オークス
相馬眼予想

東京は雨、芝は良、ダートは稍重。雨が降り続く予報が出ており、馬場は徐々に渋っていく方向。雨量にもよるが、稍重から重馬場でのレースになりそうだ。今週も芝コースはBコースで行われる。先週は内を通って前に行った馬の好走が目立ったが、土曜は馬場の荒れた部分といい部分の境目あたり(4分どころ)を通った馬が伸びていた。内を通った馬が上位を占めたレースもあったが、これまで前残り傾向が続いていた芝1400mで差しが決まったように先週まで前残り馬場とは違い、外差しが決まるようになってきている。

先週までは内側の芝丈が短く、外側が深くなっていたが、土曜は内側の芝丈が少し長くなってモコモコしていた。JRAの発表では先週より洋芝が2cm長くなっている。これによって内と外の芝丈の差は少なくなったのではないか。JRAが馬場に手を加えてきた点は見逃せない。東京は雨で馬場が渋ると内が有利になることが多いが、内の芝丈が長く設定されたことで、日曜に内が有利になるのかどうかは微妙なところ。逆に内がさらに荒れてくると内が不利になる可能性がある。JRAは社台系の有力馬2頭を8枠に入れている。

土曜の芝戦を見ると直線まで上手く脚をタメた馬が直線半ばから加速して差し切るケースが目立った。直線で叩き合いになってから鋭い脚を使った馬、直線で各馬が苦しくなってからひと伸びした馬が好走していた。馬場が渋ったが、土曜の傾向からは直線までタメて直線で末脚を爆発させるタイプが合っている。直線一気では届きにくいため、中団より前から切れる脚を使える馬が有利。あとはある程度前につけてしぶとい脚を使った馬が残るレースもあった。切れないけどバテないタイプ。芝2400mでそういうタイプの残り目もありそう。

次に展開だが、逃げるのはアグネスワルツ。陣営は控える競馬もできるとコメントしているが、1枠に入っただけに逃げる手だろう。2番手にニーマルオトメが続き、好位にアプリコットフィズ、オウケンサクラ、エイシンリターンズ、ブルーミングアレー、サンテミリオン、中団にアパパネ、ギンザボナンザ、コスモネモシン、ショウリュウムーン、後方からシンメイフジ、タガノエリザベードといった展開。流れはアグネスワルツが単騎逃げならそれほど速くなりそうになく、平均より遅めの流れ。そのぶん各馬の仕掛けは早くなりそうだ。

過去5年の前半5Fと連対馬の脚質は63.1秒(追込−差し)、58.1秒(差し−差し)、59.1秒(差し−好位)、61.4秒(稍重)(差し−差し)、61.0秒(追込−追込)。流れが緩んでも差し追い込み馬が連対しており、前につけた馬は6番手から2着に粘ったベッラレイアのみ。過去の傾向から差し追い込みが決まりやすい。さらに連対馬10頭のうち9頭が5番人気以内の人気馬。残る1頭は桜花賞2着にも関わらず13番人気だったエフティマイア。最近のオークスは人気になる実力馬が活躍する傾向がある。

過去10年のオークスの勝ち馬10頭のうち6頭がメンバー最速の末脚を繰り出して差し切っているが、今年の3歳牝馬限定の重賞、オープン特別で追い込んで連対した馬はクイーンCのプリンセスメモリーとフィリーズRのサウンドバリアーしかいない。今年の3歳牝馬限定の重賞、オープン特別の脚質別成績と連対率は、逃げ[0−3−0−10]で23.1%、先行[7−6−6−24]で30.2%、差し[4−2−6−59]で8.5%、追込[1−1−0−51]で3.8%。先行した馬の活躍が目立っている。

上り3F順位別成績と連対率は1位[1−2−1−11]で20.0%、2位[2−0−2−11]で13.3%。、3位[5−1−2−5]で46.2%、4〜5位[3−4−1−17]で28.0%、6位〜[1−5−6−101]で5.3%。最近の競馬は上がり3Fが1、2位の馬が好走することが多いが、今年の3歳牝馬路線は3〜5位が[8−5−3−22]で連対率34.2%と目立つ。さらに6位以下が2着5回、3着6回と多い。これが今年の牝馬路線の傾向。中団より前につけて切れる脚を使える馬が活躍している。

まとめるとアグネスワルツが逃げて緩い流れなら追い込みは決まりにくく、中団より前につけて切れる脚を使える馬が有利。流れが緩むと各馬の仕掛けが早くなるため、末脚の持続力が問われる。馬場の内側の芝丈が長くなったこと、内側が荒れてきたことで先週のように内が有利ではない。内がさらに荒れてくると内が不利になる可能性がある。今年の3歳牝馬路線は強烈な決め手を持った馬が少なく、中団より前につけて切れる脚を使った馬が好走する傾向がある。以上から総合的に判断して狙いたいのは、アパパネとサンテミリオン。

アパパネは東京芝1600mの未勝利戦でラスト3F11.8−11.4−11.3秒、サンテミリオンは若竹賞で12.4−11.4−11.1秒の尻上がりラップで楽勝している。土曜は直線で叩き合いになってから鋭い脚を使った馬が好走しており、アパパネとサンテミリオンの末脚はイメージに合う。アパパネはラスト2F目に強烈な脚を使ってラスト1Fを地力で踏ん張るタイプ。ラスト1Fは12秒台に落ちることが多い。サンテミリオンはスピードの持続力があり、これまでラスト1Fは全て11秒台でまとめている。

今回はアパパネが持ち前の瞬発力で抜け出したところに持続力のあるサンテミリオンが迫るといったレースになりそう。アパパネは桜花賞を目標にしてきた馬、サンテミリオンはオークスを目標にしてきた馬。G1は狙って獲るものという点に当て嵌まるのは、サンテミリオンの方だが、アパパネは陣営の調整が上手く行き、オークス仕様に馬が変貌している。デビューから馬体が減り続けているサンテミリオンに対し、アパパネは馬体が増えている。2頭に大きな力差はないが、最終調教の動き、気配から今回はアパパネを上位にする。

不利な8枠、渋った馬場が課題だが、桜花賞とフローラSを好タイムで勝った馬。2頭とも3歳牝馬ではトップレベルの能力があり、馬場傾向からも8枠は例年ほど大きな不利にならない。アパパネは重馬場のチューリップ賞でショウリュウムーンに負けたが、休み明けで本番は次というレースをしたこともある。重馬場をこなしたことに注目。サンテミリオンは良馬場の方が良さそうだが、走法から渋った馬場はこなすのではないか。終わってみたら、やっぱり桜花賞とフローラSを勝った馬が強かった。そういうレースになるとみる。

本命アパパネ、対抗サンテミリオン。馬券は馬単・馬連・ワイド◎→○が本線。不利な8枠に入ったが、桜花賞馬アパパネとフローラSを勝ったサンテミリオンの対決になるとみる。

◎アパパネ
○サンテミリオン
(以下省略)


<パドック診断>

東京11R ○7:アパパネ サンテミリオン

アパパネ:馬体10キロ減ったがおそらくこれは陣営の思惑通り。馬体がマッチョから長い距離をこなすように変貌している。馬体の張りシルエットも良く力を出せる仕上がり。サンテミリオン:馬体が6キロ増えて実の入りが良くなりシルエットが良くなる。こちらも力を出せる仕上がり。(以下省略)

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