次第で要注意。

サトノラーゼンは3番手につけたが、直線で伸び切れず10着に終わった。パドックで少し煩く、レースでも道中力みながら走っていた。好位につける自分のレースができたが、ディサイファに外から来られたときに全く抵抗できず、最後は馬自身が諦めていた。以前は並んだら抜かせない勝負根性があったが、最近はそれが見られない。池江厩舎がダービーまでに一気にパフォーマンスを引き上げた影響が出ているのかもしれない。

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