七夕賞
レース回顧

メイショウナルトは1枠スタートからハナを切り、直線で後続を引き離してそのまま逃げ切った。前半5F58.9秒、後半5F59.8秒で勝ちタイムは1分58秒7。中盤でラップを落としてラスト5Fから11秒台のラップで後続に脚を使わせて粘り込んだ。田辺騎手が上手く乗っている。良発表でも緩い馬場で内ラチ沿いの最短コースを走れたこと、2番手につけたミキノバンジョーが追いかけず、ダイワファルコンが同厩のマイネルラクリマに遠慮して仕掛けが遅れたことも有利に働いた。前4走2桁着順で大不振に陥っていたが、得意の夏を迎えて復活を果たした。これで7〜9月は[4−4−0−2]で連対率80%。次走の小倉記念でも注意したいが、ハンデは1キロ程度重くなりそうだ。昨年の関ヶ原Sの2、1着馬のワンツー決着。近走2桁着順が続いていた2頭が復活したように気温が上がって時期的な適性の差が出始めている点に注意したい。

ニューダイナスティは中団の内ラチ沿いからメンバー最速タイの35.3秒で伸びて0.3秒差の3着。吉田豊騎手が内ラチ沿いをロスなく回って切れ味を引き出した。4コーナーで外から追い上げた馬が多く、内がガラ空きになり、コースロスなく回ってきたぶん最後ひと伸びできた。昨年烏丸Sと関ヶ原Sを連勝して新潟記念で1番人気に支持された馬。例年通り暑くなって調子を上げ、10番人気で激走した。ガツンと切れる脚がないため上がり勝負では厳しいが、適度に流れて地力のある展開になると地力を発揮するタイプ。七夕賞に限ったことではないが、内枠に入った馬がロスなく回って波乱を演出することが多いため注意したい。この後はサマー2000シリーズの優勝を狙って小倉記念、新潟記念に向かうことになりそうだ。

マイネルラクリマは3番手からしぶとく伸びて0.4秒差の4着。好位につけて自分のレースができたが、58キロを背負ったこともあり、勝負どころの反応が悪かった。逃げ切ったメイショウナルトの上がりを0.2秒上回っただけにもっと積極的なレースをしても良かったのではないか。1コーナー手前で外からアドマヤブルーに来られて引かざるをえなかったことが少し堪えている。トップハンデ58キロを背負い、外めを通って崩れなかったようにG3では能力上位の存在。芝2000mは[2−1−2−0]で複勝率100%。7〜9月は[1−2−3−1]で夏場も走るタイプ。今後もハンデ戦では重ハンデとの戦いになる。

ダコールは最後方から徐々に進出し、メンバー最速の35.3秒で伸びて0.5秒差の4着。道中ロスなく回って直線で外に持ち出したが、位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。台風一過で雨は降らない予報だったが、雨で馬場が緩んだことがマイナスに働いた。芝2000m重賞は[0−0−2−4]で5着以内を確保しているが、6戦のうち5戦が緩い馬場だった。ダコールが出走するときは雨が降ることが多い。良馬場で少し展開が嵌れば、連対圏に突っ込んでもおかしくない。必ず善戦するため、ハンデが軽くならない悪循環もある。

ラブリーデイは5番手から伸び切れず6着。内を通った馬が有利な馬場で8枠から終始外を回ったことが堪えた。重賞未勝利馬が重賞勝ち馬より重い57キロを背負わされたことも堪えている。G1を除き56キロ以下では[3−2−1−0]に対し、レースに関係なく57キロでは[0−0−0−6]で不振。昨年の小倉記念2着は53キロ、金鯱賞2着は54キロだった。調子は悪くないため、ハンデが56キロになったら要注意。

ダイワファルコンは好位の内につけたが、直線で全く伸びず9着。勝負どころで同厩のマイネルラクリマを意識してスパートが遅れたことが堪えたが、全く伸びなかったように中身も伴っていなかったか。4〜9月は[0−1−0−12]に対し、1〜3月は[1−4−3−2]、10〜12月は[7−1−1−4]。暑い時期はひと息という面もあるのだろう。10〜12月の右回りの芝1600〜2000mでは[7−0−0−1]で勝率87.5%。この条件が揃ったときに狙いたい。

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