エプソムC
レース回顧

ディサイファは1枠1番スタートから道中は中団の内を進み、直線でメンバー最速の33.6秒で馬群を割って最後はマイネルラクリマとの叩き合いをクビ差で制した。パドトロワが逃げて前半5F60.2秒。流れが緩んで上がり勝負になったことでマイネルラクリマの地力をディサイファの切れ味が上回った。馬場の内側は荒れていたが、1、2、3、5着に5番枠より内枠の馬が入ったようにスローペースで内枠からロスなく回ってきた馬が有利な展開になった。ディサイファはオープン入りして4、3、2、2着と善戦止まりが続いていたが、得意の東京芝1800mで重賞初制覇。1枠1番、スローの上がり勝負になったことがプラスに働いている。パドックでは馬体の張りが良く活気があり、きっちり仕上げてきていた。四位騎手とは[4−2−1−1]の好相性。今後は休養して毎日王冠から始動する予定。相手なりに堅実に走るタイプ。G2でもメンバー次第で善戦できそうだ。

マイネルラクリマは2番手から早めに先頭に立ち、メンバー5位の34.1秒でまとめたが、ディサイファとの叩き合いに負けてクビ差の2着。スローの上がり勝負で切れ負けしたが、香港遠征明けでも仕上がりは良く、自分の力は出している。勝ち馬とは斤量1キロ差があった。切れより地力タイプのため、もう少し流れが速くなった方が持ち味を生かせたのではないか。パドックでは馬体の張りが良く活気があり気配が目立っていた。昨年の夏も走ったように暑くなると調子を上げるタイプ。久々の日本のレースで馬が走りたがっている印象を受けた。G3では能力上位の存在。今後は宝塚記念に向かうプランがある。渋った馬場では[2−1−2−1]で4着以内を確保。乗り方次第で距離はこなせる。馬場が渋ったら注意したい。

ダークシャドウは中団からメンバー3位タイの33.7秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で外に出せず内を突いたが、前が壁になって再度外に持ち出すロスがあった。直線でスムーズならもっと前の2頭に迫っていた。休み明けで完調ではなかったが、得意コース&絶対能力で3着を確保。11年のエプソムC勝ち馬が59キロを背負って地力を示した。近走は戸崎騎手の駄乗で不憫なレースが続いていたが、これがいいきっかけになれば。

タマモベストプレイは3番手からしぶとく伸びて0.2秒差の3着。直線でマイネルラクリマに並びかけて見せ場を作ったが、最後は一杯になった。テン乗りの内田博騎手が前につけて持ち味のしぶとさを引き出したが、直線の長い東京より小回りコースの方が合うのだろう。今年の芝重賞で4歳馬は5歳馬、6歳馬より連対率が低い。4歳牡馬は世代レベルが低い点に注意。タマモベストプレイは小回りの芝1800mがベスト。

マジェスティハーツは出遅れて最後方を進み、直線で最内からメンバー最速タイの33.6秒で伸びて0.4秒差の6着。横山典騎手は出遅れて仕掛けもせず、すぐに最後方からのレースを選択していた。スローの上がり勝負で最後方から馬場の悪い最内を突いては厳しい。仕上がりは良かったが、トモの張り&踏み込みの力強さが不足しており、まだ良くなる余地を感じさせた。この後はサマー2000シリーズを狙うことになりそう。

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