ホープフルS
レース回顧

ハートレーは後方からメンバー2位の34.3秒で外から差し切って快勝。ラブレオが逃げて前半5F62.1秒のスローペースで前に行った馬に有利な展開になったが、切れる脚を使った人気馬3頭が上位を独占。ハートレーは後方の外で脚をタメ、外からロードクエストが上がってくると一緒にスパートし、最後まで脚色が衰えずロードクエストを振り切った。勝負どころでロードクエストに被せられてぶつかったが、そこから勝負根性に火がつき、強烈な末脚を繰り出した。キャリア1戦の馬とは思えないレースぶり。パドックでは全く力みがなく、落ち着き十分。柔軟性のある歩様も素晴らしく、大物感を漂わせていた。ブエナビスタと似たような雰囲気がある。相馬眼的に評価できる馬でこういう雰囲気を持った馬はG1を勝つことが多い。これから大事に使っていけば、皐月賞、ダービーを狙えそうだ。今年の同世代の牡馬はレベルの高い馬が多いが、ハートレーはその中でもトップクラス。皐月賞、ダービーに向けて注目していきたい。

ロードクエストは離れた最後方を進み、3コーナーから外を回って進出し、メンバー最速の34.1秒で上がったが、ハートレーに競り負けて0.2秒差の2着。最後方から大外を回っていい脚を長く使ったが、ロードクエストが来るのを待って追い出したハートレーに競り負けた。距離2F延長、右回り、直線の短い内回りで手さぐりの状態、かつ重賞勝ちで賞金はあるだけにここを絶対に勝ちたいという仕上げではなかった。2着に負けたのは、そのあたりもあるのだろう。それでも右回り、芝2000mをこなしたことで皐月賞に向けてメドは立った。父マツリダゴッホは中山巧者。ロードクエストはもう少し自在性が出てくれば、中山でも問題ない。2着に入って賞金を加算できたことで賞金的にほぼ皐月賞、ダービーに出走可能。今後も無理使いせず、ゆったりとしたローテーションを組める。末脚の威力は確かなものがあるが、もう少し馬体が成長して欲しい。

バティスティーニは中団からメンバー4位の35.1秒で伸びて0.5秒差の5着。芝2000mの新馬、黄菊賞を楽勝してきた馬が1、2着馬に離された3着。全く不利がなく、力を出し切っただけにハートレー、ロードクエストが強かったのだろう。レースの数日後に左膝トウ骨遠位端剥離骨折が判明し、全治は6ヶ月以上と診断された。春のクラシックは絶望的。秋の復帰を目指すことになる。

ブラックスピネルは2番手から早めに先頭に立ったが、そこから伸び切れず0.6秒差の4着。スローペースで前残りの展開になったが、上がりはメンバー7位タイの35.8秒。勝ち馬とは上がりが1.5秒差。前走萩Sをメンバー2位タイの33.5秒で2番手から押し切ったように高速上がりに対応できない訳ではないが、タフな中山で切れる脚を使えなかった。

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