菊花賞
有力馬診断

■[7]ゴールドシップ(1位評価)

神戸新聞杯は後方からメンバー最速の34.5秒で豪快に差し切って2馬身半差で圧勝。休み明けで本番の仕上げでなかったが、力の違いを見せつける強い内容だった。ダービーは内田博騎手の乗り方が悪く5着に終わったが、メンバー最速タイの33.8秒で上がっている。本来は3冠馬になるべき馬だったのではないか。前走仕上げ途上で激走したが、最終調教を見る限り反動はなく、かなりの上積みがある。昨年の3冠馬オルフェーヴルと同じ血統構成で心肺機能が高くスタミナがあるため、距離3000mは問題ない。むしろ他馬との比較で距離延長はプラスに働く可能性が高い。皐月賞とダービーで掲示板に乗った馬は次々と回避し、ゴールドシップと骨折明けのコスモオオゾラしかいない。メンバーが揃っても勝てる力を持った馬だが、今回はかなりメンバーに恵まれた。

断然人気になったことでマークは厳しくなりそうだが、普通に走れば勝つ可能性が高い。ただし未だにスタートが遅い点はクリアできていないため、スローの上がり勝負で後方から捲ると切れ負けする可能性がある。それでも1枠1番ならよほど出遅れない限り中団の後ろあたりにはつけられるのではないか。負けるとすればスローで流れて位置取りが悪くなり、他馬にマークされて動くに動けなくなった場合。社台の馬ではないだけにマークは厳しくなる。出遅れて位置取りが悪くなった後に社台軍団からマークされ、スローペースで勝負どころで仕掛けが遅れると危ない。それをクリアできるだけのスタミナと体力があるため、内田博騎手が馬を信じて強気に乗れるかがポイント。ディープブリランテ、フェノーメノがいた方がレースはしやすかったが、馬の底力を信頼したい。

■[6+]スカイディグニティ(3位評価)

阪神芝2400mの未勝利戦、福島芝2600mの500万条件を連勝。新潟芝2200mの阿賀野川特別は出遅れて後方から大外を回って追い上げる大味なレースで伸び切れず6着に終わった。前走のセントライト記念は中団からメンバー2位タイの34.2秒で伸びて0.2秒差の2着。1枠2番スタートから中団の内で脚をタメ、3、4コーナーで外に出して早めに仕掛けて最後はフェノーメノに迫った。パワータイプで前日夜に雨が降って馬場が緩んだこと、1枠からロスなく回ってきたことがプラスに働いているが、スタミナが問われる展開でラスト5Fを11秒台のラップでまとめたことを評価したい。能力がないとあの走りはできない。

父ブライアンズタイム、母の父ノーザンテーストというひと昔前の血統馬で体型的に距離延長は問題ないタイプ。陣営も距離延長に自信を持っている。友道厩舎は先週の秋華賞でヴィルシーナがハナ差負けしたため、かなり悔しい思いをしている。前走好騎乗をした四位騎手ではなく、メンディザバル騎手を乗せてきたところに勝負気配を感じさせる。前走で高速決着、ラスト5Fの持続力勝負に対応できたことで今の京都の馬場にも対応できるはずだ。未勝利戦、500万条件で自分から動いて4コーナーで先団に並びかけて押し切ったようにスタミナを利して動いて行けるタイプ。想定より流れが速くなってスタミナが問われる展開になると面白い。

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