秋華賞
有力馬診断

■[7]ジェンティルドンナ(1位評価)

オークスはメンバー最速の34.2秒で差し切り5馬身差で圧勝。勝ちタイムは翌週の日本ダービーを0.2秒上回る2分23秒6の好タイム。ディープインパクト産駒でも小柄ではなく、馬格があり非力さがない。牡馬が相手でも通用する能力を持っている。ローズSは京都内回りの秋華賞を意識して2番手につけ、メンバー3位タイの33.2秒でまとめて押し切った。秋になって馬体に実が入り、さらに良くなっている。能力は一番だが、京都内回りの芝2000mは紛れがあり、乗り難しいコース。ジェンティルドンナはこれまで5勝は全て直線の長いコースだった。ジェンティルドンナは7枠14番、前3戦2着のヴィルシーナは1枠1番に入った。直線の短い内回りコース、枠順の内外の差によって差は詰まるのではないか。

前半5F59.1秒で流れたオークスで上がりはジェンティルドンナが最速の34.2秒、ヴィルシーナが3位の35.3秒。前半5F61.4秒のスローになったローズSでは2頭とも3位の33.2秒。流れが速くなれば地力に優るジェンティルドンナが有利だが、スローになると上がりに差がつきにくくなり、枠順と位置取りの差が出やすい。ジェンティルドンナが負けるとすれば、緩い流れ、外枠でロスのあるレースになった場合。ただし能力に自信を持っている岩田騎手は早めに仕掛けて3冠を獲りに行く。早めの仕掛けでレースが持続力勝負に傾くと波乱の目が出てくる。いずれにしてもジェンティルドンナは出遅れ、太め残りなどがなければ簡単には負けない。能力の絶対値が高く、走れる展開の幅は広い。3冠を達成する可能性が高いとみる。

■[6+]ヴィルシーナ(2位評価)

ジェンティルドンナには桜花賞が0.1秒、オークスが0.8秒、ローズSが0.2秒。前半5Fは桜花賞が59.3秒、オークスが59.1秒、ローズSが61.4秒。オークスのように流れが速くなって地力勝負になると分は悪いが、ローズSのようにスローで流れれば大きな差はない。ローズSの上がりは2頭とも3位の33.2秒だった。ローズSは馬体が18キロ増えていたが、背が伸びて大きくなっていた。まだ実の入りが浅いため、これからさらに成長しそうだが、春よりは良くなっている。

ローズSではジェンティルドンナの後ろにつけて2着狙いに徹して秋華賞に楽しみを残したが、今回はジェンティルドンナより前につけて勝負にくるのだろう。逆転するには何らかのアドバンテージが欲しかったが、ヴィルシーナは1枠1番、ジェンティルドンナは7枠14番に入った。しかも確たる逃げ馬は不在で流れは速くなりそうにない。枠順、展開、位置取りのアドバンテージを生かしたい。ベストは2000m前後の中距離。ジェンティルドンナに早めに並ばれないようロスなく回ってタイミング良くスパートする必要がある。

■[6+]アロマティコ(3位評価・穴馬)

今年から京都芝2000mに変更された矢車賞は後方から捲ってメンバー最速の33.7秒で差し切り1分59秒3で快勝。外々を回ってポジションを上げ、直線で切れる脚を使って抜け出す強い内容だった。白百合Sはスローの上がり勝負で7着に負けたが、上がりは勝ったマウイントシャスタに0.1秒差の33.2秒(2位)。西海賞は後方2番手から捲ってメンバー最速の33.3秒で差し切り快勝。前走のムーンライトHは最後方からメンバー最速の34.3秒で伸びてクビ+ハナ差の3着。控え過ぎたもので力負けではない。

前5戦のうち4戦の上がり3Fがメンバー最速。外から捲っても直線で切れる脚を使えるのが持ち味。いい脚を長く使えることは京都回りで大きな武器になる。近親にインティラミイミ、スマートギア、ワンモアチャッターがいるローカル巧者が多い一族。アロマティコは矢車賞の走りを見ても京都内回りは合う。1枠に入ったため道中ロスなく進め、途中から外に出して外から捲るのだろう。道中スムーズに進めて持続力を生かせれば面白い。ジェンティルドンナがヴィルシーナを早めに負かしに行く展開になるととチャンスが広がる。

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