有馬記念
レース回顧

オルフェーヴルは後方から3、4コーナーで一気に捲って直線入り口で先頭に立ち、メンバー最速の36.0秒でまとめて8馬身差で圧勝した。ルルーシュが逃げて前半5F60.7秒の平均ペース。道中緩急のあるラップが刻まれ、スタミナが問われる展開になった。オルフェーヴルは得意の大外捲りで圧勝。時計の掛かる荒れ馬場で2分32秒3はかなり優秀。これまで大きな差をつけて勝たなかった馬が最後に驚愕の走りを見せた。持ち味の機動力を生かせる中山コースが合うこともあるが、それにしても強い内容だった。今年の凱旋門賞でトレヴに5馬身差をつけられたのは、持ち前の機動力を生かせなかったこともあるのだろう。5歳になっても衰えるどころか、引退レースで生涯最高のパフォーマンスを発揮したのだから凄い。これで現役を引退し、堂々と種牡馬入りする。有馬記念の強烈なインパクトで種付けは初年度からかなり人気を集めそうだ。オルェーヴルの子供でいつか凱旋門賞に挑戦する日が来ることを楽しみに待ちたい。

ウインバリアシオンは後方からメンバー2位の37.3秒で捲って8馬身差の2着。中団後ろの内ラチ沿いで脚をタメ、3、4コーナーで外に出して一気に捲って2着を確保した。岩田騎手の考えられた騎乗もあるが、屈腱炎明け2戦目でゴールドシップに先着したのだから大したもの。3歳時にオルフェーヴルの背中を追いかけてきた馬が、最後もやはり2着だった。青葉賞を勝って以降、全てG1、G2を使われて[0−5−2−3]。勝ち切れないレースが続いているが、10戦のうち9戦で5着以内を確保している。脚元が無事なら次走は久々に重賞制覇のチャンスがありそうだ。来年は天皇賞(春)を目指す予定。

ゴールドシップは後方からメンバー5位の37.8秒で捲って1.5秒差の3着。出遅れて後方を進み、いつも通り外から捲ったが、オルフェーヴルにあっさり交わされて直線でも伸び切れなかった。上がりが37.8秒も掛かったようにここまで馬場が重くなると良くないようだ。前走ジャパンCで15着に惨敗した馬が走る気持ちを取り戻して復調気配を見せた。高速馬場は合わないため、今後は馬場を考慮してレースを選んでいくことになる。来年は凱旋門賞に挑戦するプランがあるようだ。

カレンミロティックは2番手から直線で先頭に立ち、オルフェーヴルに交わされた後もしぶとく粘って6着。緩急のあるラップで逃げ先行馬には厳しい展開だったが、前に行った馬の中で最先着を果たした。上位馬との力差は感じたが、G1初挑戦で6着なら上々といえる。体型的に距離は1800〜2000mがベスト。有馬記念で苦しいレースをした経験を糧に来年は中距離重賞で活躍できそうだ。

ルルーシュは逃げて3コーナー過ぎに一杯になり16着。最後は福永騎手が無理をせず大差負け。前に行った馬に厳しくなる緩急のあるラップを自ら刻んで自滅した。馬場が悪かった札幌記念でも走るのを止めていたが、今回も荒れ馬場で最後はフットワークがバラバラになっていた。出走できるレースは限られるが、調子は悪くないため、東京コースに出走してきたら見直したい。

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